10歳違えば妊娠も別物⁈23歳で出産した実母の心無い一言
LIMO / 2020年5月31日 10時45分
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10歳違えば妊娠も別物⁈23歳で出産した実母の心無い一言
妊娠・出産は人によってその辛さや感じも違えば、出産のたびに違う経験をすることもあるため、一概にこうだといいきれないものといわれています。しかし、身近な人が妊娠するとついつい自分の経験と比べて意見やアドバイスをしてしまうのもよくあることです。
わかっているつもりでも、実の親子ともなると油断がうまれ相手が傷つく一言を何も考えず発している可能性も。その結果「一生忘れられない一言」になってしまうこともあるようです。
つわりの酷さは親子でも大違い
33歳で妊娠したMさんは、妊娠検査薬を使用する前から「これは尋常な状態ではない」と気づくほどの酷いつわりでした。初期は常に船に乗っているような感覚が続き、気が休まる日がなかったそう。そのため派遣契約が残っていた会社を、満期を待たずに退職することにしました。
「会社は通勤時間1時間以内の場所でした。とはいえ、人のにおいがとてもつらく感じ、車内にいると吐き気が収まりませんでした。夫に相談すると『お金のことはいいから身体を優先したらいい』と言ってくれました。申し訳ない気持ちもありましたが、何かあって後悔したくなかったので夫の言葉に甘え、退職の手続きをすることに。その後、ご飯もほとんど受け付けなくなり、愚痴半分で実母に電話をかけました」
身近な先輩として「どんなものを食べてつわりを乗り切ったのか」聞きたかったというMさん。しかし、お母さんからの返事は想像しないものでした。
「母は『つわり?そんなもの姑勤めしてたらないよ!おばあちゃんは妊婦だからって特別扱いしてくれるような人じゃなかったから。いつも気を張ってたから気持ち悪いなんて感じたこともなかった。それか若さでなかったのかもしれないね。なにしろ今のあんたより10歳若かったわけだし』と矢継ぎ早に発言しました。いつもはこんな攻撃的な口調ではないはずの母。つわりで精神的に参っていたこともあり、母の厳しい一言にダメージを受けてしまいました」
つわりは怠けの証といわれ
Mさんのお母さんは姑と同居をしていたいわゆる「長男の嫁」として長年生活してきた人でした。数年前、祖母が亡くなるまでの間祖母と父の顔色をうかがいながら生活していたその苦労はMさんも理解しており、普段から祖母に対する愚痴は理解しているつもりだったといいます。しかし、他界後はそんな話も減り、母の嫁としての話はあまり耳にしなくなっていたタイミングで「つわりは姑勤めをしていない怠慢の現れ」といわれ、Mさんは返す言葉が見つからなかったそう。
「確かに私は次男の嫁で、夫の実家も遠方なので義母と会うのは年に数回だけです。母が苦労していたのに比べれば確かに姑に嫌味を言われたり顔色をうかがった経験はほとんどないといえます。だからといって、その話を持ち出し『あの緊張感がないからつわりなんてものが出る』といわれるのは全く科学的根拠のない話だし、しかも年齢のことまで言われるなんて。普段は時代の違いやライフスタイルの変化に理解があるようなことを口にしていた母だけに、そんな偏見たっぷりなことを考えていたのかと思うとガッカリして、反論する気も起きず電話を切ってしまいました」
年齢ではなく個人差があることへの理解
実母から経験談を聞くこともできず、逆に傷つく一言をかけられたMさん。妊娠中ということもあり、しばらくその言葉を引きずったそうです。
「母は『姑が同じ家にいたらのんきに寝込むこともできない』といっていました。また『若いと大体一晩寝たら体調は戻るものよ』とも。その言葉が引っ掛かり、自分はなかなか結婚せず自由な20代を過ごした代償でこんなつわりを経験しているのでは?なんてマイナス思考に陥ってしまいました。仕事にもいかず寝込む自分を否定するようなことばかり考えてしまい、本当につらい時期でした」
その後、安定期に入ると徐々につわりが収まってきたというMさん。だんだんと友人と連絡をとる元気もでてきたため、つわりに関する雑談を何人かとしたところ、20代でもひどいつわりに悩んだ人もいれば、いわゆる高齢出産でも快適な妊娠生活を送っていた人の話も聞けました。当然、姑との同居の有無で症状が変わることもなく、やはり母の無根拠な思い込みだったと考える余裕がでてきたそう。
「その後もつわりに関しては雑談で出ることも多く、いろんな説がありました。母に言われた話をすると『お母さんの時代はそんな人も多かったけど、今はあんまり聞かないものね。もしかしたら嫉妬もあるんじゃないかな?』と友人にいわれました。友人曰く、娘に対して嫉妬という感情を持つ親は少なくないと。確かに思い返してみると母は『あんたは私が忙しかった時期に遊んで暮らした』なんてぼやいたこともありました。冗談のように話していましたが、もしかしたらそれは本心だったのかもしれません」
おわりに
妊娠・出産といったデリケートな話題は、親しい相手だとしても言葉に気を付けないと相手を傷つけてしまう可能性があります。また、年齢に関することや自分ではどうすることもできない環境の違いなどを理由に「楽をしているからこんなことが起きるのでは」といった言葉はお互いいい気持ちになりません。
「大変だね、頑張ってね」と言ってほしい相手から言われるきつい一言は特にダメージも大きいもの。自分の経験から「もしかしたら」なんて思うこともあるかもしれませんが、その仮説は相手を悩ませるものではないか、今一度考えて発言することが相手を思いやることといえるのではないでしょうか。また、妊娠中は気づかぬうちにナイーブになりがちです。理解してもらえないことがとても悲しく感じるかもしれませんが「自分とは違う生活だったんだ」と割り切ることも自分を守る方法かもしれません。
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