1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

女性会社員の給料、企業規模でどれくらい違う?~職場における男女差を考える~

LIMO / 2020年6月14日 18時45分

女性会社員の給料、企業規模でどれくらい違う?~職場における男女差を考える~

女性会社員の給料、企業規模でどれくらい違う?~職場における男女差を考える~

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が発行する『ユースフル労働統計2019』(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2019/index.html)(2019年11月29日刊行)では、既存の労働統計から新しい指標を計算する方法と結果が紹介されています。

これによると、日本の男女間の賃金格差は、男性を100とした場合、女性の賃金は80.5(調整後※1)。20年前の1998年の数値が77.2であったことを考えると、徐々に差は縮まりつつあるものの、男女間で明らかな差があるという事実は否めません。

今回は、職場における男女間の格差について賃金や働く環境の面から、考えてみましょう。

(※1)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」から、女性労働者の学歴、勤続年数、企業規模別所定内給与額を、男性労働者の学歴、勤続年数、企業規模別構成比で加重平均して得た額と、男性労働者の所定給与額との百分比

「職場環境に不満がある」約4割、その理由とは?

ザ・ドリーム・コレクティブ社は(本社:オーストラリア:コンサルティング企業)が職場の満足度に関する調査結果を公表しました。日本の男女800名を対象に2020年1月に実施されたインターネット調査です。

今の職場に満足していますか?という問いに対し、37.4%の人が「満足していない」「あまり満足していない」と回答しました。同調査ではさらに細かい項目が質問されており、その結果を見ると顕著な男女差が見受けられます。もう少し詳しく見ていきましょう。

男女の不満ポイントが語る格差の実態

給与が少ない

満足していない理由のトップは「給与(62.9%)」でした。興味深いのは、男女別に見る不満足の割合です。男性の57.2%に対し、女性は68.7%と11.5%の差がありました。

キャリアアップの機会がない

キャリアアップの機会がありますかという質問では「あると思わない」「あまりあると思わない」人が58.5%でした。男性では43%、女性は60%で17%もの開きがあります。

実際、男性上司と女性上司のどちらが多いかの問いでは、67%の人が「男性上司が多い」と回答。ちなみに「女性上司が多い」「男女半々」という回答を合わせても25.5%しかいませんでした。

育児休暇への意識が不平等

「職場で育児休暇を取得した人はいますか」との問いに対して、女性取得者がいる職場は66.5%、男性取得者がいる職場は23.9%となっています。

男女とも、育児休暇の取得がキャリアに影響することを懸念して取りたくないという人もいます。取得意欲の低い男性に理由を聞いてみると、「男性が育児休暇を取る必要はない」と答える人の割合は23.3%という結果も出ていました。

転職を考えるなら、おさえておきたいポイント

安易におすすめすることはできませんが、今の職場に不満があるのであれば、転職を検討するのもよいかもしれません。ただ、やみくもに、「今よりも条件のよさそうな職場」を探す前に、いくつかのポイントは、押さえておきましょう。

現在の職場に、主に賃金面での不満を感じている場合

自分の中に「いくらだったらいいな」という金額はあるかと思いますが、それに足りていないから、今の職場の賃金水準が低いと判断するのは、早計かもしれません。

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html)(2019年)によると、女性の平均賃金は25万1,000円(年齢41.8歳、勤続9.8年)となっています。また、これを企業規模別(※2)に見てみると、以下のような結果となります。

(「賃金」は「6月分の所定内給与額」を意味します。「所定内給与額」とは、労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当として支給される給与をいう)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額とします。)

大企業:27万900円
中企業:24万8,100円
小企業:22万8,700円

勤務している企業規模に照らし合わせてみたときに、その金額が妥当であり、それでももう少し欲しいと考えるならば、今よりも規模の大きな会社への転職も視野に入れたほうがよいのかもしれません。

(※2)ここでいう「企業規模」とは、「調査労働者の属する企業の全常用労働者数の規模」をいい、常用労働者 1,000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」に区分しています。

現在の職場に、主に働きやすさでの不満を感じている場合

女性に限らずですが、働きやすい環境の職場を自分で選ぶことは、とても大事です。転職活動の際には、企業情報を集めて入念にチェックしましょう。

また、自分自身が自分の理想の働き方やキャリアをしっかり把握しておくことも重要です。できるだけ明確なキャリアプランを立て、実現できる企業を選択しましょう。きっと後悔の少ないキャリアを築いていくことができます。

キャリアプランの立て方

1. 人生のビジョン

仕事や家族のことを含め、何歳で何をする、どのポジションを目指すなどの目標を考えます。

2. ビジョン実現の必須項目

ビジョンの実現に必要な知識・経験・スキルなどを具体化します。

3. 目標と現状とのギャップを埋める行動

目標と現状のギャップを埋めるための資格取得やスキルアップなどの行動を考えます。

4. 行動を実行のためのキャリアパス・プラン

転職先、昇格や異動など、具体化した行動の実行に相応しい職場やキャリアパスを考えます。

おわりに

様々な調査の結果を見ても、まだ日本には多くの男女格差が存在しているようです。もちろん、そのような格差を取り除くべく、努力をしている企業もたくさんありますが、やはり企業によって意識や取り組みにも差があります。

転職を考えるのであれば、賃金が妥当であるかどうかを検討するとともに、理想のキャリアプランをしっかり立てて実現しやすい企業を選択しましょう。

参考

『ユースフル労働統計2019』(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2019/index.html)独立行政法人 労働政策研究・研修機構
「働き方の多様性に関する意識調査」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000054196.html) ザ・ドリーム・コレクティブ社
「令和元年賃金構造基本統計調査」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html)厚生労働省

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください