1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

テレワークで知った内助の功…ワンオペ妻が望んだ自由時間

LIMO / 2020年5月15日 10時15分

テレワークで知った内助の功…ワンオペ妻が望んだ自由時間

テレワークで知った内助の功…ワンオペ妻が望んだ自由時間

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威をふるうなか、日本でも封じ込めに力を注いでいます。当初の7都府県に次いで、政府は全国に「緊急事態宣言」を発出し、早急なコロナ終息を狙っています。

そんななか、厚生労働省が「新型コロナウイルス感染症について(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html)」というHP上で発表した啓発アイコンが若者を中心に話題になっています。疫病から人々を守るといわれている妖怪「アマビエ(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000620716.jpg)」をモチーフとした画像が、不要不急の外出や3密を避けるよう、強く呼びかけているようです。

感染拡大を食い止めるために、政府が打ち出していた対策の1つでもあるテレワークの推進。しかし、家族との時間が増えることで虐待やDVの増加が懸念されています。長く過ごすことで、今まで知らなかった家族の顔が見えることもあるようです。

疑問だった出社後の妻の時間 

30代男性のSさんも、緊急事態宣言でテレワークに切り替えたひとり。同期入社だった妻は現在育児休暇中で、8カ月の息子の世話と家事を一手に引き受けています。Sさんの業務は普段から定時帰宅が基本で、残業は繁盛期以外、ほぼありません。同期の妻はそれを知っているので「できる限り育児に参加してほしい」というのですが、Sさんにはそれが納得できなかったといいます。

「だって僕は往復2時間かけて通勤、そして8時間勤務。合計10時間は外で頑張っているんです。1日中家にいる妻が、家のことをするのは当然だと思っていました…。」

だからといって、まったく協力していなかったわけではないといいます。仕事帰りの買い出しはSさんの担当だったのだとか。そのため、家に帰れば何もしなくていいだろうと考えていたそうです。

「朝はパジャマのままお見送り。帰宅しても夕飯の準備はまだしも、洗濯物すら畳んでいないことがよくありました。こっちは朝から忙しく働いているのに、妻はだらけた生活をしていると思ったのです。妻は『私だってがんばっている』といっていましたが、その努力が僕には見えませんでした。」そんなSさんの考えを変えたのは、緊急事態宣言ではじまった「テレワーク」だったのです。

朝から始まる家事 

テレワークがはじまった当初、Sさんはこの快適さに驚いたのだそう。満員電車で座ることもできず、毎日2時間を費やしてきた通勤がなくなり、朝は1時間遅く起床できるようになりました。

起床後Sさんがのんびりコーヒーを飲んでいると、パジャマ姿の妻が8カ月の息子のオムツを交換したり、ミルクをあげたりとせわしなく動いている姿が目に入ります。Sさんがつい「洗濯機、今のうちにまわしたら?」「家だからって、いつまでもパジャマのままはよくないよ」と助言すると、妻に睨まれたそうです。

「効率よく家事をすすめられるよう教えてあげたのに…と、このときは腹が立ちましたが、後日、妻の気持ちを知ることができたのです。」それは、テレワークをはじめて4日ほどたったときでした。深夜にたまたま目覚めたSさんは、リビングの小さな明りに気づいたのです。

「水でも飲もうとキッチンへ向かうと、リビングの明かりに気づきました。そこには、小さな間接照明の明かりで息子をあやしている妻がいたのです。『大丈夫?』と声をかけると、妻は慌てた顔で『起こしてごめんね』と謝ってきました。聞けば、ここ何週間も息子の夜泣きがひどくて、妻は眠れていなかったそうです…。」Sさんは、ここから子育ての大変さを理解するのでした。

休めない子育て 

翌日、Sさんが起床する時間には朝食が準備されていました。パジャマ姿のまま息子のオムツを換え、ミルクを与えていた妻をみて申し訳なくなったそうです。Sさんがコーヒーを飲んでいるあいだにも8カ月の息子を着替えさせ、洗濯機をまわし、グズる息子を抱っこであやしながら立って朝食をとっていました。Sさんが抱っこを代わり「ゆっくり食べなよ」と声をかけると、妻はうれしそうにお礼をいってきたそうです。

「抱っこを代わっただけで喜ぶくらい、妻はがんばっていたんですね。仕事中も部屋の外の声に耳を傾ければ、妻は息子の世話を必死にしていることが伝わりました。トイレにいく時間もないくらい忙しいなんて…仕事にいっている方がラクなのでは?と思いました。」

仕事から帰宅しても洗濯物がたたんでいない…という理由がわかったというSさんは考え方を改め、育児にも協力的になったそうです。

妻が望む自由時間

そんなSさんも育児に協力的になったからといって、妻を完ぺきにフォローできているとはいえなかったそうです。深夜の夜泣きはまかせっきり、家事はほとんど妻がこなしていたそうで、引き受けようにも「私がやった方が早い」という理由で、断られていたのだとか。

「今まで何もやってこなかったわけですから、当然ですよね…。それでも、なにもしないわけにはいかないので妻にプレゼントでもしようと計画を立てています。」妻に欲しいものをきくと、意外な答えが返ってきたそうです。

「妻は『物はいらない。それよりも自由な時間が欲しい』と。30分でもいいから、ひとりでのんびりおでかけがしたいそうです。子どもが生まれてから、ひとりの時間はなかったはず。これは、僕が協力するしかないと思いました。」

今は緊急事態宣言中で不要不急の外出はできませんが、コロナ問題が落ち着いたあかつきには、妻が望む自由時間をプレゼントするそうです。それまでにSさん自身が子どもとの時間をつくり、「ひとりでも子どもの世話ができるようにがんばる」といいます。

「妻が『でかけてごめんね』といわないでおでかけできるように、がんばります。」というSさん。この気持ちが伝わるといいですね。


【参照】
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html)」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください