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「心のゆとりは経済力に比例する」結局ウソなのホントなの?

LIMO / 2020年6月13日 19時15分

「心のゆとりは経済力に比例する」結局ウソなのホントなの?

「心のゆとりは経済力に比例する」結局ウソなのホントなの?

「リッチでも寂しい」VS「お金なくてもハッピー」

2020年5月末、新型コロナ感染症(COVID-19)の感染拡大防止を目的として全国に出されていた緊急事態宣言が、ようやく解除されました。
長らく続いた自粛生活は、多くの企業に収益減をもたらしています。経済産業省が毎月公表している「特定サービス産業動態統計調査(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/index.html)」の2020年4月分速報によれば、すべての売上高(※)が、前年同月比で減少となっています。こんな先行き不透明な今だからこそ考えてみませんか?

”お金”と“心”、その『豊かさ』の尺度はどこにあるのでしょうか。

※趣味・娯楽関連…「ゴルフ場」「ゴルフ練習場」「ボウリング場」「遊園地・テーマパーク」「パチンコホール」
教養・生活関連…「葬儀業」「結婚式場業」「外国語会話教室」「フィットネスクラブ」「学習塾」

「リッチでも寂しい」VS「お金なくてもハッピー」

最初に、対照的な2人の独身男性の話を紹介しましょう。

「お金はあるけど、不安も多い」(Aさん 36歳)

都心のタワーマンションに住み、日本人の平均年収をひと月で稼ぐほどのAさん。高級車を乗り回し、食事もセレブ御用達の名店が当たり前。仲間うちのパーティーや飲み会ともなると、すべてAさんが費用を負担するという羽振りの良さです。

そんな彼の悩みは「周囲の人をなかなか信用することができない」ということ。自分の周りには、常に人が集まってくるけれど、お金目的で色目を使ってくる女性や、怪しい儲け話を持ちかける人、借金を申し込むために近づいてくる人が後を絶たないのだそうです。

もう少し地味な生活にしてみようかと思わないこともないけれど、「自分がお金を使うのをやめたら、みんな離れていってしまうのではないか」という漠然とした不安もあり、その生活スタイルを変えることを躊躇してしまうのだとか。有り余るお金を持っているわりに、リアルな『幸せ』を感じることは少ないといいます。

「お金はないけど、ストレスゼロ」(Bさん 42歳)

Bさんは、いわゆるフリーター。数年前まで会社勤めをしていましたが、スパッと辞めて以来、週何日かのアルバイトと会社員時代の貯金だけで暮らしています。年収でいえば100万円ほど。資産と呼べるものは、親が残してくれた一戸建てだけ、というシンプルな生活。でもBさんは「自由で気楽」と言い、毎日を楽しんでいます。友人との集まりも気が乗らないときはパス。気の置けない仲間とだけ付き合うようにしているので、人間関係にまつわるストレスもないといいます。

「幸せかそうでないかと言われれば、自分は『幸せ』だと思いますね。決してリッチではないですけれど、生活の心配をするほどでもなく、終の住処もあるので住居費のために働く必要もない。好きなように生きて、人間関係の不安もストレスもゼロ。満足ですよ」とBさんは笑います。

お金があっても日々不安を感じる人と、お金がなくても心穏やかに過ごせる人。両極端ともいえる2人のエピソードから、「幸せ」と「お金」の量はかならずしも比例しないのではないか?と感じる部分もあるような・・・。

みんなはどう感じているのでしょう。次では「豊かさの実感」に関するみんなのホンネに迫ります。

データに見る日本人のホンネ

ここで「お金と幸せの量は比例するのか、しないのか」について、調査データをもとにみんなの意識をみていきます。「お金のことで夫婦喧嘩になることが多い。」「もう少しウチに金銭的余裕があったらいいのに、とつい考えてしまう」というのもよく聞く話。

『経済的な豊かさ』と『心の豊かさ』について、みんなはどのように考えているのでしょうか。金融広報中央委員会が運営する「知るぽると」の『家計の金融行動に関する世論調査(令和元年度)』の結果をみていきます。

経済的な豊かさの実感

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金融広報中央委員会の資料をもとに編集部作成  ※四捨五入の関係上、各割合の合計が100%にならない場合があります。


経済的な豊かさを「実感している」「ある程度実感している」とする世帯の割合が、二人以上世帯に比べると単身世帯で低い傾向にあります。特に、「全く実感していない」の割合が二人以上世帯の2倍近くあります。

心の豊かさの実感

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拡大する(/mwimgs/2/8/-/img_2813da282525e9e9d973314fbcba2d8428954.jpg)

 

金融広報中央委員会の資料をもとに編集部作成

心の豊かさを「実感している」「ある程度実感している」とする割合は二人以上世帯で高い傾向にあります。一方の単身世帯では、「あまり実感していない」「全く実感していない」の割合が高く、特に「全く実感していない」人の多さが際立ちます。人生のパートナーの有無が、経済力にも心の豊かさにも、少なくない影響を与えるといえそうです。

経済的な豊かさを実感する条件

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拡大する(/mwimgs/2/2/-/img_22291ba10f15815b209a54e05551a81e33073.jpg)

金融広報中央委員会の資料をもとに編集部作成


経済的な豊かさを実感する条件としては、単身世帯、二人以上世帯ともに『ある程度の金融資産の保有』『ある程度の年収の実現』が高くなっています。やはり所有しているモノの量や質よりも、収入と貯蓄の大小が、豊かさの判断の基準になるということなのかもしれません。

心の豊かさを実感する条件

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拡大する(/mwimgs/b/6/-/img_b67cc0f283105ebfe2c4738aab4461ae45895.jpg)

金融広報中央委員会の資料をもとに編集部作成

一方、心の豊かさを実感する条件としては、単身世帯では『経済的な豊かさ』『健康』『趣味の充実』、二人以上世帯では『健康』『経済的な豊かさ』『家族とのきずな』が高い割合を占めています。ただ、いずれにしても、『経済的な豊かさ』『健康』が上位にきているというところから見ると、『心身ともに元気であること』と『お金の余裕』が、『心の余裕』に繋がっているということができるかもしれません。


まとめ

みなさんの幸せの尺度は何でしょうか。経済的な豊かさが幸せに直結するとは限りませんが、やはり心の豊かさには少なからぬ影響を与えるようです。エピソードのAさんとBさんはシングル男性。「Aさんにステキなパートナーが現われたら」「Bさんに親が残した戸建てがなかったら」ちょっと違う結論になっているかもしれませんね。

【参考】
「特定サービス産業動態統計調査(2020年4月速報)(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/index.html)」経済産業省
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和元年調査結果(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/)」 知るぽると 金融広報中央委員会
「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和元年調査結果(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2019/)」知るぽると 金融広報中央委員会
 

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