コロナでわかった「会社の怖い体質」 体調不良だとさらし者、Zoomでテレワーク監視…
LIMO / 2020年6月11日 20時0分
コロナでわかった「会社の怖い体質」 体調不良だとさらし者、Zoomでテレワーク監視…
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止で、テレワークに移行して出勤人数を抑制したり交代で出勤するといった対策が取られる中、いつもとは異なる働き方にストレスが溜まる人も多いようです。今回はそんな人たちに「会社のこんな対応は怖い…」と思った経験について聞いてみました。
「デキる人は出社が当然」という風潮
あるIT企業で働くAさんは「会社の中に蔓延する『デキる人は会社に出社する』『テレワークするのはやる気のない人』みたいな雰囲気が怖すぎる」と話します。
「うちはIT企業といえど、古い体質の会社。表向きのこともあるのでテレワークに移行したけれど、会社の中では『まあ、デキる人は出社するよね』みたいな風潮がある。上司は自分が毎日出社しているので、オンラインで行われる朝会のたびに『〇〇は出社してきている』とか『〇〇さんはやっぱ出社してるんだよな~』とか話をする。そう言われると出社せずにオンライン朝会に参加していることが気まずい」と話します。
「極めつけは月1回の社内全体朝会が週1回に変更され、オンラインで参加するなら顔出し必須、出社している人はなぜか顔出ししなくていいという謎ルールができたこと。おかげで週1回、会社に行くことを余儀なくされてしまうし、顔出ししていると『出社しないやる気のない人』みたいな雰囲気になる。しぶしぶ週1回会社に行く人が増えて密の状態に…。上の人たちに危機感がなさすぎて呆れてしまった」と話していました。
少しでも体調不良になるとさらし者に
続いては金融機関勤務のBさんです。「感染することよりも怖いのは、ちょっと体調不良なだけで社内でさらし者にされてしまうこと」と話します。
「こんなことを言うのはなんだけど、自分はまだ20代なので感染自体はそこまで怖いとは思っていない。でも、少しでも体調不良だとさらし者になる。『××部の〇〇さんは熱が出たらしい』というところから全社に通達が入って、『〇〇さんは何日に出社していたから、その日会社にいた人は気を付けろ』とか『〇〇さんとしゃべったから感染しているかも』とか、まるでバイキン扱い…。小学生の頃、イジメられていた人のことを思い出した」と話します。
「出社しなければ仕事にならない、個人情報を扱う部署の人が何人か体調不良になったときがひどかった。会社からテレワークの対象外にされてやむを得ず出社していたのに、社内でさらし者にされた」のだそう。
「『注意不足』とか『マスクをちゃんとしていたのか』とか、本人のせいみたいに言われていたのが本当に気の毒。その部署の人が『〇〇さんは小さなお子さんも70代のお母さんもいるから、通勤して感染を家庭に持ち込むのが怖いと言いながら出社していた』と話していた。会社に対して不信感を抱いた」と話していました。
出社しないと「サボり」というレッテルを貼られる
メーカーで働くCさんの会社もテレワークに移行したものの、「テレワークは会社としてあくまで『ちゃんと社員に配慮しています』というポーズに過ぎない」と言います。
「実際ほとんど使われていなくて、出社しないと『サボっている』と思われている様子。利用しているのは保育園が休みになったり小学校の臨時休校などで子どもが家にいる人と、高齢の同居人がいる人だけ。でもその人たちに対しても冷ややかな目が向けられていて、独身の管理職の男性なんかが『いいよな、あの人は子どもがいるっていうだけで家でサボれて』と言っているのを聞いてしまった」のだそう。
「せっかく導入したテレワークも形骸化して、感染の不安を抱えながら出勤している人ばかり。消毒液も入手困難ということで空っぽのままフロアに2つ置かれている。会社がテレワークを使わせない空気にしているのに、出社している社員の感染リスクを下げるための対策が不十分すぎて呆れる。会社の危機管理能力での低さが一番怖い…」と話していました。
Zoomで監視される日々
最後はIT企業で働くDさん。「テレワークが導入されたものの、部署ごとにウェブ会議システムのZoomでつなぎながら作業するというのが当たり前に…。9時までにログインしてZoomに入室し挨拶、ほかの打ち合わせや会議に参加する以外、作業時間は部署のZoomに接続して無言でみんな作業している」のだそう。
「きっかけは部長が『気軽に声を掛けられないのが不便。みんながちゃんと仕事をしているのかわからない』と言い出したこと。『仕事をしている姿が見えるのは出社していれば当たり前だし、気軽に話しかけられるようにしておくほうがいいよね』とZoomで常時接続しておくことを提案され、誰も反対意見を言えずにそうなってしまった」と言います。
「でもZoomで部屋の中が見えるのも嫌だし、お手洗いに行ったりお茶を飲んだりしているのが見えるのも嫌だ。つけていないとサボり認定されるのももうコリゴリ。そんなに信用されていないのかと腹立たしく思った」と嘆いていました。
おわりに
新型コロナウイルスの影響で私たちの生活に変化が起きていることは確かです。しかし、職場ではそれを受け入れられない層がいるのも事実で、そのフォローをするのも大変ですね。「働き方の新しいスタイル」への理解が進むことを望みます。
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