“家事の時給”は女性1470円、男性1850円ってどういうこと!? 家事のお値段を「見える化」したら…
LIMO / 2020年6月13日 19時45分
“家事の時給”は女性1470円、男性1850円ってどういうこと!? 家事のお値段を「見える化」したら…
もらえる、もらえないは別として、「“家事”は時給にするといくらぐらいなのか?」を知りたい…と思う主婦は多いものです。日々の自分の労働の価値、対価を知ることで、家事へのモチベーションを上げたい、と思うのは当然のこと。
そこで実際に家事を時給に換算してみると…さて、あなたはこの結果に納得できますか? それとも…。
女性の家事の時給は「約1470円」
平成30年12月に公表(令和元年6月17日訂正)された内閣府 経済社会総合研究所 国民経済計算部による「男女別の家事活動の貨幣評価」(※1(https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/satellite/roudou/contents/pdf/190617_kajikatsudoutou.pdf))で見てみると、女性が家事に費やす時間は年間で1313時間となっています。さらに、女性の1年間の家事活動の貨幣評価額は193万5千円。これを時給換算すると、約1470円になります。
ちなみに、男性が家事に費やす時間は年間で275時間。家事活動の貨幣評価額は50万8千円なので、時給に換算すると、なんと約1850円。つまり、男性のほうが家事の時給が高い!という結果になるのです。
「え? 女性のほうがいっぱい家事を頑張っているはずなのに、なんで時給が安いの?」と腹立たしい気持ちになるのはよくわかります。実はこれにはからくりがあり、内閣府は家事の時給を「機会費用法」を使用して算出しているからです。
機会費用法とは簡単に言うと、「外で働くことで得られる予定だった1時間当たりの賃金」を家事の時給とみなしている…ということ。つまり、時給に「何をしたのか」が反映されるのではなく「誰がしたのか」が反映されている…というわけなんですね。
それはこの先、女性が外で働くときの平均賃金がアップすれば、当然家事も「昇給」する、ということです。
家事代行サービスの料金に当てはめてみたら…
実際に時給として見てみると、「やっぱり!家事って結構高いんだ」とよろこんだのもつかの間、機会費用法にがっかり…という方も多いはず。
「たまに食事を作ってくれたと思っても、台所はぐっちゃぐちゃで目も当てられない惨状。ちょっと買い物のあいだ子供を見ておいて、と頼んでもYouTubeに子守をさせて自分は高いびき…。そんな夫のほうが家事の時給が高いなんて考えられない!」と、この結果を見た筆者の知人は立腹していました。
では、別の計算方法として、家事代行サービスの料金を家事にそのまま当てはめてみましょう。家事代行サービス「ベアーズ」によると、料理代行のスポットサービスは1回3時間で交通費・税込み1万4117円(※2(https://www.happy-bears.com/cooking/service/spot))。交通費を抜いても、料理だけで時給4400円です。主婦の日常的な感覚からすると、多くの方が即座に「高い!」と感じるのではないでしょうか。
そもそも家事代行は、全くの他人に家事サービスを提供する仕事。その点主婦の家事は家族のためであるとともに、自分のためでもあるのですから、同じ土俵で考えること自体に無理がありそうです。
では、いったい「家事の時給」とは、いくらが適正なのか…? いくら考えても正解はでてこないのではないでしょうか。なぜなら、家事に対する考え方や価値観は人それぞれ。また自分が認める“家事”レベルがどのぐらいなのかも人それぞれ。「最低限寝られる、食べられる程度でいいや」と思う人もいれば、「家族のために、料理も掃除も最高レベルで!」という人もいるはず。
そもそも「家事の時給」というのは、曖昧模糊としていて、どんな方法で算出しても「それくらいだろうな」という納得感には至らないのかもしれません。
それにもかかわらず、なぜ「家事を時給に換算する」というある種不毛ともいえる作業の結果が気になるのか?といえば… それは、主婦が「やりがいを感じたいから」。
もはや毎日のルーティーンとなっている家事、自分自身も「やって当たり前」と思っていながらも、家族に家事の大変さを理解してもらいたい。何より自分自身が「これだけ自分は価値のある『労働』をしているのだ」ということを実感したい…。金額云々ではなく、それが本心なのではないでしょうか。
時給換算してみて…大切なのは「そのあと」
主婦の家事労働を時給に換算することで、「私の毎日の家事は、これくらいの価値がある」と明確に認識することができます。しかし、大切なのは時給に換算した「そのあと」。
家事の価値を金額で表すことによって、日ごろの家事が「労働」にほかならないこと、それがどれだけ大変であるかを「見える化」し、「夫婦間の家事シェア」のきっかけづくりにしてみませんか? 同時に、無駄な作業をしていないかを見直すことにもつながるかもしれません。
そうすることで初めて「家事の時給換算」に意味が出てくるのではないか…と思うのです。
【参考】
(※1)男女別の家事活動の貨幣評価(https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/satellite/roudou/contents/pdf/190617_kajikatsudoutou.pdf)「無償労働の貨幣評価」内閣府経済社会総合研究所
(※2)家事代行のベアーズ(https://www.happy-bears.com/)(スポットプラン(https://www.happy-bears.com/cooking/service/spot)料金は2020年6月4日時点)
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