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「持たない暮らし」の大誤算…新型コロナで直面した“ミニマリスト”の悲劇

LIMO / 2020年6月16日 10時0分

「持たない暮らし」の大誤算…新型コロナで直面した“ミニマリスト”の悲劇

「持たない暮らし」の大誤算…新型コロナで直面した“ミニマリスト”の悲劇

物があふれすぎている現代社会。その流れに巻き込まれまいとするかのように、近年「シンプルに生きたい」と考える人が増えてきました。その象徴ともいえるのが「ミニマリスト」。必要最小限の物だけを持つことで、かえって心が豊かになる…という考えのもとで生活している人たちのことです。

大量生産・大量消費のアンチテーゼともいえるミニマリストは、自分の気持ちに正直にストレスなく生きているように見えるので、憧れを抱く人も少なくありません。しかし、安易な気持ちでミニマリストの沼に足を踏み入れると…取り返しがつかなくなることもあるようです。

「物がない」ことがこんなに心細いとは…

ミニマリストとして快適な生活を送っていたAさんですが、このたびの新型コロナ騒動で「ミニマリストであること」をひどく後悔した…と肩を落とします。

「もともと片付けが苦手だった私。家が片付かないのは、物が多すぎるせいだ!と気づいたのがミニマリストを目指すきっかけでした」

家にあるものを8割減らす、を目標にAさんはどんどん物を処分していきました。今まではトイレットペーパーや洗剤などを、特売のたびに買いだめしていたのですがそれも止め、必要なときに必要なぶんだけ購入するようにしたのだそうです。

「買いだめをしないことで、家の物がずいぶん減りました。それに、近くにスーパーもドラッグストアもあるので、なくなったら都度買いに行けばいい。『あぁ、あれがもう切れてしまった!困ったわ…』なんてことは全くなかったんです」

我が家は買い置きなんてしなくていいんだ、と思っていたAさんは、憧れのシンプルライフを手に入れ、本当に充実した毎日を過ごしていました。新型コロナウイルスが感染拡大するまでは…。

テレビのニュースで「トイレットペーパーが品薄に」という話題を目にしたAさん、自宅のトイレットペーパーをチェックしたところ、今日明日には切れそうな予感。早速ドラッグストアに買いにいったのですが…。

「トイレットペーパーがどこにもないんです。スーパーにもドラッグストアにも、コンビニにも!」

少し足を伸ばして遠方のお店を訪ねてみても、そこにもトイレットペーパーはありません。仕方なくペーパーを節約して使っていたAさん、ようやく購入できたのは実に5日後だったそうです。

「それ以来、ある程度の買い置きはするようになりました。そのぶん物が増え、今の我が家はミニマリスト失格かもしれませんが…。あんな思いはもうコリゴリです」

友人宅が「落ち着けない家」になってしまった…

続いてお話をうかがったのはBさん。彼女は、高校時代からの友人がミニマリストになったことですっかり変わってしまった…と嘆きます。

「シンプルに、でも心だけは豊かに暮らしたい、と語る彼女は、とにかく何もかもが無駄に見えるようで…。彼女の家には本当に何もないんです」

テレビやDVDレコーダーはおろか、ソファもテーブルも座布団もない友人の家に遊びに行くのが苦痛だ、と語るBさん。

「何もないがらんとした部屋で床に座って話をしていても、落ち着かない。おしりもイタくなっちゃうし…。それに、物がなさすぎると部屋って本当に寂しいんですよね。必要以上に空間が広く感じるし…。彼女はしょっちゅう『遊びに来て』と言ってくれるんですが、正直居心地が悪くてなかなか遊びに行く気になりません」

Bさんの友人は、もはや『極端に無駄を嫌う』状態。何もない部屋の中なのに、「まだまだ手放せるものはあるはず」と「無駄なもの」を探し回っている姿には、ある種の狂気を感じることもあるそう。

「自分の持ち物だけでは飽き足らず、友人は『これは無駄、あれは要らない』と彼氏の持ち物にも口を出しはじめたんです。そんな彼女を窮屈に感じたのか、恋人は彼女のもとを去っていきました」

ことあるごとに「ミニマリストになって、心が豊かになっている気がするの」と語る友人。しかし、物を持つことに罪悪感を覚え、ありとあらゆるものを「無駄なもの」と切り捨てるその生活は、決して満たされているようには見えない…とBさんは語ってくれました。

まとめ

「過ぎたるは及ばざるがごとし」とはよくいったもので、物だらけの雑然とした生活をしている人に対してあまりいい印象を抱かないのと同様、「何もなさすぎる暮らし」をしている人に対してもある種の違和感を覚えるのは筆者だけでしょうか。

単なる憧れから「ミニマリストになること」を目指してしまうと、「1グラムでも物を減らしたほうがいい」という錯覚に陥ってしまいがち。大切なのは、「ミニマリストになることで、自分をどう変えたいのか」。その目標を明確にしておかないと、本質を見誤ってしまうような気がするのです。

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