コロナで増えた食費に真っ青! 私の財布の紐が緩んだわけ
LIMO / 2020年6月10日 10時15分
コロナで増えた食費に真っ青! 私の財布の紐が緩んだわけ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて実施された公立学校の一斉休校や外出自粛により、各家庭ではこれまでにない生活を送ることになりました。
不要不急の外出を避けることが続けば必然的に家で過ごす時間が長くなり、そのために家計に変化が起きた家庭も多いことでしょう。今回はLINE pay株式会社が提供する「LINE家計簿」のデータを参考に、外出自粛時期の家計における食費の増え方を検証していきます。
4月下旬の調査で食費の増加が明らかに
「LINE家計簿」のLINE公式アカウントをフォローしているユーザーを対象にしたアンケートによると、新型コロナウイルスの影響による家計の変化について、「増えている」という回答は37%で、「減っている」の24%を13ポイント上回りました(4月28-29日実施、回答者1万人)。
回答者の職種別で家計が「増えている」の割合を見ると、専業主婦(夫)52%、パート・アルバイト45%、自営業32%、会社員および公務員が各31%となり、職種によって開きが出ていることがわかります。
また、各費用の支出の変化を聞いた設問では7割近くの人が「食費の増加」を挙げています。休校や在宅勤務により家で食事をとる回数が増えたことが影響していることがうかがえます。
では、実際にどのように食費は増えていったのでしょうか。筆者の実体験をもとに考察していきます。
お米やパンの消費スピードが速くなる
学校が休みになり、3食ともしっかり食べる育ち盛りの子供がいる家庭では食費がアップするのは避けられません。筆者には3人の子供がおり、休校休園措置で1カ月のお米の消費量が約2倍になりました。
近所のお米屋さんに足を運ぶ間隔も短くなり、事情を察したご主人から「給食がないから食事の準備も大変だね」という言葉をかけられたほどです。
主食となるお米の他、パン類の購入回数は今までの2倍以上に。朝食だけでなく昼食にも食べるようになったためで、休校の影響が大きいことを実感することになりました。ただ、それに加えて心理的な要素もあったと思います。
実は、軽い運動のため、人混みを避けて近所を散歩するコースの1つに個人経営のパン屋さんがありました。コロナ禍で営業時間は短縮していたものの、おいしそうな匂いにつられて前を通るたびにパンを買うのが楽しみになっていったのです。
毎回家族代表として筆者が店内に入り、子供達の好きそうなパンを選ぶ時はコロナの不安を忘れることができました。
迷いなくパンやお刺身を買う
思うように身動きが取れない自粛生活中に「パン屋さんのパンを食べる」ことは家族共通の気晴らしと心の癒しを兼ねていました。パンを並べると食卓が明るくなり、鬱々とした雰囲気を忘れられるような気持ちなったのです。
もちろん5人分のパンを選ぶとそれなりの金額になります。しかし「遠出する代わりに」「何もなければ連休で出費が続いていたはず」と自分に言い聞かせて、出費を気にせず週2回の楽しみにしていました。
いつもとは違う消費行動はパンだけではありません。夫が徐々に在宅勤務に切り替わり始めた4月中旬以降、夕飯の食卓に刺身が登場する回数が増えていきました。
これまで、平日に家族全員で夕食を食べられることは滅多になかった我が家ですが、緊急事態宣言の影響で図らずも一家団らんの機会に恵まれました。子供達の喜ぶ姿をみるとつい財布の紐が緩くなり、夫や子供が好きな刺身を買ってしまうように。
自覚はしていたものの、パン屋さんの時と同じように「本当なら外食も多かった時期だし」と自分で自分に言い訳をしていたのです。スーパーでの「密」を避けるため、買いに行くのが自分1人になり、いつもブレーキをかける存在の夫がいなかったのも大きいと思います。
このように、平穏な日常生活とは異なる緊急事態下でいつもと違う買い物パターンになってしまったのは否めません。実際、緊急事態宣言が解除される方向へと動き出した5月の連休明けに4月の支出を計算してみて、その結果に真っ青になったのでした。
新型コロナの影響で家計や節約を意識するように
前述の「LINE家計簿」のアンケートでは、回答者の52%の人が新型コロナウイルスの影響で家計管理や節約を意識するようになったと答えています。また、最近実践している節約方法として、62%の人が「無駄な買い物を減らす」を挙げています。
家で過ごす時間が長くなると支出は減るイメージがあります。しかし、コロナによる外出自粛中に食費などで思った以上に出費が膨らみ、家計を気にする人が増えてきたことをアンケート結果は示唆しています。
外出やそれに伴う外食が続くと「ちょっとお金を使い過ぎた」とすぐに分かりますが、家にいるとそういった感覚は鈍くなりがちです。筆者のように、コロナ禍で家庭に漂う暗いムードを家での食事で払拭しようとする人も少なくなかったと思います。
トータルで見ると例年と変わらない支出に
春から初夏にかけては新生活がスタートし、多くの人がレジャーや旅行を楽しむ季節です。今年はその時期にコロナ禍での休校や緊急事態宣言が重なり、「いつもなら旅行に行っているから」と、ついお財布の紐が緩くなって普段は買わないスイーツなどを買ってしまうことも増えました。
そうした小さな積み重ねで食費が大幅に跳ね上がってしまい、外出自粛中ながら3月〜5月の家計がGWで旅行などを楽しんでいた例年とあまり変わらなかったというケースは筆者だけではないかもしれません。
新型コロナウイルスの感染状況は今後どのようになるかまだ先行きが不透明です。今から第2波や第3波に備えて家計や節約に関して改めて考えてみるのもいいですね。
【参考資料】「LINE家計簿 新型コロナウィルスの影響による家計の支出の影響についての調査結果(https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2020/3216)」(LINE Pay株式会社)
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