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オンライン授業で学習が偏る?現役塾講師が伝える「映像授業7つのコツ」

LIMO / 2020年5月17日 10時0分

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オンライン授業で学習が偏る?現役塾講師が伝える「映像授業7つのコツ」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、映像授業が勢いを増しています。東進などの大学受験の予備校、月額制の映像授業コンテンツ。それだけではなく、ふだん対面授業をメインにおこなっている小中学生の学習塾、個人が配信している無料の授業動画など、コンテンツ数も数年前とは比べ物にならないほど増えました。

とくに今年4月以降は、これまで映像授業を導入していなかった学習塾や多くの学校が、オンラインを活用した授業を展開しています。

学校・塾・予備校などがほぼ休校となってしまった今、映像授業は勉強の機会として頼ることのできる貴重なコンテンツとなっているのではないでしょうか。

緊急事態宣言により教育業界がさまざまな対応を考えるなか、筆者の塾でも映像授業を導入しました。数週間が経ち、わかったことも多くあります。

今回は、映像授業の活用法を解説します。

映像授業のメリット・デメリット

まずは映像授業のメリットやデメリットを確認しておきましょう。
メリットとデメリットは表裏一体の関係となっています。
以下の6つをご覧ください。

(/mwimgs/0/a/-/img_0af9845a158ad0adaec2a78a94f5361a24686.png)

拡大する(/mwimgs/0/a/-/img_0af9845a158ad0adaec2a78a94f5361a24686.png)

映像授業のメリット・デメリット(筆者作成)

1.好きな時間に視聴できる/意識しないと3日坊主に

映像授業は好きな時間に視聴できます。これは大きなポイントですね。しかし、視聴を習慣化することを意識しないと、長続きしません。3日坊主にならないように注意が必要です。

2.気軽に視聴できる/緊張感に欠ける

映像授業は好きな時間はもちろん、ネット環境やタブレット端末などがあれば気軽に視聴できます。その一方、身構えることなく視聴できるため、緊張感に欠けることが多いです。

3.マイペースに学習できる/ライバルがいないためモチベーション維持が難しい

映像授業は自分に合った問題から視聴でき、周囲を気にすることなくマイペースに学習を進めることができます。しかし、同じように頑張っているライバルの存在を感じにくいため、モチベーションを保つのが大変です。

4.納得するまで何度も視聴できる/自分で解決するしかない場合が多い

映像授業はわからない問題があった場合、映像を繰り返し視聴し確認することができます。しかし、それでもわからない場合、自分の力で解決しなければならないことが大半です。

5.必要な動画、または必要な部分だけ視聴できる/苦手な部分を飛ばすなど、学習が偏ってしまう

映像授業はわからない部分を中心に視聴するなど、自分が必要なものを選ぶことができますが、嫌いなものを避けることができるため、バランスよく視聴する必要があります。

6.先生の授業スキルが高い/見ただけで分かった気になりやすい

映像授業は、(塾の動画の場合)その塾の中でも授業スキルに定評のある先生が担当することが多いため、わかりやすく教えてくれます。しかし、(その場では理解していないのに)わかった気になりやすいため注意が必要です。

映像授業の効果的な活用法

映像授業は通常の対面授業とは違い、一方通行になりがちです。そのため、視聴方法には工夫が必要です。映像授業を効果的に活用し、上手に勉強できている子供も多いです。たとえば、以下の7つの活用法です。

1.視聴前に問題に目を通すなど、準備をしておく

視聴前の心の準備というイメージが近いでしょうか。あらかじめ「こんな勉強をするのか」というように、内容が少しでもわかっていれば心構えができるため、内容の理解に集中できます。

2.教科ごとに視聴するスケジュールを決めておく

これは特定の教科ばかり視聴する、または視聴しないといった「教科の偏り」を防ぐためです。バランスよく、曜日や時間ごとに視聴する教科を決めておくと良いでしょう。

3.わからないところは「止めて」「くり返して」視聴する

何度もくり返し視聴できるのは対面授業とは大きく異なる点で、映像授業の最大の長所ですね。何度も視聴し、納得いくまで「止めて」「くり返して」視聴しましょう。映像授業の先生はわかりやすく解説するため、聞いただけでわかった気になりやすいため注意が必要です。

4.メモを取りながら視聴する

映像授業は気軽に視聴できるため、つい手ぶらで見てしまいがちです。映像授業ではテクニックを扱うことも多いため、メモを取りながら視聴する習慣をつけると良いでしょう。

5.視聴しながら、または視聴後に意識して問題を解く

映像授業の中には「問題を解いてください」という場面もありますが、全体的に問題演習量が不足しがちです。視聴中や視聴後に問題を解く習慣があると、内容の定着も早くなります。

6.動画内の解き方を「真似」してみる

動画内で公式や解き方を習ったら、同じように真似をしてみてください。何度も「真似」をして定着させ、扱った内容を「自分のもの」にしましょう。

7.自分の学力に合わせて視聴する

映像授業で大切なことは自信をつけることです。周囲を気にすることなく、無理をせず、自分の学力に合った授業を視聴しましょう。

保護者がわが子にできる「はたらきかけ」

教室で対面授業を受ける状況とは違い、自分の部屋などで映像授業を受けることは不慣れな部分もありますよね。また、映像授業では双方向にコミュニケーションを取ることはできず、ときには退屈な部分も出てきてしまいます。これは仕方のないことです。

そんな状況だからこそ、保護者が簡単にできる映像授業に対する「はたらきかけ」があります。ここでは以下の4つを紹介します。

1. モチベーションの維持が難しいため、視聴したことを褒める

小中学生の映像授業に関しては、モチベーションの維持が難しいです。理解したこと以上に、まずは視聴したことを積極的に褒めてあげてください。

2. 視聴スケジュールを決め、一緒または保護者が近くにいる状態で視聴させる

特に小中学生は、映像授業に慣れていない場合が多く、集中力が途切れがちです。だからこそ、「時間を決めずに」ということは避け、視聴スケジュールを決めてしまいましょう。保護者が近くにいる状態で視聴させることは、集中力が途切れにくくなることが期待できます。

3. 映像授業内で学んだことを子供に聞く

「ただ聞いていただけ」というのを防ぎ、内容の定着を促すために効果的です。学習した内容をいくつかピックアップして聞いてあげましょう。

4. 映像授業内では問題が少ないので、意識して視聴後に問題を解かせる

映像授業で学習したことは、問題演習にも生かせる状態にしなければなりません。映像授業のなかで扱う問題は基本的に少ないため、意識して問題演習を取り入れましょう。

効果的な映像授業活用を

COVID-19の収束を願うばかりですが、それでも学習に関しては、今あるものを上手に活用し、学習習慣の維持を心がけたいものです。しばらく映像授業が学習の中心となることでしょう。今回紹介したもののなかで、できるものから実践し、映像授業を効果的に活用してください。

監修:西村 創/教育・受験指導専門家

早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wings等で指導歴25年、指導生徒3,000人以上。
大学入学と同時に栄光ゼミナールや明光義塾で講師のアルバイトを始める。
新卒入社の早稲田アカデミーでは入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位を取り、社長から表彰される。
駿台ではシンガポール校講師を経て、社歴80年初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。
河合塾Wingsでは入社後11年間、生徒の授業満足度全講師中1位、講師研修や保護者セミナーなども運営。
また、編集プロダクション運営、All Aboutの教育・受験ガイド、教育・受験情報webメディア「中学受験ナビ」「SchoolPost」「マナビナビ」などのコンテンツ編集、全国の中学校・高校でのセミナー講演、書籍執筆などに携わる。
書籍出版8冊(KADOKAWA、PHP研究所他)は全て重版更新中、累計10万部突破。
テレビ・新聞・雑誌などのメディア出演、掲載多数。

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