『ニャンとしてもはやく走りたい子ねこ』が大賞!~「こども絵本づくりコンクール」で得た「未来の教育への気づき」~
LIMO / 2020年6月1日 10時15分
![『ニャンとしてもはやく走りたい子ねこ』が大賞!~「こども絵本づくりコンクール」で得た「未来の教育への気づき」~](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_17573_0-small.jpg)
『ニャンとしてもはやく走りたい子ねこ』が大賞!~「こども絵本づくりコンクール」で得た「未来の教育への気づき」~
緊急事態宣言が解除され、長く休校が続いた学校もいよいよ再開されます。ステイホーム期間、親子が家で一緒に過ごす時間が増えるなか、子どもたちとどのように過ごしたらよいか悩んだ家庭も多いことでしょう。
そんな悩みの種を解消し、子どもたちが家でも想像力や創造性を思いっ切り発揮して、新たな創作に取り組むきっかけを提供できないかとの想いから、主宰するオンラインサロンMSI塾(本山ソーシャルイノベーション塾)で「こども絵本づくりコンクール」を緊急企画したのが、本山勝寛さんです。この企画から見えてきたという「今後の子育てや教育のあり方」についてうかがいました。
日本の親子が一緒にチャレンジできる場の少なさ
私は、ハーバード教育大学院で研究していた時分から、日本の子どもたちが創造性や好奇心を伸ばす学びの機会が圧倒的に少ないという問題意識を持っていました。また、5人の子どもの親になってみて、親子で何かにチャレンジすることの楽しさを知ると同時に、日本の親子がそのような機会が少ないことも感じてきました。そんな背景から、親子で楽しく創造性を伸ばすワークをしていくと最後には絵本が完成させられるワークブック『そうゾウくんとえほんづくり』(https://amzn.to/3elIgK6)(KADOKAWA)を出版しました。
出版して間もない頃に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が日本でも感染拡大し、3月には臨時休校となりました。突然学校に通えなくなったことで、とまどい、ストレスを感じ、やることがなくて困っている子どもたちがたくさんいる。そんな子どもたちに、楽しくチャレンジする機会を提供したい。そんな想いから、図書カードの賞品も用意して、「こども絵本づくりコンクール」(https://peraichi.com/landing_pages/view/ehonzukuricontest)を緊急企画し、急いでホームページも作成し作品募集を3月9日から開始しました。
結果的に、たくさんの素敵な作品の応募があり、審査の結果、そうゾウくん大賞1作品とそうゾウ賞3作品を選出、表彰しました。受賞作以外も、おもしろい作品、かわいらしい作品、発想豊かな作品、個性あふれる作品がたくさんあり、どれもが世界に一つだけのすばらしい作品でした。受賞作品はホームページに公開しているので、ぜひご覧ください。
(参考:「こども絵本づくりコンクール」ホームページ(https://peraichi.com/landing_pages/view/ehonzukuricontest))
すべての絵本が「ユニークな創造」
そうゾウくん大賞を受賞した『ニャンとしてもはやく走りたい子ねこ』は、タイトルからセンスたっぷりです。走るのが大好きな子ねこがはやく走りたいと旅に出ると、馬やチーター、ダチョウに出会い、はやく走るコツを教わるというストーリーです。
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絵のかわいらしさに加え、登場する動物たちもしっかりとストーリーにはまっており、子ねこの「はやく走りたい!」という願いを実現させる、希望を与えてくれる絵本です。小さな幼児にも分かりやすいシンプルさがありつつ、動物で表現する発想の豊かさも兼ね備えています。絵本のなかには「ニャンコールワット」といった細かいダジャレも盛り込まれていて、完成度の高い作品です。このまま絵本として出版して、たくさんの子どもたちに読んでもらいたいくらいです。
他の受賞作品の『きせつのバトン』は友達2人でつくった共同作品で、秋の妖精と冬の妖精が季節の交替式を行うストーリーで、想像力たっぷりのかわいらしい作品です。共同で創作したコラボレーションもすばらしいです。他にもマスクを主人公にした『今日のマスクくん』といった、今を象徴する作品もありました。
応募作品を一つ一つじっくり読ませてもらい、改めて感じたことは、ひとつとして同じ作品はない「ユニーク」な創造であるということです。今まで世界になかった物語が、子どもの豊かな発想によって、初めて絵本作品として世に生み出されたのです。ゼロから創造することの楽しさ、すばらしさ、ワクワクするような感覚を子どもたちにはたくさん経験してもらいたいです。
親子ワークショップをオンラインで
MSI塾では「そうゾウくんとえほんづくり」親子ワークショップも企画していましたが、緊急事態宣言を受けて、急遽オンラインワークショップに切り替えました。大阪と東京をつないだり、アメリカの子どもたちともZOOMでつなげて開催しました。子どもたちは絵本をつくることも初めてですが、オンラインでワークショップに参加するのも初めてです。
講師としては本当にできるのか不安もありましたが、想像以上に子どもたちが楽しそうに集中して取り組んでいたことには驚きました。参加者の反応も好評で、保護者からはこんな感想もありました。
「何分間で何々をしますと先生が言われて始める時に、子どもは焦る思いで初めはできないよぉーと言っていましたが、徐々に慣れてきて最後の絵本作りではまだやりたいーと楽しんで過ごせたようです。オンラインでも視野が広がるしこれでも充分できるんだなと、思いました。大人の固定概念も崩せて柔軟に物事を考えることができると教えていただいたように思います。」
離れていても「一緒につくる」ができる!
絵本は既にあるものを読むもの。教育とは先生から教室で教わること。遠く離れた場所で一緒に何かつくることなんてできない。私たちにはそんな固定観念があったかもしれませんが、発想を変えて、新しいことにチャレンジしてみると、固定観念を覆すことができます。ステイホーム期間は制限の多い、不便な期間ではありましたが、制約下のなかでの新しい挑戦からヒントが得られるものです。子どもたちは、きっかけと、ツールと、一緒になって楽しむ人がいれば、限りなく創造性を発揮できるようになるのではないでしょうか。
『そうゾウくんとえほんづくり』本山 勝寛(著)(KADOKAWA)(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)
<書籍概要>
『そうゾウくんとえほんづくり』(https://amzn.to/3elIgK6)
著者:本山 勝寛
発売日:2019年12月20日
定価:1,430円+税
刊行:KADOKAWA
<著者プロフィール>
本山 勝寛(もとやま かつひろ)
学びのイノベーター。本山ソーシャル・イノベーション塾(MSI塾)塾長。日本財団子どもサポートチームリーダー兼人材開発チームリーダー。
高校時代、アルバイトで自活しながら独学で東大に現役合格。東京大学工学部システム創成学科卒業後、ハーバード大学教育大学院国際教育政策専攻修士課程を修了。5児の父で育児休業を4回取得。自身の経験を基にした勉強法、教育論などについての執筆活動にも積極的に取り組む。『最強の暗記術 あらゆる試験・どんなビジネスにも効く「勝利のテクニック」(https://amzn.to/2M9LhRx)』(大和書房)、『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話(https://amzn.to/3depVyz)』(ポプラ社)、『最強の独学術 自力であらゆる目標を達成する「勝利のバイブル」(https://amzn.to/2Xen4jy)』(大和書房)、『一生伸び続ける人の学び方(https://amzn.to/3cduojI)』(かんき出版)など著書多数。
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