オンライン帰省で気付いた「親の見守り問題」みんなはどうしてる?
LIMO / 2020年5月16日 19時15分
オンライン帰省で気付いた「親の見守り問題」みんなはどうしてる?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のために、さまざまな取り組みが行われています。ゴールデンウィークに先立ち、政府が国民に推奨した「オンライン帰省」。発表されたときは、「どういう意味?」「難しそう…」などとさまざまな意見があったようです。
連休が明けた今、みなさんの「オンライン帰省」エピソードをご紹介していきましょう。
モニター越しに“楽しむ”“懐かしむ”
「実家の両親、他県に暮らす弟夫婦と、ZOOMを使ってのオンライン飲み会をやってみました。両親宅のパソコンでZOOMを使えるようにするところがネックかな、と若干心配でした。でも、実家暮らしの妹がセットアップしてくれたので助かりました。画面越しとはいえ、電話よりお互いの近況がよくわかり、思った以上に楽しかったです」(30代男性)
「このゴールデンウィークは地元に帰り、同級会に出席する予定でした。でも、幹事の発案で急遽オンライン同級会に切り替わりました。「遠くて帰省できない」と欠席続きだった友人も参加してくれて結構盛り上がりました。これが『オンライン帰省』といえば、そうかも。あ、もちろん実家の両親にも、ちゃんと電話で連絡は取りましたよ(笑)」(20代女性)
「すでに両親が他界し、帰る実家はありません。ふいに子供時代が懐かしくなり、Googleのストリートビューで故郷の風景を楽しみました。数年前の写真でしたが、懐かしい街並みの中、父が乗っていた車とよく似た車も映っていて…。「もしや父の愛車?」と思ったら、いろいろ昔の記憶がよみがえり、目頭が熱くなりました。コロナが収束したら、ぜひ実際に行きたいです」(40代男性)
「首都封鎖!?」デマに慌てる母を安心させるため…
多くの人が思い思いの方法で楽しんだ「オンライン帰省」。なかには、家族間のコミュニケーションの大切さを考えるきっかけになった人もいるようです。
Aさんは、ご主人と子どもと一緒に都内で生活をしています。まだ緊急事態宣言が出される前に、「東京がロックダウン(都市封鎖)される」というデマが流れた時がありました。それに真っ先に反応したのが、他県に住むAさんの母親。
もしロックダウンが行われたら、不自由な生活を強いられるに違いない娘夫婦のことが心配だったのでしょう。Aさんのもとには母親から「実家に帰ってきなさい」という電話が何度も入り、お米や食料品を詰め込んだ段ボール箱が数日おきに送られてきました。
Aさんの実家のある県は、当時はまだ感染者が出ておらず、Aさんが帰省することで逆にウイルスを持ち運んでしまうリスクがありました。さらに、連日送られてくる物資は、Aさんの母親が地元で買い占め同然で調達したものだということが判明。Aさんは、とにかく母親を落ち着かせる必要があると感じました。
Aさんは母親にテレビ電話で連絡し、「自分たちは大丈夫であること」「物資は足りていること」「迷惑にもなる、不要な買いだめや不要不急の荷物の発送はやめてほしいこと」を、丁寧に伝えました。お互いの顔を見ながらの会話を繰り返すうち、Aさんの母親もクールダウンできたようだった、とのこと。
「この連休も、スマホのテレビ電話で『オンライン帰省』し、互いの無事を確かめ合いました。そして、感染拡大が収束したときは、絶対に元気な姿で会おうと約束しました。新型コロナに絡んだ、高齢者狙いの詐欺も多く発生していると聞きます。母のように冷静さを欠いた状態が続けば、うっかり騙されてしまうかも。こんな時だからこそ、離れて暮らす親とのコミュニケーションって特に大切だなと感じました」と語るAさん。きょうだいにも呼び掛け、週に1度は親に近況報告をするようにしているそうです。
約8割が「離れている親が心配」と回答
前述のAさんのように、親世帯と離れて住む人は多いと思われます。では、「親の見守り」について、多くの人は、どのように考えているのでしょうか。
ここで、2020年3月にセコム株式会社が発表した「親の見守りについての調査(https://www.secom.co.jp/corporate/release/2019/nr_20200305.html)」の結果を見てみましょう。この調査は、2020年2月、親と離れて暮らす全国の40代50代の男女500名を対象にWebで実施されたものです。
親の世帯構成は?
夫婦2人…44.8%
家族と同居…26.2%
独居…26.0%
その他…3.0%
どのぐらいの頻度で親と会いますか?
年に4回以上…31.8%
年に2,3回…32.0%
年に1回…20.6%
2年に1回…4.6%
3年に1回以下…11.0%
離れて暮らす親に心配なことや気がかりなことはありますか?
ある…80.2%
ない…19.8%
心配ごとの詳細としては、94.0%が「病気やケガ・熱中症などの健康面」と回答しています。
親の様子や安否確認のために、意識して行なっていることはありますか?
ある…38.2%
ない…61.8%
具体的には、「定期的に電話している(81.2%)」「LINEやメールなどでやりとりしている(36.6%)」などが挙がっています。
離れて暮らす親について、約8割の人が何らかの心配事があるにもかかわらず、何かを意識して対策しているという人は、4割以下。その理由として、「まだ元気なので必要性を感じない(23.3%)」「何をしたらいいかわからない(21.4%)」「やろうと思いながら、先延ばしにしている(16.2%)という回答が上位を占めています。
親子ともに、テレビ電話やLINE、メールなどの通信手段を使いこなせれば、コミュニケーションはとりやすいでしょう。しかし、親の側が、スマートフォン(スマホ)やパソコンを使えず、電話での通話しかできないケースは、意識して連絡しようと思っても、タイミングが合わず…ということも考えられます。
そんな時に、利用を検討したいのが、警備会社等が提供している「高齢者の見守り」サービス。親の住まいに設置された機械が、子のスマホに親の暮らしぶりを伝えてくれます。一定時間センサーの前を通過しなかった場合にメール通知がきたり、緊急ブザーを押すだけで自宅に警備員が駆け付けてくれるサービスなども。
高額で大がかりな工事を必要とするイメージをもたれがちですが、簡単な設置工事で月額料金が安いものも増えています。子ども側で撮影した写真や動画を実家に送り、受信されると子ども側に通知が行く、というような、コミュニケーションツールとしての機能を持つもものも登場しています。
まとめ
特定警戒都道府県を除いた地域では、徐々に外出自粛緩和の動きが出てきています。とはいえ、まだまだ長距離の移動は控えなくてはならない日が続きそうです。次のオンライン帰省の計画をしながら、「親の見守り」について、今一度考えてみてもよいかもしれませんね。
【参考】
「親の見守りについての調査(https://www.secom.co.jp/corporate/release/2019/nr_20200305.html)」セコム株式会社
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