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ネット証券の口座開設急増〜投資初心者が引っかかりやすい「証券会社営業」の罠

LIMO / 2020年5月19日 20時0分

ネット証券の口座開設急増〜投資初心者が引っかかりやすい「証券会社営業」の罠

ネット証券の口座開設急増〜投資初心者が引っかかりやすい「証券会社営業」の罠

ネット証券の口座開設が普段の何倍かに膨れ上がるほど、投資を始めようと思っている人が増えているようです※。

しかし、証券会社のPRにはすべて鵜呑みにしてはいけない罠がいくつかあります。もちろんすべてウソというわけではありませんが、初心者が誤解しやすいポイントもたくさんあります。そこで今回は、証券会社がPRしているけれど初心者向きではないものについてご紹介します。

※参考『ネット証券 口座開設急増 楽天・SBI、月間10万超え』(日本経済新聞 3月27日付)

「初心者には投資信託がオススメ」なのか?

証券会社は対面証券でもネット証券でも、初心者に投資信託を勧めがちです。投資信託なら自分で銘柄を選ぶ必要もない、分散投資ができる、少額から購入できる、ファンドマネージャーというプロが運用するから安心、などの売り文句で販売されることが多いのが実情です。しかし、本当にそうなのでしょうか。

投資信託はたしかに複数の企業に少しずつ投資する仕組みになっており、分散投資という点においては間違いではないでしょう。ただ、多くの銘柄に投資するということは自分がよく知らない銘柄にも投資するということです。株式取引であれば、自分がよく知っている銘柄や自分の調べた銘柄に投資するのが一般的。

つまり、自分が実際に顧客としてその企業の商品を使っていたり、その業界の動向をよく知っているなど、自分が信じられる銘柄に投資することができるわけです。新発売のあの商品は売れそうだから、という理由で買うこともできるのが株式取引ですが、投資信託は自分の知らない銘柄も問答無用で含まれているのです。

それはちょっと不安に感じませんか? 投資信託が安心という売り文句を頭から信じ込まずに、まずは自分で中身を調べてみましょう。

また、「プロが運用するから」とはいえ、元本保証ではないので安心とは言いきれないでしょう。プロが運用しているから必ず価格が上がって利益が出るというわけではありません。世間の投資信託を見てみると、かなり基準価格が下がっているものも少なくないのです。

また、プロが運用するからこそコストがかかります。販売手数料がおおよそ基準価格の1〜3%かかってきますし、信託報酬という運用会社の手数料もかかります。また、監査報酬は信託財産の中から投資家が間接的に負担するようになっており、信託財産留保額という解約時にかかる手数料もあります。

こうしたコストを無視して、なんとなく安心だというだけで購入するのは得策ではありません。

「FXは初心者でも始めやすい」のか?

証券会社、特にネット証券ではFXが人気です。FXに関するブログや比較サイトも多く、「株はちょっと怖いけど、FXならお小遣い稼ぎでできそう」と思っている人もいるようです。

中でも若い世代には、お小遣い稼ぎができる”ちょっとイケてる趣味”だと思っていたり、上がるか下がるかの二択ですぐに決済できるうえに少額から始められることから、”パチンコよりいいかも”程度の認識で始める人も多いのです。

巷でよく聞かれるのは、「株の信用取引は怖い、大損する」という話と「FXで稼いで早くリタイアしたい」という話です。これは仕組みを知っている人間からするとおかしな話で、一般的にはFXのほうがレバレッジが高いのでリスクも大きいのです。

「IPOは必ず儲かる」のか?

インターネットで株で儲ける方法を調べたことがある人の多くは、「IPOは儲かる」という言説を見たことがあるでしょう。「IPO」とは新規公開株のことを言い、未上場企業が証券取引所に上場して、投資家たちに株を取得してもらうことを言います。

この場合、IPOに参加する人は公募価格という価格で株式を購入することになります。この公募価格よりも市場で付いた初値が高ければいいのですが、公募価格を下回るケースもあります。「公募価格で入手して、初値で売れば儲かる」と書かれているブログなどもありますが、それは初値が公募価格を上回った場合です。

しかし、先述した通り公募価格を初値が下回る場合もあります。そうなると、手に入れた価格よりも市場で売買されている値段が低くなってしまい結果として損を抱えることになります。たしかに初値が公募価格を上回ること、さらに2倍3倍の価格が付くことも多々ありますが、すべてがそうとは限りません。

また、IPOに参加するのもハードルが高いのが事実です。対面証券の営業と懇意にしている、つまり大口の取引をしている人は初値が高くつきそうな優良IPO株を優先的にもらえることがありますが、初心者には無理な話。一方、ネット証券を利用してIPOの抽選に参加するのは当選確率がかなり低く、現実的には「当たれば奇跡」レベルです。

ごくまれに人気がない銘柄だと当選確率が上がりますが、何十万、何百万という口座をかかえる大手ネット証券のIPO抽選に参加して当たることはほとんどないでしょう。

IPO株はたしかに初値が高くつくと儲かるうえに、わかりやすい仕組みなので初心者も取り組みやすいというのは事実ですが、参加することすら大変なのに、さらにそこから儲けるということはあまり現実的ではないのです。

おわりに

証券会社の営業マンのセールストークやウェブページ、またインターネットのブログなどに書かれていることを鵜呑みにしてしまうと、痛い目に遭う可能性があります。金融商品への投資で「必ず」という言葉は絶対に信じてはいけません。まずは自分で調べてみることをオススメします。

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