子どもが「犬を飼いたい!」費用は? 環境は? 飼う前に要チェックの4つのポイント
LIMO / 2020年5月23日 13時0分
子どもが「犬を飼いたい!」費用は? 環境は? 飼う前に要チェックの4つのポイント
「ボクも犬とお散歩したい」「○○くんのおうちには犬がいたよ、ボクも飼いたい」なんてことを子どもが言って困っている、という家庭も少なからずあるのではないでしょうか。
犬は子どもの成長にとって意味ある存在になるだろうけど、大切な命を預かることになるってわかってる?と不安になることも。そこで今回は、犬を飼いたいと子どもに言われたときに考えておきたいポイントや、犬が子どもに与える影響などを紹介していきます。
犬は子どもにどんな影響を与える?
犬と一緒に過ごすことで、癒しの効果があったり健康リスクが減少したりといった研究や報告があるのを、みなさんも聞いたことがあるでしょう。セラピードッグのように、医療現場で現に活躍してくれているワンちゃんもいますね。
では、犬によって子どもにはどんな良い影響が期待できるのでしょうか。
相手を思いやる気持ちが育つ
言葉で会話ができないからこそ、いまは喜んでいるのかそれとも怒っているのか、子どもは自然と相手の気持ちをくみとろうとします。これが人間とのコミュニケーションにおいても、相手の気持ちを考え思いやりのある行動につながるようです。また犬へ自分の気持ちを伝えるときに、言葉の調子や顔の表情などを使うようになり、感情表現が豊かになる可能性があります。
精神的な安らぎを感じる
ドッグセラピーなどと同様に、犬は家庭でも人間に癒しを与えてくれます。子どもにとっても、孤独や不安を遠ざけ、意欲やポジティブな感情を促して精神的な安定をもたらすのです。
命に向き合う機会になる
犬の寿命は人間よりも短いため、最期を看取る立場になることは避けられません。大人にとってもつらい出来事なので、幼い子どもにとってはなおさらでしょう。しかしこの出来事によって、命のはかなさや大切さ、日常の尊さを学べます。つらい出来事を乗り越えられるように、家族で支え合っていきたいですね。
飼う前に考えておきたい4つのポイント
子どもに「犬を飼いたい」と言われたときに、考えなければいけないことをここで挙げておきましょう。
1)犬アレルギーはない?
人によっては犬の毛などからアレルギー症状を発症することがあります。軽い症状で済む人もあれば、呼吸困難など重篤な症状におちいる危険も。事前に飼っている友人に頼んで遊ばせてもらったり、ペットショップでふれ合ったりして様子をみるとよいでしょう。病院でアレルギー検査をするのもいいですね。(注:アレルギー検査の結果が陰性でも100%大丈夫というわけではありません)
2)飼うためにかかる費用はOK?
愛犬にストレスなく健康に長生きしてもらうためには、えさやトリミング、予防接種、定期検診などはもちろん、遊ぶためのおもちゃやサークル、トイレなどさまざまな備品・消耗品が必要となります。
ペットフード協会が行った「平成30年 全国犬猫飼育実態調査(https://petfood.or.jp/data/chart2018/4.pdf)」によれば、犬の飼い主が1カ月に支出している金額(医療費含む)は平均1万1480円。生涯必要経費(平均寿命14.29歳)は平均179万3005円となっています。こういった費用を持続的にまかなえるのかどうかを考えておかなければいけません。
3)飼える環境があるのか?
わが家がその犬を飼うのに無理のない環境なのかどうか、ということもしっかり考えておく必要があります。マンションなど集合住宅ではペット不可の規則になっている場合もあります。飼いたい犬の体格や性格、運動能力に応じた空間が確保できるかといった点も考慮しましょう。
4)飼育責任者はだれ?
子どもが犬を飼いたいと言いだしたときによくあるのが、「ボクが必ず世話をするから」というもの。しかし子どもの気持ちはコロコロと日々変わるもの。興味がほかに移ったからといって世話がおろそかになったり、放置することは絶対にあってはなりません。
そのため万が一、子どもが面倒をみなくなってしまったときに、だれが代わりに世話をするのか、どのようにして子どもを犬の世話へ戻すのかを、あらかじめ考えておく必要があるのです。
生まれたときからずっと犬と一緒
筆者の生家は犬好きで、生まれたときからずっと犬と一緒でした。これまで小型犬に中型犬、大型犬、加えて猫やインコがいたときもあります。現在も自宅や実家には犬がいます。
嫌なことがあったときも、うれしいことがあったときも、常に犬が寄りそってくれました。会話はできないけれど、話しかけると気持ちをわかってくれたようにいつもやさしい目で見つめ返してくれるのです。
初めて犬が亡くなる体験をしたのは、5歳のときでした。いなくなってしまって悲しくて、“いなくなる”という意味もわからなくて…「どうして帰ってこないの?」と何度も親に尋ねた記憶があります。幼いながらに理解したのは、「命には限りがあって大切なものなのだ」ということでした。
それから何度か犬の死に向き合い、「犬と過ごせる時間を大切に、悔いなく愛情を注いで過ごす」という考えに行きつきました。そういったことを自分の子どもにも感じてほしいと思い、わが家では子どもが生まれる前から犬を迎え、家族の一員となっています。
子どもだけでなくほかの家族にも癒しの存在となっている犬が、居心地良くのんびり過ごせるように心がけています。
まとめにかえて
子どもが「犬を飼いたい」と言い出したからといって、安易に飼いはじめるのはよくありません。犬との生活を具体的に想像し、きちんと最期まで見送ることができるかどうかを考えてから受け入れ準備をしましょう。
犬を家へ迎えた際には、「来てもらった」という気持ちを忘れず大切に育てることが重要です。大切にといっても甘やかすだけでなく、ほかの人に迷惑をかけないように、家族の一員としてしつけをするのも忘れないようにしたいですね。
【参考】
「笑顔あふれる、ペットとの幸せな暮らし。──ペットとの共生によるすぐれた効果・効用(https://petfood.or.jp/breeding/dictionary/webcatalog.pdf#search='%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88+%E7%99%92%E3%81%97%E3%81%AE%E5%AD%98%E5%9C%A8')」ペットとの共生推進協議会
「平成30年 全国犬猫飼育実態調査:犬 飼育・給餌実態と支出(https://petfood.or.jp/data/chart2018/4.pdf)」一般社団法人ペットフード協会
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