「年収1000万円は忙しく、年収1億円はヒマ」というのは正しいのか
LIMO / 2020年6月14日 18時45分
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「年収1000万円は忙しく、年収1億円はヒマ」というのは正しいのか
ある程度市場価値の高いスキルを持ったフリーランスや経営者なら「年収1,000万円」を稼ぐのは、世間で思われているほど難易度は高くはありません。
筆者の知人や親戚にも、中小企業のコンサルタント、セミナー講師として忙しく飛び回り、年収1,000万円、2,000万円稼ぐ人がいます。仕事をバンバン受けまくって、休日なしで一日の大半を仕事に費やす労働集約的なワークスタイルで達成しているのです。
一方、それ以上の収入である5,000万円、1億円を得るとなると、必然的に仕組みで稼ぐ必要が出てきます。そして仕組みで稼ぐ人たちは忙しいのでしょうか?それとも仕組みで稼いでいるのでヒマなのでしょうか?
労働集約型と頭脳集約型のワークスタイルとは?
前述の通り、馬車馬のように働けば年収1,000万円は到達可能です。やろうと思えば、会社員も土日祝日を他の会社で働いて稼げば、年収は1,000万円に達するでしょう。しかし、問題はこのようなワークスタイルには限界があるということです。一日は24時間しかありません。また、病気で動けなくなった瞬間に収入が途絶えますし、時間がなければお金を使うヒマもないのです。
一方、仕組みで稼ぐというのは頭脳労働となります。身近な例で言えば、会社の経営者になって従業員を雇って会社をまわせば、自分は現場にいなくても売上は上がっていきます。筆者は高級フルーツビジネスで会社経営をしています。フルーツの仕入れ、発送、電話対応、ネットショップの注文の処理などはすべて従業員がしてくれますから、厳密な拘束時間はありません。
その一方、ビジネス誌やネットメディアでニュース記事を書くジャーナリストの仕事や、講演に呼ばれて登壇することもあります。こちらは働くのを止めた瞬間に収入が止まる、労働集約的なワークスタイルなのです。
高収入の人が拘束されずにヒマなワケ
稼ぐ人がエラいとか、頭脳集約型こそが正義だという稚拙な話をするつもりはないのですが、年収3,000万円以上を稼ぐとなると、物理的な時間の制約上自然に頭脳集約型の仕組みで稼ぐワークスタイルを選択することになります。
仕組みで稼ぐスタイルは、システムや従業員、外注先の人が働くことになるので、その分ビジネスのオーナーである自分の手が空くことになります。実際に筆者のビジネスパートナーの拘束時間はなく、昼間から好きなシャンパンを飲むような生活をする人もいるのです。
もちろん、世の中はうまい話だけではありません。どんなビジネスも栄枯盛衰、時代の変化に対応できなければ姿を消すことになります。この世はリスク・リターンの法則から逃れることはできませんから、高収入を得る人たちは自由さと、青天井に稼げるリターンを得る代わりに、いざビジネスがうまくいかなくなると収入がなくなってしまうリスクを取ることをしているのです。
でも、実際には高収入のビジネスマンは猛烈に働く
そしてよく言われることが「高額所得者は総じてヒマだ」という主張です。仕組みがうまく回っている間は、その気になればヒマでいることは可能でしょう。
しかし実際には、年収5,000万円、1億円を稼ぐ人を見てみるとその多くは忙しく動いています。筆者はビジネス柄、高額所得者と仕事をさせて貰う機会があるのですが、例外なく彼/彼女らは忙しくしています。それには2つの理由があります。
1つ目は「経営者やフリーランスは、今の状況がいつまでも続かないということを理解している」からです。今たくさん稼いでいても、いつかは今ほど稼げなくなることはよくある話です。
筆者はフルーツギフトショップを立ち上げた時はGoogleのオーガニック検索だけで集客をしていました。当初はそれだけで非常に売り上げが高く、老舗の有名フルーツギフトショップを抑えて上位表示されてドンドン売上高が上がっていきました。しかし、Googleの検索アルゴリズムのコアアップデートが入るたびに検索順位は大きく変動し、最近では検索流入だけで売り上げを安定化させることに限界を感じたのです。
そこでSNS広告に着手したのですが、これによって最盛期の4~5倍ほど売れるようになったのです。
絶えずスピーディーに変化するビジネス環境に対応するには、今売れていてもそれが続く保証はありません。現状維持は後退ですから、調子よく売れている時こそ、それが終わってしまうことも想定して、常に行動し続けることが求められる世界です。
筆者も今はSNS広告がうまくいっていますが、いつかは競合が増えて今ほど売れなくなる日が来ると思っています。うまくいっている時こそ、次の一手を考える必要があります。このため、仕組みで稼いでいる人は身体は動いていなくても、頭の中はいつも忙しいのです。
そしてもう1つの理由は、「働くことが楽しい」というものがあります。世界の富豪を見ても、「もう働かなくても一生生きていけるのでは?」と思うようなお金持ちほど、がむしゃらに働いている例は珍しくありません。
「働く」といっても、彼/彼女らは汗水たらして作業をするのではなく、ビジネスを改善したり、次の収益源を作ることに余念がないということなのです。お金のためでなく、楽しいから働くという境地にいるということです。
ビジネスはお金のためだけではありません。目の前のお客さまからの「ありがとう」を集めることに生きがいを感じたり、自分の才能の限界をビジネスで試すようなアスリート的な思考のビジネスマンもいます。いずれにせよ、ビジネスで成功する人は仕事を楽しいと思っていることがほとんどです。
先日、筆者が知っているビジネスをバイアウトした経験のある、スタートアップの社長と話をする機会がありました。彼は若くして大金を稼ぎ、六本木の高級マンションに住んでいる高額所得者です。しかし、ビジネスにのめり込みすぎて、ほとんどお金を使うことはなく、昼ごはんはコンビニ弁当ばかりです。「ビジネスが面白すぎて寝るのがもったいない」といっていました。
高額所得者といえば、高級ワインを片手にのんびりと過ごしているイメージを持っている人もいると思います。しかし、その実彼/彼女らは誰よりも頭の中で忙しく働いているのです。
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