新型コロナワクチン開発のために個人寄付ができる!
LIMO / 2020年5月27日 20時15分
新型コロナワクチン開発のために個人寄付ができる!
三井住友信託銀行がワクチン・治療薬開発寄付口座開設
関東の1都3県と北海道の緊急事態宣言も解除され、 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) との向き合い方も新たな局面を迎えました。新しい生活様式の実践が求められる一方で、今なお医療現場や学校教育など課題は山積しています。
そんな中、5月21日から三井住友信託銀行では新型コロナウイルスのワクチンや治療薬開発のための寄付口座を開設。ワクチン・治療薬の開発を行っている大学への支援を目的としており、個人で1万円から寄付できる仕組みになっています。
ワクチンや治療薬を研究、開発している各大学に1万円から寄付が可能
三井住友信託銀行がこのたび開設した「新型コロナワクチン・治療薬開発寄付口座」は、寄付したい人とワクチンの研究・開発を進める大学をつなげる支援策。新たに同行の口座を開設する必要はなく、他行の口座からも振込ができる仕組みです。
寄付者はウェブ上の申込フォームに名前や住所、寄付先を記載して手続きをし、同行が取りまとめのうえ各大学へ送金。寄付者は大学側から送付された寄付金領収書をもって、確定申告をすると寄付金控除を受けることができます。寄付は1万円単位で、最低寄付金額は1万円以上。
寄付先の大学は今後も増えていく可能性はありますが、現時点で東京大学や東北大学、京都大学、広島大学など全国の12大学となっています。同行の全国拠点ネットワークを活用したことで、スピーディーに寄付体制を作ることができたとのこと。
また、寄付先の大学を複数選定することも可能で、寄付先を選定しない場合には寄付金を按分して各大学に寄付されます。
東日本大震災時の「社会貢献寄付信託」のスキームを活用
新型コロナウイルスのワクチン開発が世界的にも望まれる現在。NGOや公益財団法人等へ個別で寄付できるものはあるものの、このようなワクチン開発をする大学に寄付をする取り組みは他に例を見ません。
三井住友信託銀行個人企画部部長の網浜健司さんによると、今回の寄付口座には同行が2011年の東日本大震災の際に立ち上げた社会貢献寄付信託のスキームが活かせたと言います。社会や世界の課題認識に対して「何か実行したい」という個人の志をサポートする枠組み構築のため、社内ではすでに3月の時点で話し合いが行われていたのだとか。
結果、「個人が信託銀行に預け、信託銀行が深いつながりを持つ各地域の大学に送金するという最短の形で寄付ができる」と、ワクチン開発に向け、スピード感のある寄付口座開設が実現しました。
また、「寄付先の大学を選ぶ形にしたのもこだわり」と網浜さんは語ります。寄付者は各大学の研究や活動内容をそれぞれHP等で参照し、「比較検討をした上で、どのくらいの金額をどの大学に寄付するかを自分の意志で選ぶ」ことになります。
つまり、委託者(自分)の財産が受託者(信託銀行)のものとなり、設定した目的のために管理・運用され、それを受益者(大学)が受け取るという信託の機能を活かした寄付スキームとなっているわけです。
寄付は3密を避けるため、原則としてウェブ上での手続きを呼びかけています。しかし、ウェブの手続き方法がわからないという人のために、本支店での申込書記入、キャッシュカードや現金での寄付にも対応していくとのこと。また、コールセンターのインフォメーションデスクでも案内をサポートしていくそうです。
「コロナ収束のために何か力になりたい」という気持ちをサポートする
寄付口座開設に加え、三井住友信託銀行では今回の寄付先の各大学にそれぞれ1000万円の寄付を行っています。「信託の力でどのように社会貢献を行っていくかが我々の勝負所。今回の寄付口座開設を第1弾として、今後も第2弾の取り組みを検討している」と網浜さんは語りました。
緊急事態宣言は全面解除になりましたが、小規模事業者や医療・介護従事者などの過酷な状況はまだまだ終わりが見えません。そうしたことを報道を見るにつけ、新しい生活様式を守るよう努力していても「自分は何の役にも立っていないのではないか」とフラストレーションが募ってしまう人も少なくないでしょう。
今回の寄付はウェブ上で完結するので、家にいながらでも「コロナ収束のために何か行動したい」という一人一人の志をサポートしてくれているところもポイントでしょう。
自分の寄付で、世界を救う新型コロナワクチンや治療薬が日本から開発されるかもしれない。今回の取り組みは、とかく鬱屈した気分になりがちなコロナ禍において、そんな小さな希望をもたらしてくれるものではないでしょか。
【参考資料】「新型コロナワクチン・治療薬開発寄付口座(https://www.smtb.jp/personal/donation/index.html)」(三井住友信託銀行)
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