6割が「利用増えた」みんなのキャッシュレス事情、コロナ前後でどう変わった?
LIMO / 2020年5月28日 19時15分
6割が「利用増えた」みんなのキャッシュレス事情、コロナ前後でどう変わった?
貯蓄額は現金派の2.4 倍!?
2019年10月の消費税増税と同時にスタートした、「キャッシュレス・消費者還元事業」が2020年6月末で終了となります。当初は東京オリンピック開催を控えて(※)訪日観光客の増加を想定していたことなども追い風となり、ちょっとした「キャッシュレスブーム」が起こりました。
ところが2020年に入ると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、国内外の経済活動が激変。ネットショッピングやデリバリーを利用する機会が増えるなど、私たちの消費スタイルにも大きな変化が出ています。全国で緊急事態宣言が解除された今後も、こうした傾向は続いていくと考えられます。
そこで、今回は”コロナ前後“でキャッシュレス決済に対する意識にどんな変化があったのか、といった意識調査の結果も交えながら、みんなのキャッシュレス事情についてみていきます。
(※)2020年5月26日現在、東京オリンピックは2021年の開催延期となることが決まっています。(COVID-19の感染拡大状況により、今後変更される可能性があります)
6割が「コロナでキャッシュレス決済利用増えた」
株式会社キュービック(https://cuebic.co.jp/)が、2020年5月1日~6日、キャッシュレス決済を利用している全国20~50代の男女200名を対象に行ったアンケート調査「コロナ禍でどう変わる?!最近のキャッシュレス事情(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000012817.html)」の結果では、59%の人が、“コロナ前”より“コロナ後”のほうが、「以前と比べキャッシュレス決済の利用は増えた」と答えています。以下、詳しくみていきましょう。
キャッシュレス決済、どんな場面で増えた?
「コロナ前後で、キャッシュレス決済のどのような利用が増えたか」(複数回答可)
1位 実店舗での日用品の買い物(スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど)・・・31%
2位 ネットでの日用品の買い物・・・25%
3位 飲食店の利用・・・16%
4位 交通費、旅行・・・10%
5位 宅配サービスの利用・・・7%
6位 動画配信サービス・・・6%
7位 教育関連(本、オンライン教材など)・・・5%
余暇や趣味の出費ではなく、「日用品」という生活に直結した買い物での利用が増えている点に特徴がありますね。
キャッシュレスにしようと思った理由は?
さらに、「これまで現金を使っていた場面で、キャッシュレスを利用する機会が増えた理由」には、以下のような回答が挙がっています。
お得に買い物ができる・・・26%
お金の管理がラク(家計簿アプリと連携など)・・・8%
現金を持ち歩かなくていい・・・22%*
お会計がスピーディー・・・21%*
現金のやり取りによる接触リスクを避けられる・・・14%*
現金で発生する手数料がかからない(ATM引き出しなど)・・・7%*
*がついた「接触による感染リスクを避ける」ことに関連する4項目の合計は64%。衛生面からみたキャッシュレス決済のメリットに注目する人が多いのは、やはり、COVID-19の感染拡大による意識変化の表われとみてもよいかもしれません。
キャッシュレス派の貯蓄額は現金派の2.4倍!?
ところで、先述の回答では、「お得に買い物ができる」「お金の管理がラク」と回答した人の合計は34%でした。その一方で、「キャッシュレスにするとお金を使い過ぎてしまいそうで怖い・・・」と躊躇している人も多いと思われます。実際はどうなのでしょうか?
株式会社ジェーシービー(JCB)が全国の20~69歳の男女1000人に対して実施した「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019(https://www.global.jcb/ja/press/00000000162792.html)」の調査結果から、貯蓄額の増加状況を見てみましょう。
「昨年一年間で増やせた貯蓄額の平均」
全体…57.2万円
キャッシュレス派…83.2万円
現金派…34.2万円
貯蓄額がより増えているのは、実はキャッシュレス派。しかも、現金派と比べて2.4倍も貯蓄額を増やしていることがわかります。さらに、こんな調査結果も。
「新年度の貯蓄目標額の平均」
全体…257.2万円
キャッシュレス派…325.4万円
現金派…178.3万円
なんと、貯蓄目標額もキャッシュレス派の方が多いという結果に。こちらも現金派に比べて1.8倍と大きな差があります。
これらの調査結果からは、「キャッシュレス派」のお金に対する意識の高さをうかがうことができます。これは、新しい社会の流れに乗れる柔軟さなどとも関係があるのかもしれません。
また、クレジットカードとQR・バーコード決済でポイントの還元先をまとめ、還元率をアップさせる、といったひと手間。日頃のこうした心がけが、無駄づかいを防ぎ、お金への意識を高めているとも考えられますね。
まとめ
今や、お寺などのお賽銭にまで進出しているキャッシュレス決済。クレジットカードを中心とした新しい決済方法の普及は今後も進歩していきそうです。ただ、現金をゼロにするというのは、リスク大!災害時やシステム障害の際にキャッシュレス決済ができなくなることも想定して、手元にある程度の現金をおいておく、というのが安心できるかもしれません。
キャッシュレス決済、そして現金。それぞれのメリットを見極めながら、TPOに合わせて使い分けていけるとよいですね。お金の流れが把握しやすくなり、結果的に貯蓄力につながることが期待されます。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
【参考】
「コロナ禍でどう変わる?!最近のキャッシュレス事情(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000012817.html)」株式会社キュービック
「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019(https://www.global.jcb/ja/press/00000000162792.html)」株式会社ジェーシービー(JCB)
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