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「教育訓練給付金」いくらもらえる?不況の今こそ学びのタイミング

LIMO / 2020年5月10日 20時15分

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「教育訓練給付金」いくらもらえる?不況の今こそ学びのタイミング

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、国内の多くの産業が打撃を受け、雇用状況が悪化するこんにち。収入減や失業に見舞われる人が急増するなか、働き方やキャリアへの意識改革が否応なしに求められています。

不況時には、スキルアップのために資格や技術習得を目指して学ぶ人が増えるといわれます。今回は「教育訓練給付金」、社会人の学びを支援する制度についてのお話です。

「教育訓練給付金制度」って?

働き始めてからも、資格取得やキャリアアップを見据えて勉強を続けている人は多いと思います。「教育訓練給付金」は雇用保険から給付されるもので、雇用保険の加入年数など一定の要件を満たしている場合に、教育訓練のための受講費用(入学金および受講料)の一部を支援してもらえる制度です。

給付の対象となるのは、厚生労働大臣が指定する講座を受講した場合です。「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SSR/SSR101Scr01S/SSR101Scr01SInit.form)」で指定講座の検索ができます。

2020年5月現在、教育訓練給付金の種類は以下の3つです。

「一般教育訓練」

「特定一般教育訓練」(2019年10月新設)

「専門実践教育訓練」

いずれも申し込み先は管轄のハローワークです。給付金の種類により、支給条件、対象資格、給付金額などが異なります。次に、厚生労働省の資料などをもとに、各給付金の概要を確認していきます。

「一般教育訓練」給付金(※1)

制度の目的:「雇用の安定と再就職の促進」

支給条件となる雇用保険の加入年数

初回利用の場合・・・1年以上
2回目以降の場合・・・3年以上

給付金の支給額

受講費用の20%(上限10万円、4000円以下の場合は不支給)

「特定一般教育訓練」給付金(2019年10月新設)(※2)

制度の目的:「速やかな再就職と早期のキャリア形成」

支給条件となる雇用保険の加入年数

初回利用の場合・・・1年以上
2回目以降の場合・・・3年以上

給付金の支給額

受講費用の40%(上限20万円、4000円以下の場合は不支給)

「専門実践教育訓練」給付金(※3)

制度の目的:「中長期的なキャリア形成・雇用の安定と再就職の促進」(3種類の給付金のなかで最も専門性が高いものです)

対象となる講座・資格の例

 業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする講座(税理士・看護師など)
 専門学校の職業実践専門課程
 一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする講座

支給条件となる雇用保険加入年数

初回利用の場合・・・2年以上
2回目以降の場合・・・3年以上

給付金の支給額

受講費用の50%(1年で上限40万円、最大3年で120万円)

教育訓練終了後の追加支給

資格を取得し、訓練修了翌日から1年以内に「一般被保険者」として雇用された場合は受講費用の20%が追加支給されます。この場合、支給総額は最大で70%(年間上限56万円、最大3年で168万円)

「パートタイマーでもOK?」「すでに離職している場合は?」

「正社員しか利用できないの?」「子育てで退職してからブランクがあるのだけど…」などと疑問に思われた人もいると思います。

雇用保険に加入して要件を満たしている場合はアルバイト・パートなどの非正規雇用でも利用できます。離職後も1年以内に受講を開始すれば利用可能。さらに離職理由が出産・育児・病気などの場合は、延長の手続きによって離職後最大20年以内は利用できます。

非正規ワーカーのスキルアップや、女性の職場復帰などを応援する制度でもありますので、ご自身の雇用保険加入歴などが要件を満たしているかどうか、確認してみることをおすすめします。

「適切な制度利用のために」

教育訓練給付制度の利用には、“習い事感覚”ではなく、適性や目的、学習環境などを十分考慮したうえで講座を選ぶことが大切です。厚生労働省は、教育訓練給付制度の利用を検討中の人に向けて「受講する講座を決定される前に、是非お読み下さい(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/kyuufu_pdf/tekisetsu.pdf)」と題し、利用にあたっての留意点を示しています。

特に注意を要するのは、教育訓練給付制度を利用するには、雇用保険の加入期間が3年以上(初回利用に限り1年以上)必要であり、一度利用すると、また3年以上の保険加入期間を経てからでないと利用できない点です。

機会を有効に生かすため、下記の3点を考えるようすすめています。

     なぜ職業能力の向上を図ろうと思ったか?

     職業能力の向上を図ろうと思った理由にあわせて、受講する講座の内容を考えたか?

     講座を選ぶにあたり、自分にあった学習形態(通信・通学)、講座レベル(初歩から、中級からなど)などを考えたか?

制度の利用にあたっては、以上のことを心にとめておきましょう。

まとめにかえて

COVID-19の影響を受け、私たちの仕事をめぐる環境は大きな変化を迎えています。より安定した雇用や賃金を求め、転職を検討している人も多いでしょう。また、テレワークの定着により、これまで通勤に費やしていた時間をeラーニングなどにあてる人も増えていくはずです。

ご自身のニーズに応じて「教育訓練給付金」の制度を有効活用していただければと思います。

【参考】
「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座(検索画面)(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SSR/SSR101Scr01S/SSR101Scr01SInit.form)」厚生労働省
※1「一般教育訓練の教育訓練給付金の支給申請手続きについて(https://www.mhlw.go.jp/content/000588319.pdf)」厚生労働省
※2「特定一般教育訓練の『教育訓練給付金』に関する支給申請手続きのご案内(https://www.mhlw.go.jp/content/000571212.pdf)」厚生労働省
※3「専門実践教育訓練の給付金のご案内(https://www.mhlw.go.jp/content/000571214.pdf)」厚生労働省
「教育訓練給付制度を利用して講座の受講をお考えのみなさまへ:受講する講座を決定される前に、是非お読み下さい(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/kyuufu_pdf/tekisetsu.pdf)」厚生労働省

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