ケチに徹する!?「経済の大復活はない」日本で生きる術
LIMO / 2020年5月16日 20時0分
ケチに徹する!?「経済の大復活はない」日本で生きる術
昔は良かったと言いたくはないが…
昭和バブルが懐かしい今日このごろです。
筆者は1985年(昭和60年)に社会人となりました。当時は高度経済成長後の時代でしたが、景気は順調に拡大し、新入社員の給料が毎年上がっている時代でした。
私の初任給は月12万円くらい。独身寮費や生活費を除くと、手元に残るのは5〜6万円だった記憶があります。でも、当時の時代背景なのか、個人にも社会全体にも不安感や閉塞感はなく、誰もが右肩上がりの日本経済に乗っていけることをつゆほども疑ってはいませんでした。
加えて、その時代までの日本人は必死でした。筆者世代はユルユルな青春時代を送ったのですが、親世代(今の80代以上)の若かりし頃は、戦争の影響で食べるものも食べられなかった時代。次世代は豊かにという思いで艱難辛苦された方々です。
いまさら感はありますが、35年前の日本は中国経済もアジア経済も眼中になく、まさか同地域が日本を凌駕するとは思っていませんでした。当時、某メーカーに勤務していた先輩が中国赴任を打診され、即、断って会社を辞めたことが思い出されます。
当時の日本は生活水準も工業技術水準もアジアNo.1でしたので、インフラが不十分で商習慣が異なる国に赴任することは考えられなかったのでしょう。個人的な理由もあったのかもしれませんが、分からないではありません。
しかしながら、今や中国とアジア3カ国(インド、韓国、インドネシア)の国内総生産(GDP)合計額は米国並み(IMFのドルベース名目GDP・2018年参照)。しかも、この2カ月のコロナ禍で日本は思った以上に脆弱であることが判明しました。
もっとも、日本の多くの企業やお店は内部留保が少なく、いかに自転車操業していたかということが分かったのは大きな収穫です。やはりいつの時代もゼニは持たなあかん、経済は回さなあかんという見本です。
日本経済に大復活はない
ところで、筆者は日本経済の大復活はないと見ています。
筆者も日本人の端くれですから、大復活どころか世界をリードする国や経済になってほしいと思っています。でも、現実的にはそれは起きないでしょう。
ずっと言われているとおり、少子高齢化が進み、人口は否応なく減ります。内需がある限り日本経済は滅びませんが、それも縮小均衡。政治がどう企業がどうというよりも、人が減るのですからしょうがありません。
減った需要や消費をまかなうべく大金持ちが増えればいいですが、今の社会経済体制ではそれは望み薄です。ということは消費も盛り上がらず、税収も増えず、インフラも老朽化し…お先真っ暗ですね。
厚生労働省による2019年の人口動態統計の年間推計(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei19/dl/2019gaiyou.pdf)(図表1参照)では、日本の人口自然減は51万2千人。100年後の人口は6割減の74百万人程度、これが現実です。
縮小均衡の日本でどう生きるか
さて、ここで提言です。
みなさん、心のどこかに給料は自動的に増えるものだ、とか、そうなるはずだと期待していませんでしたか? あわよくばボーナスも会社が何とかしてくれる、と。しかし、それはもうありえません。
コロナ禍とは関係なく、もうそんな時代は来ないのです。もっとも、会社なり組織なりにしっかり貢献される方は給料が上がって当然ですし、そういう社会でないと発展しないでしょう。しかしながら、年功序列や横並びはもはや幻想です。
では、かかる低成長デフレ時代をどう過ごせばいいのでしょうか。私はあえて申し上げます。ケチに徹しろと。
世間ではケチは白眼視されるようですが、お金を残そう、本当に必要な時に使えるようにしようとするには、不必要なお金を使う習慣をなくすべきです。
それは毎日の買い物の際に、「それが本当にいるかどうか」を考えることや、「同じものなら安いところで買うこと」や「価値のあるものを買うこと」を徹底することです。衣食住全てにです。その生活を10年も続けてみてください。ひと財産できているはずです。
多くの方はここまで割り切って生活できないかもしれません。ですが筆者の新卒入社当時は4畳半に男2人が居住する独身寮住まいでした。三密どころの騒ぎではありません。そこはタコ部屋さながらで、ダンボールをガムテープで固定し二人の間仕切りしていたことを覚えています。
今はそんな環境もないでしょう。ただそれがあったからこそ、知恵を絞ってケチに徹し、いち早くその環境から抜け出すことを模索できたのです。結果的にその独身寮を3年半で卒業することができました。
ということで、社会が混乱している今、本当に安心して生き抜くにはどうすればいいのでしょう。
それは、見栄も他人の目も関係なく。ケチに徹することです。ビジネスも生活も、資産形成もなるべくコストをかけない、これしかありません。ただ、少ないお金で満足感の高い生活をするには、頭も体力も使わなければなりません。
もっとも、このケチ作戦、すでに実践されている方はたくさんいるとは思いますが…。
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