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7割の親が教育費に不安「大学卒業までに1000万円必要ってホント?」

LIMO / 2020年6月15日 0時5分

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7割の親が教育費に不安「大学卒業までに1000万円必要ってホント?」

子ども一人が大学を卒業するまでの約1000万円かかる、なんて聞いたことありますか?その準備が必要とは思いつつ、「本当にそんなにかかるの?」と疑問に感じている人もいるかもしれませんね。今回は、子育て中の家庭の多くが関心を持っている「子どもの教育にかかるお金」について、調査結果をもとに考えていきましょう。

「大学卒業までに約1000万円」ってホント?

大学までに必要な金額は、国公立/私立、どのような進学ルートとなるかによって異なります。「文部科学統計要覧[平成31年(2019年)版](https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/002b/1417059.htm)」によると、進学先の割合は以下のようになっています。

幼稚園から大学までの進学先の割合

• 幼稚園:国立0.4%/公立15.5%/私立84.1%
• 小学校:国立0.6%/公立98.2%/私立1.2%
• 中学校:国立0.9%/公立91.8%/私立7.3%
• 高校:国立0.3%/公立67.5%/私立32.2%
• 大学:国立20.9%/公立5.4%/私立73.7%

幼稚園は私立、小中高校は公立、大学では私立が多いという傾向が分かります。

進学・在学費用はいくらになる?

次に、国公立/私立の別による費用を確認しましょう。幼稚園~高校の費用は「学費」「給食費」「校外活動費(習い事、学習塾など)」を含む金額で、大学については「入学費用」「4年間の授業料」で算出されています。幼稚園~高校については「平成30年度(2018年度)子供の学習費調査の結果について(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)」、大学は「国公私立大学の授業料等の推移(https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_sigakujo-000003337_5.pdf)」(いずれも文部科学省)のデータをみていきます。

国公立学校の費用

幼稚園(3年間):67万941円

小学校(6年間):192万7686円

中学校(3年間):146万5191円

高校[全日制](3年間):137万2140円

大学(国立大学):242万5200円

大学(公立大学):254万7327円

私立学校の費用

幼稚園(3年間):158万3748円

小学校(6年間):959万2146円

中学校(3年間):421万9299円

高校 [全日制](3年間):290万9733円

大学(4年間):386万6569円

最も一般的な進学ルートで費用を計算すると

では、最も割合の多かった《幼稚園・私立→小学校・国公立→中学校・国公立→高校・国公立→大学・私立》を一般的な進学ルートとして、費用を計算してみましょう。

幼稚園・私立:158万3748円

小学校・公立:192万7686円

中学校・公立:146万5191円

高校・公立:137万2140円

大学・私立:386万6569円

合計で1021万5334円。やはり教育費は「子ども1人1000万円」という金額が目安として適切かもしれませんね。

国の支援制度も活用したい

2019年10月に「幼児教育・保育の無償化(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/index.html)」、2020年4月から「私立高校授業料の実質無償化(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1418201.htm)」と「高等教育(大学・専門学校等)修学支援新制度(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/index.htm)」が始まり、国の「3つの教育無償化」制度が出そろいました。この中でもとくに注目度が高い、「私立高校授業料の実質無償化」については下で触れておきましょう。

■「私立高校授業料の実質無償化」

2020年4月から、私立高校等についても就学支援金の上限額が引き上げられ、在校生を含めて高校に通う多くの生徒の授業料負担が軽減されることになりました。ただし、軽減されるのは「授業料」の部分。公立高校での軽減額は11万8800円、私立高校等の軽減額は39万6000円です。

私立高校(全日制)の場合は世帯収入に上限(年収目安:約590万円未満)もありますし、授業料がこれを上回る学校もあるでしょう。「施設拡充費」「寄付金」なども必要となる私立高校が多いようです。そのほか、公立・私立を問わず、通学定期券代や学校教材費、部活動費、塾の費用も含めて考えると、高校時代にはこれからも少なくない負担が待ち受けているといえます。

ウチだけではない!「教育費が不安」な親が7割

ソニー生命保険会社が実施した「子どもの教育資金に関する調査2020(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2019/nr_200327.html)」(全回答者1000名)によると、小~高校生の親の70.6%が教育資金に「不安を感じる(非常に不安・やや不安)」と回答。具体的な心配ごととしては、以下のような声が挙がっています。

「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」(56.8%)

「収入の維持や増加に自信がない」(37.4%)

「収入が不安定」(23.1%)

多くの家庭で教育資金に不安を感じていることが分かりますね。

知りたい!みんなの教育費準備事情

では、よそのお宅は、教育費として一般的に毎月どのくらい貯めているものなのでしょうか。同調査によると、平均で子ども一人あたり1万5776円/月という結果となりました(大学進学前の子どもの親754名による回答)。子どもが二人の家庭では3万円を超える金額が見込まれます。ただし、「0円」(28.5%)に最も多くの回答が集まり、「1万円~1万4999円」(20.2%)や「2万円~2万9999円」(16.4%)という二極化も見られています。

また同調査では、教育資金の準備方法についての設問もあり、下記のような結果が出ています。
(1)高校生以下の子どもの親

「銀行預金」(58.3%)

「学資保険」(42.5%)

「財形貯蓄」(11.8%)

「(学資保険以外の)生命保険」(9.2%)

「金融投資(株式投資や先物取引など)」(6.6%)

大学入学前は、銀行預金や学資保険で計画的に教育資金を準備している割合が多いようですね。

(2)大学等に進学した子どもの親

「銀行預金」(58.5%)

「学資保険」(49.6%)

「奨学金」(19.9%)

「財形貯蓄」(13.0%)

「教育ローン」(12.2%)

となっています。実際に大学等への進学を経験した家庭では、奨学金や教育ローンの割合が多くなっています。子どもの進学先を選択する際の条件に関する質問でも、「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい(計73.8%)」という意見が圧倒的に多く、子ども優先という姿が読み取れます。

貯め続けている夫婦に聞いてみた「挫折しないコツ」

大学卒業までの費用を準備していくには、親としてどのように取り組んでいったらいいのでしょうか。教育資金の貯め方について、2組の家族に聞いてみました。

先取り貯金で家計を仕組み化しているAさん夫妻

Aさんの家庭は給与天引きを柱に教育資金づくりをしています。家族の保険は最低限度に抑えて、火災保険とセットで会社の団体保険を利用中。この保険も給与天引きのため、貯金と保険、すべて先に差し引かれています。「家計を仕組み化できているので管理しやすいんです」と話してくれました。

学資保険を併用しているBさん夫妻

Bさん夫妻のお子さんは保育園と小学生。学資保険を利用しています。保険料という「半ば強制的な貯め方のおかげで貯めやすい」といいます。マイホームのローン返済もありますが、さらに毎月、コツコツと貯金もしているそう。家族のレジャーも欠かさず「貯蓄もバランスを重視しています」と話してくれました。

おわりに

子どもの教育費って結構かかるんですね。とはいえ、他の出費と比較すると、いつどれくらい必要かという計画が事前に立てやすい項目ではないかと思います。教育資金に限った話ではありませんが、放っておいてもたまる「貯蓄の仕組み」を作っておくと、挫折せずに貯めていける可能性が高いかもしれませんね。

また、教育費以外の出費について目を配ることも忘れないようにしたいところです。固定費の削減や効果的な節税方法などを意識しながら、家計全体のバランスを考えていきましょう。家族と長い人生を幸せに過ごせるように、定期的に貯蓄計画を見直してみることをおすすめします。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参考】
「文部科学統計要覧(平成31年版)(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/002b/1417059.htm)」文部科学省
「平成30年度子供の学習費調査の結果について(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)」文部科学省
「国公私立大学の授業料等の推移(https://www.mext.go.jp/content/20191225-mxt_sigakujo-000003337_5.pdf)」文部科学省
「幼児教育・保育の無償化(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/index.html)」内閣府
「私立高等学校授業料の実質無償化について(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1418201.htm)」文部科学省
「高等教育の修学支援新制度(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/index.htm)」文部科学省
「子どもの教育資金に関する調査(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2019/nr_200327.html#sec6)」ソニー生命保険会社

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