75歳から年金受給?老後の不安におびえる夫婦がやめたこと
LIMO / 2020年6月6日 20時50分
![75歳から年金受給?老後の不安におびえる夫婦がやめたこと](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_17682_0-small.jpg)
75歳から年金受給?老後の不安におびえる夫婦がやめたこと
年金や保険料、払い続けているものの実際に将来いくらもらえるのか、自分が払ってきた金額をちゃんと回収できるのか…。先行き不透明なこのご時世、大多数の人が漠然と老後への不安を抱えているのではないでしょうか。
雇用形態や給与額など家庭によりさまざまなケースがありますが、今回は夫婦2人の老後にどう備えるかを、金融庁が2019年に公表した金融審議会、市場ワーキング・グループによる報告書データ「高齢社会における資産形成・管理(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)」をもとに、解説します。
緊急事態宣言中の審議入り!年金開始75歳法案
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で世間が混迷を極めるなか、意外な法案の審議入りがニュースになりました。現在の年金支給開始年齢は原則として65歳からで、受け取る人が希望すれば70歳まで繰り下げることが可能です。さらに75歳まで受け取り開始を遅らせることができるようにする、というのが今回の法案です。
勘違いされることが多いのですが、全員が75歳になるまで年金を受け取れなくなるというわけではなく、65歳以降も仕事を続けていて年金が無くても暮らしていける人は支給を遅らせ、その代わりに1カ月当たりの支給額を増やせるという制度です。ただ、そうはいっても今後の日本の経済状況を考えると、自分たちが年金を受け取る頃の年金制度はどうなっているのか…と不安になるのも無理はありません。そこで、老後資金はいくら必要か、どうやって貯めるかを具体的に考えていきましょう。
老後資金はいくら必要?どうやって貯める?
先に述べた金融庁が昨年公表した報告書には、老後約2,000万円が不足するという試算が記載されており、それを耳にして「そんなの絶対無理…」と不安になった方も多いのではないでしょうか。ただ、これは実は老後「30年間」で約2,000万円という意味であり、老後「20年間」で換算した場合は約1,300万円なのです。
例えば現在40代の会社員の方がこの金額を老後までの約20~30年で用意するとした場合、年間43~65万円(月額3.6~5.4万円)くらいを積み立てていけば、到達する数字です。定年退職後も月に約3万円程度貯めていければ、自分が長生きして結果的に老後が30年になったとしても十分間に合います。収入や支出の額は人それぞれですが、「これなら何とかなるかも?」という人も多いのではないでしょうか。それでは、希望の光が見えてきたところで、働きざかりのご夫婦が幸せな老後に向けて「やめたこと」を伺います。
幸せな老後を迎えるために夫婦でやめたこと
今回お話を伺ったのは、昨年末に夫が新卒から勤め続けた大手家電メーカーからベンチャー企業に転職し、妻は週3日デパートでパート勤務をしているBさん夫婦。夫の転職を機に夫婦で老後について考える機会を設けたそうです。その話し合いのなかで、老後資金の準備のため、これまでの生活を振り返り今後はやめる・あるいは別の方法を試すことに決めた項目について教えていただきました。
1. 嗜好品をやめた
→夫は若い頃にくらべ本数は減ったものの、タバコを吸うのがやめられずにいました。また毎日の晩酌を欠かさない生活でしたが、長い老後生活を楽しむためにも健康貯金と称してタバコ・晩酌代を毎月の積み立てに回すようにしたそうです。
2. コストのかかる趣味をやめた
→夫婦の共通の趣味はゴルフ。月に1度は早朝から遠方に出かけプレーを楽しんでいましたが、ゴルフは道具やプレー料金、飲食費など出費がかさむスポーツ。体力的にしんどくなってきたこともあり、思い切ってゴルフ場でプレーする習慣をやめ、たまに近所の打ちっぱなしに行くことに決めました。
3. 大型車をから軽自動車に乗り換えた
→Bさん夫婦には成人している2人の子どもがいます。子供たちが小さいときは送り迎えや旅行のために6人乗りのファミリーカーを所有していましたが、今回の話し合いを機に、維持費の安い軽自動車に乗り換え、家族旅行などのときはレンタカーを利用し大人数に対応できるようにしました。
不安になる前に話し合おう!老後プラン
老後にはこのぐらい必要!と具体的な数字が独り歩きすると、心を乱されてしまいますが実際に必要な金額というのは家庭によりケースバイケース。まずはそれぞれの家庭の毎月・毎年の総支出額を把握し、そこから老後資金としての必要額を想定していくことが肝心です。ライフスタイルの変化に応じて、嗜好品をやめたり、趣味や持ち物を整理したりすることで老後の必要額を確保していけるよう、夫婦で真剣に話し合う場を設けることが重要になってきますね。
【参照】
金融審議会 市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)」金融庁
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