老後の生活費の計算法:要素は「年金収入」「勤労収入」「資産収入」の3つ
LIMO / 2020年6月14日 19時0分
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老後の生活費の計算法:要素は「年金収入」「勤労収入」「資産収入」の3つ
退職目前50代の資産形成
前回の記事『老後は年間いくらで暮らす前提にすればいいのか(https://limo.media/articles/-/17463)』では、退職後の年間生活費は目標代替率を使って考えること、95歳までの人生を想定すること、を前提として考えるリタイアメント・プランを紹介しました。
今回はそれに加えて、退職の定義を見直し、退職後の生活費をカバーする退職後年収の考え方を紹介します。
退職の定義を考え直す
「退職」をお金との向き合い方の視点からみると “生活が勤労収入だけで成り立たなくなる時”と定義する方がわかりやすいように思います。
「70歳定年時代」になったといわれていますが、実際には依然として多くの人が60歳で定年を迎え、再雇用・継続雇用で働き続けています。
当然、その段階で勤労収入は大幅にダウンしていますから、今の生活をぎりぎり支えるだけになるか、今の生活もカバーできなくなっている場合には、これを「退職」と定義するべきでしょう。
現役時代は生活費のほとんどを勤労収入で賄い、その勤労収入を今の生活と将来の生活(貯蓄・資産形成)にどう振り向けるかを考えます。一方、退職後は“生活費を何でカバーするか”という視点に変わります。
退職後には、「年金収入」が中心になりますが、それに「勤労収入」とさらに持っている資産を取り崩して生活に充てる「資産収入」が必要になってきます。この3つを合わせて「退職後年収」と呼んでいます。
退職後は3つの収入を想定
前回(https://limo.media/articles/-/17463)紹介した目標代替率(70%)を使うと、退職後の生活費総額は
「退職後年収(=退職直前年収×70%)✕ 退職後の生活年数」
となります。
退職直前年収700万円の方が60歳で退職し、95歳までの退職後生活を想定した際の必要生活費総額は、
「退職直前年収(700万円)✕ 目標代替率(70%)✕ 退職後生活年数(35年)」
で計算して、1億7,150万円です。
ここから生活のダウンサイジングを想定して、目標代替率を60%にまで下げて再計算すれば、総額は1億4,700万円となります。
この必要額を賄うのが「年金収入」、「勤労収入」、「資産収入」です。
たとえば、公的年金受給額を月額24万円と仮定し、65歳からの年金受給を想定すると、その総額は24万円✕12か月✕30年(65歳から95歳まで)で、8,640万円となります。
また退職後の「勤労収入」は、給与水準を現役時代の60%と想定し、60歳から年金受給開始年齢の65歳までの5年間で、累計2,100万円を想定します。差し引きすると、「資産収入」として用意しなければならない金額は3,960万円となります。
退職後の生活費(1億4,700万円)= 年金収入(8,640万円)+ 勤労収入(2,100万円)+ 資産収入(3,960万円)
資産収入の合計金額3,960万円をどうやって作り上げるかは次回紹介します。
退職後の生活を考える3つの掛け算
(/mwimgs/3/3/-/img_331d76ca90fd41b659dba5d9970de34c164356.jpg)拡大する(/mwimgs/3/3/-/img_331d76ca90fd41b659dba5d9970de34c164356.jpg)
出所:フィデリティ退職・投資教育研究所作成
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