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人生の大きな選択が迫る高校3年生。知っておきたい進路による「収入格差」

LIMO / 2020年6月15日 20時15分

人生の大きな選択が迫る高校3年生。知っておきたい進路による「収入格差」

人生の大きな選択が迫る高校3年生。知っておきたい進路による「収入格差」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大防止対策の休校は終わり、徐々に授業が再開しています。そんな中、子供の学力の遅れが心配な親御さんは多いのではないでしょうか?そのような中、高校3年生は進路選択を迫られています。

進学か就職か?進学の場合、大学か専門学校かを決めなくてはなりません。その際、学歴別の初任給や職業別収入が分かれば判断材料が増えます。学歴別、業種別、規模別の年収はどうなっているのでしょうか?退職金や年金の平均も併せてみていきましょう。

学歴別初任給は?

「高卒と大卒とでは給料が違う」という一般的な認識はあっても、その根拠はあまり知られていません。厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/19/01.html)」にその実態が記されています。

学歴別にみた初任給【男女計】
大学院修士課程修了:238,900円
大学卒:210,200円
高専・短大卒:183,900円
高校卒:167,400円

学歴別にみた初任給【男性】
大学院修士課程修了:239,000円
大学卒:212,800円
高専・短大卒:184,700円
高校卒:168,900円

学歴別にみた初任給【女性】
大学院修士課程修了:238,300円
大学卒:206,900円
高専・短大卒:183,400円
高校卒:164,600円

とある高校の進路説明会で、先生が「そもそも、どうして大学に行きたいのか?」と保護者に質問をすると「学歴が上がれば収入が上がるから」と答えていました。それをまさに実証しているデータです。

学歴別の賃金の平均は?

初任給後の賃金はどうなっているのでしょうか?厚生労働省大臣官房統計情報部「学歴別にみた賃金(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/dl/03.pdf)」を見てみましょう。

学歴別の平均賃金【男性】
大学・大学院卒:400,500円
高専・ 短大卒:313,800円
高校卒:291,600円

学歴別の平均賃金【女性】
大学・大学院卒:290,100円
高専・短大卒:258,200円
高校卒:212,900円

賃金ピークを年齢階級でみると、男性では全ての学歴において50~54歳が最大値です。

会社の規模別、業種別の年収は?

会社の規模や業種ではどう違うのでしょうか?国税庁「平均給与(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan1998/menu/03.htm)」にをみると、その差は歴然としています。

事業所規模別の平均給与【男女計】
従事員5,000人以上:6,370,000円
従事員10人未満:3,610,000円

事業所規模別の平均給与【男性】
従事員5,000人以上:7,590,000円
従事員10人未満:4,620,000円

事業所規模別の平均給与【女性】
従事員5,000人以上: 3,110,000円
従事員10人未満:2,510,000円

次は、業種別の平均給与を見てみましょう。

業種別の平均給与
化学工業:5,560,000円
金融保険・不動産業:5,550,000円
金属機械工業:5,550,000円
運輸通信公益事業:5,360,000円

退職金はあって当たり前ではない?

「退職金制度はあって当たり前」と思われがちですが、現実はどうなのでしょうか?厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/index.html)」によると、その割合は下記のように示されています。

退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合(規模別)
1,000人以上:92.3%
300~999人:91.8%
100~299人:84.9%
30~99人:77.6%

30人以下の企業は対象にもされていないのが現実です。
ちなみに、どんな業種なら退職金がもらえる割合が上がるのでしょうか?

退職給付制度がある企業(産業別)
複合サービス事業:96.1%
鉱業、採石業、砂利採取業:92.3%
電気・ガス・熱供給・水道業:92.2%

年金はどれくらい貰えるの?

老後の生活費となる年金は、どれくらいもらえるのでしょうか?平均額は、厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(https://www.mhlw.go.jp/content/000578278.pdf)」に記載されています。

平均年金月額
厚生年金保険(第1号):143,761円(男子:163,840円、女子:102,558円)
国民年金:55,708円(男子:58,775円、女子:53,342円)

進路を考えることは、将来の職業を考えること

我が子が働き始めれば初任給をもらい、仕事を続ければ給与が入り続けます。年収の概算が分かるだけでも、人生設計がしやすくなります。結婚や出産、子育てにかかる概算を知り貯金の計画を立てれば、不要な借金に手を出すリスクも減るのではなでしょうか?

お金のやりくりをどうするか?という知恵を授けることは、親のとても大切な仕事です。どう教えたら子供は聞く耳を持ってくれるのでしょうか?親が赤裸々に子供たちに「こんな風にすればよかった」「こうしておいてよかった」などといいことも悪いこともと現状を伝え、共有すればいいのです。残念ながら、学校でお金の教育はしてくれません。親が情報開示をして解決法を一緒に模索することも、大事な勉強の一つではないでしょうか?

参考

厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/19/01.html)」「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(https://www.mhlw.go.jp/content/000578278.pdf)」「平成30年就労条件総合調査 結果の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/index.html)」
厚生労働省大臣官房統計情報部「学歴別にみた賃金(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/dl/03.pdf)」
国税庁「平均給与(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan1998/menu/03.htm)」
厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(https://www.mhlw.go.jp/content/000578278.pdf)」

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