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中国の圧力に揺れる香港、「国家安全法」で再び治安不安定化の恐れ

LIMO / 2020年5月27日 20時15分

中国の圧力に揺れる香港、「国家安全法」で再び治安不安定化の恐れ

中国の圧力に揺れる香港、「国家安全法」で再び治安不安定化の恐れ

香港で5月24日、中国が導入を目指す国家安全法に抗議する数千人のデモが発生し、これまでに市民180人以上が逮捕された。

中国の「国家安全法」導入をめぐり市民と警察が再び衝突

香港では新型コロナウイルスの感染拡大を防止する目的で、ソーシャルディスタンスや9人以上の集会禁止などが求められている。

しかし、マスクを着用した市民らはペットボトルや傘などを治安部隊に投げ付け、一部はゴミ箱で道路を封鎖するなどした。治安部隊も催涙ガスや放水で応戦するなど、昨年の抗議デモを彷彿とさせる事態となった。

香港情勢については昨年末にも執筆したが(『”治安のギャップ”が怖い香港情勢、来年も出張・駐在にはリスクあり!?(https://limo.media/articles/-/15111)』)、香港では昨年6月以降、逃亡犯条例改正案に反対する大規模な抗議デモが断続的に発生し、国際空港や公共交通機関も一時麻痺する事態となった。

これまでの逮捕者は6000人を超え、警察が市民に向けて使用した催涙弾は1万6000発以上、ゴム弾は1万発以上だったという。また、市民に向けて容赦なく暴力を振るうだけでなく、実弾を人に向けて意図的に発射するなど国際的な非難も高まった。

国家安全法は、国家分裂や政府転覆、テロ行為や外国勢力の介入などを禁止することを目的としており、成立すれば、反政府デモや集会などは違法行為として、当局に発見され次第すぐに逮捕・拘束されることになる。

国家安全法は、5月22日から北京で始まった全国人民代表大会(全人代)で議論されているが、28日にも可決される見込み。中国の王毅外相は国家安全法を早く成立させると強調し、香港の林鄭月娥行政長官も同法を全面的に支持する意思を表明している。

昨年、逃亡犯条例改正案を巡って、香港のセントラルやコーズウェイベイ、チムサーチョイやモンコックなどの繁華街では、警官隊とデモ隊の衝突が次々に発生し、付近の店は閉店を余儀なくされ、その一部は破壊された。

そして、現地の日系企業のオフィスや駐在員の生活にも大きな影響を与え、操業の停止や帰国を余儀なくされた。

抗議デモが行われている最中、筆者は香港を訪れたが、警官隊とデモ隊の衝突に遭遇しないよう、事前にデモの開催場所や日時をチェックし、遠回りをしてホテルに戻ることもあった。

それでも、抗議デモに参加する若者の数が多いことから、参加帰りの若者と地下鉄で遭遇し、若者たちが地下鉄内で反中国のスローガンを掲げて叫び出す様子を鮮明に覚えている。

香港返還記念日に向け抗議デモが激化する可能性

逃亡犯条例改正案に反対する抗議デモが激化してから、6月9日でちょうど1年となる。同改正案は昨年10月に撤回される形になったが、香港市民の不満は依然として何も改善されていない。

また、7月1日の香港返還記念日に合わせて200万人規模のデモを呼びかける動きもあり、国家安全法と合わせて抗議デモや暴動がいっそう激しくなる恐れがある。

再び、あのような状態が訪れるのであろうか。今後の香港情勢を注視する必要がある。

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