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在宅介護にかかるお金ってどれくらい?

LIMO / 2020年6月1日 18時45分

在宅介護にかかるお金ってどれくらい?

在宅介護にかかるお金ってどれくらい?

老後2000万円問題が話題になるなど、老後のお金に不安を覚えている人もたくさんいるでしょう。しかし、老後って実際どれぐらいお金が必要なのか、介護費用はどれぐらい必要かよくわからないですよね。

細かく説明していくと、介護を受ける人の状態により、大きく費用が変わってしまうのです。今回は、介護保険制度などから見た在宅で介護をする場合のお金について解説していきます。

介護保険について

介護保険は、健康保険に加入している人が40歳になると自動的に加入することになります。
ちなみに、日本は国民皆保険制度があるので国民全員が介護保険にも加入する仕組みになっています。

細かい説明は置いといてお金に関したことのみいうと、40歳以上になり介護が必要となった時に、1割負担(一定以上の所得がある場合は、2割または3割)で介護サービスを受けることができます。

介護保険限度額から考える「1カ月の介護費用」

介護度には7段階あり、在宅で介護を受ける場合それぞれの1カ月あたりの利用限度額があります。(表「居宅サービスの1カ月あたりの利用限度額」参照)

(/mwimgs/b/7/-/img_b797195134379d1837626b8ea683841414383.png)

拡大する(/mwimgs/b/7/-/img_b797195134379d1837626b8ea683841414383.png)

居宅サービスの1カ月あたりの利用限度額(介護サービス情報公表システム(厚生労働省)をもとに筆者作成)

こちらの限度額の範囲内であれば、1割負担で訪問介護、看護や訪問入浴などの介護サービスを受けることができます。限度額を超えた場合はその分が全額自己負担となります。

つまり、介護保険内でサービスを利用しようと考えた時の最高額は、「居宅サービスの1カ月あたりの利用限度額」の表の1割なので以下の表(「介護保険内での自己負担最高額」の表)のようになります。(表「介護保険内での自己負担最高額」参照)

(/mwimgs/7/d/-/img_7dfe9c1c1faabba2239ac3d360f9c71513129.png)

拡大する(/mwimgs/7/d/-/img_7dfe9c1c1faabba2239ac3d360f9c71513129.png)

介護保険内での自己負担最高額(介護サービス情報公表システム(厚生労働省)をもとに筆者作成)

特定福祉用具の購入費用について

介護が必要になると専用の道具(ポータブルトイレや浴槽の手すりなど)が必要になる場合があります。これらも介護保険で1年間に10万円を上限にして1割負担(一定以上の所得がある場合は2割または3割負担)で購入ができます。ただし、まず利用者が全額支払った後、費用の9割(一定以上の所得がある場合は8割または7割)が介護保険から払い戻されます。

※都道府県が指定している事業所からの購入のみ対象。

介護保険の上限内での購入であれば、年間で1万円の負担となります。

訪問診療にかかる費用について

医療費については、どのような診療を受けるかにより大きく値段が変わります。日本訪問診療機構によると、医療保険において、1カ月に2回の訪問診療で院外処方箋を交付する場合、おおよそ7,000円(1割負担)、3割負担の方は、おおよそ2万円としています。(日本訪問診療機構「よくある質問」(http://jvmm.jp/patients-faq.php#q7)より)

その他の費用について

介護が必要になると必ず必要となるのが、「おむつ」です。老人ホーム検索サイト「みんなの介護」の「1カ月にかかるおむつ代アンケート」(https://www.minnanokaigo.com/enquete/no39/)によると、「1万1円以上1万5,000円以下」が一番多く39.6%、次いで「5,001円以上1万円以下」が29.8%となっています。

おおよそ、1万円前後と考えておくと良いかもしれませんね。

1カ月の合計金額は?

ざっくりとですが、介護にかかる費用を解説しましたが、今まで出た金額を合計するとどれくらいになるのか計算してみましょう。最高額で考えていきたいと思います。

要介護5の介護保険内での最高金額:3万6,065円
福祉用具の購入:1万円
訪問診療3割負担:2万円
おむつ代:1万円
合計:7万6,065円

「意外と安い」と感じましたか?ただし、これらはあくまでもざっくり計算です。生活費を考えていません。これに食費や住居費などが必要になりますし、介護が必要となれば入院することもあるかもしれません。

そう考えると、年金と貯蓄のみで賄えるかというと不安が残る気がします。

介護費用に困ったら相談しよう

今回は、ざっくりと制度からわかる金額を計算しましたが、本来であればケアマネージャーがその人にあった介護プランを立ててくれます。介護費用で困った際には、ケアマネージャーに相談して、介護プランを見直すこともできます。

また、日本では、高額療養費制度や介護保険に関しても低所得者の方への支援もあります。困ったときには各自治体に連絡することで適切な支援を受けることができますので、一人で悩まず相談してみるといいでしょう。

参考

「サービスにかかる利用料」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html)介護サービス情報公表システム(厚生労働省)
「どんなサービスがあるの? - 特定福祉用具販売」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group22.html)介護サービス情報公表システム(厚生労働省)
「よくある質問」(http://jvmm.jp/patients-faq.php#q7)日本訪問診療機構
「在宅介護で1ヵ月にかかっているおむつの費用は「1万5,000円以下」が4割!公的助成制度について知っておこう」(https://www.minnanokaigo.com/enquete/no39/)みんなの介護

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