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国民年金の受給額、みんなどうやって増やしている?

LIMO / 2020年6月12日 20時15分

国民年金の受給額、みんなどうやって増やしている?

国民年金の受給額、みんなどうやって増やしている?

みなさんは、老後の年金生活についてどのようなプランをお持ちでしょうか? 日々貯金をがんばっていても、ふとした瞬間に、将来が不安に感じることもあるかもしれません。

人生100年時代とも言われており、老後に向けての資産形成は計画的に進めていきたいものです。そこで本記事では、みなさんが加入している国民年金制度を中心に、受け取る年金額を増やす、またはお得に準備していく方法について見ていきたいと思います。

① 繰下げ受給する

1つめは、年金を繰下げ受給する方法です。国民年金の老齢基礎年金を受け取るのは原則65歳からですが、最長70歳までスタートを遅らせることができます。

この繰下げ受給を適応すると、65歳から何カ月受給開始を遅らせたかによって、年間に受け取る年金額を増やすことが可能で、請求時の年齢によって増額率は表のようになります。

繰下げ請求と増額率(昭和16年4月2日以後に生まれた方)

(/mwimgs/7/8/-/img_78b51102dca2bcb7fef42d4e6831e66a112055.jpg)

拡大する(/mwimgs/7/8/-/img_78b51102dca2bcb7fef42d4e6831e66a112055.jpg)

出典:日本年金機構「老齢基礎年金の繰下げ受給」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-06.html)より抜粋

たとえば、2020年4月時点での老齢基礎年金の受給額は年間781,700円※(満額)ですので、仮に70歳まで受給開始を遅らせた場合には、受け取る年金額は年間328,314円(781,700円×42.0%)増える計算になります。(※20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた方の場合)

このように、70歳以降に増額率は最大になるので、もし退職後70歳になるまでを貯金などの自己資金で賄うことができれば、長生きした場合の備えを手厚くすることができるでしょう。

なお、詳しい注意点については、日本年金機構の「老齢基礎年金の繰下げ受給(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-06.html)」をご覧ください。

② 国民年金前納割引制度を利用する

2つめは、国民年金前納割引制度を利用する方法です。実質的な年金の受取額が増えるわけではないのですが、国民年金保険料を6カ月分や1年分、2年分をまとめて前納することで、国民年金保険料が割引になるのでお得と言えるでしょう。

割引額は、国民年金保険料を現金で支払うか口座振替で支払うかによって異なります。注意点としては、前納できる期間は毎年決まっており、2020年度分の2年前納と1年前納の申込みはすでに終了していますので、2021年度分を申込みたい方は期間を見逃さないようにしましょう。

前納割引額(2020年6月5日現在)

(/mwimgs/1/0/-/img_103a5738e1e2b72dd7f7d42ddd14e6d064683.jpg)

拡大する(/mwimgs/1/0/-/img_103a5738e1e2b72dd7f7d42ddd14e6d064683.jpg)

出典:日本年金機構HPを参考に編集部作成

また、毎月納付の場合でも、納付期限より1カ月早く口座振替で納付する「早割」を使うと、年間600円の割引を受けることもできますよ。

③ 付加保険料を納付する

3つめは、付加保険料を納付する方法です。ここからご紹介するのは、上記の2つとは異なり、実践できる方が限られているのでご注意ください。

みなさんは毎月年金保険料(2020年度は月額16,540円)を支払っていると思いますが、実はこれにプラスして月額400円の「付加保険料」を支払うことで、将来的に受給する年金額を増やすことができるのです。

付加保険料を納付することができるのは、以下の方です。

国民年金第1号被保険者

任意加入被保険者(65歳以上の方を除く)

「第1号被保険者」とは、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の自営業者(フリーランス)や農業・漁業者、学生や無職の方、その配偶者の方のことをいいます。厚生年金保険や共済組合等に加入している方は除きます。

また、「任意加入被保険者」とは、保険料を納める期間や加入者である期間が短いなどの理由から、60歳以降も国民年金に任意で加入する方のことです。

付加保険料を納めることで65歳以降に受け取れる年金のことを「付加年金額」といい、その金額は「200円 × 付加保険料納付月数」から算出することができます。たとえば、20歳から60歳までの40年間、付加保険料を納めた場合では、

付加保険料の納付総額:192,000円(400円×12カ月×40年)

付加年金額(年間):96,000円(200円×12カ月×40年)

となり、毎年の年金受給額を96,000円増やすことができます。また、付加保険料を納めた分は2年間で元を取ることができ、1カ月の負担も400円とそう高くないので、将来の年金受取額が心配な方にはおすすめの方法です。

④ 国民年金基金に加入する

4つめは、国民年金基金に加入する方法です。国民年金基金とは、厚生年金に加入していない自営業者などが、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せできる公的な年金制度のことをいいます。

これは、厚生年金に加入している会社員等の給与所得者と、国民年金だけしか加入していない自営業者などとでは、将来の年金受取額に大きな差が生じることから、この差を解消するために平成3年に創設されました。

加入資格は、以下のとおりです。

国民年金第1号被保険者

任意加入被保険者(65歳以上の方を除く)

注意点として、国民年金基金と付加年金は併用することができません。というのも、国民年金基金の保険料には付加保険料相当が含まれているからです。

もし国民年金の付加保険料を納めているけれど国民年金基金に加入したいという場合は、付加保険料の納入を停止する手続きを取るようにしましょう。

フリーランスの方などは、国民年金だけでは将来が不安という方も多いはずです。このような第1号被保険者のための年金制度の利用も検討してみるとよいでしょう。

まとめ

本記事では年金制度を中心に、年金の受取額を増やしたり保険料の割引を受けたりできる方法を紹介してきました。繰下げ受給や前納、付加年金など、お得な制度をあらためて知る機会になったのではないでしょうか。

本記事を参考に、自分が活用できそうな制度があるかどうかを、資産状況と照らし合わせながら確認してみてくださいね。

【参考】
・日本年金機構 公式HP(https://www.nenkin.go.jp/index.html)
・国民年金基金 公式HP(https://www.npfa.or.jp/)

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