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「えー、知らなかった!」私立中学のお金事情。入学後に判った“必要経費”アレコレ

LIMO / 2020年6月18日 19時15分

「えー、知らなかった!」私立中学のお金事情。入学後に判った“必要経費”アレコレ

「えー、知らなかった!」私立中学のお金事情。入学後に判った“必要経費”アレコレ

コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大のための緊急事態宣言が全国で解除されました。子どもたちの学校も「3密」を避けた分散登校などを取り入れながら再開しています。決して“通常運転“とはいいがたい状態ですが、中学受験を考えているご家庭の多くは、すでに進路選択に向けた本格的なリサーチを始めている時期ではないでしょうか。

今回は「私立中学校」にかかるのお金についてみていきたいと思います。入学してから「そんなこと知らなかった!」と困惑しないために、ぜひとも心づもりを。

少子化でも根強い人気「私立中学」

一般財団法人日本私学教育研究所や文部科学省の調査結果によると、2019年時点で、全国の中学校総生徒数は,321万8137人(※1)。1986年の約610万6000人から減少を続け、過去最少となっています。学校数も、少子化・学校統廃合などにともない減少傾向に。一方、その中で私立中学が占める割合は、生徒数・学校数ともに7%台で微増を続けています(※2)。少子化が進む中、教育に関心を持ち私立中学への進学を視野に入れる家庭の割合は安定しているようです。

ちなみに、2019年度時点での私立中学生徒数の全国合計は23万9106人。上位10都府県は以下のようになっており、大都市とその周辺に集中していることが分かります(※3)。

1位・・・東京 7万5003人

2位・・・神奈川 2万4889人

3位・・・大阪 2万1146人

4位・・・兵庫 1万2197人

5位・・・千葉 9920人

6位・・・愛知 9680人

7位・・・埼玉 9293人

8位・・・京都 8783人

9位・・・広島 7372人

10位・・・福岡 7170人

受験準備から入学までにかかるお金

では、本題。実際の私立中学校に入学するまでに、どれくらいお金がかかりそうでしょうか。順を追ってみていきましょう。

一例として、「4年生から4教科・大手進学塾に通った場合」のデータを比較すると、単純に入学金・毎月の月謝を足し算しただけで約120~200万円という計算になります。多くの塾で、学年が上がるごとに費用が上がる傾向がある点や、夏期・冬期講習や勉強合宿などの追加費用も考慮しておきたいところ。お子さんの状況によっては、補習用の個別塾や家庭教師を併用した場合なども想定しておく必要があるかもしれません。

ホームページや入塾案内などで確認ができる以外の費用が発生することを前提として、6年生まで通った場合を見積もっていくと安心できそうですね。

また今後は、COVID-19の感染拡大状況次第で、オンライン授業の活用がウエイトを占める割合が増えてくる可能性があります。パソコンやタブレットなどのIT機器、そしてインターネット接続環境の整備にかかるお金も心づもりしておけるとよいでしょう。

では、実際に学校に支払う費用について、生徒数・学校数ともに全国1位の東京都のデータを参考例としてみていきます。以下

都内私立中学校181校を調査対象とした、東京都発表の「令和2年(2020年)度 都内私立中学の学費の状況(https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/12/11/04.html)」からデータをご紹介します。

受験料

2020年度、都内私立中学校の検定料(受験料)の平均額は2万3200円
午前・午後で試験を実施する学校や、同一校で複数回受験できる学校も増えています。併願の選択肢が増えるぶん、検定料だけで10万円程度が必要となることも想定しておきましょう。

初年度納付金

2020年度の初年度納付金(授業料、入学金、施設費及び学則上のその他納付金(※3)については、以下のような調査結果が出ています。
初年度納付金(総額)
・平均額・・・97万531円
・最高額・・・189万500円
・最低額・・・54万8000円

「初年度納付金(総額)97万531円の内訳」(※詳細・各費目)の平均額
・授業料・・・48万0950円
・入学金・・・25万8066円
・施設費・・・42万36円
・その他・・・18万9479円
※3「授業料」、「その他」は毎年度納付する費用、「入学金」、「施設費」は入学時に一括納付する費用
金額は、延べ学校数(コース等によって学費が異なる場合はそれぞれ1校として計算)の平均額

「3年間で必要な費用」(平均金額(上述)をもとに算出)

・1年次・・・97万531円
・2年次・・・67万429円(授業料48万0950円+その他18万9479円)
・3年次・・・67万429円(同上)
・3年間合計・・・231万1389円
となります。

以上は「東京都内の私立中学の平均値」となりますが、学校差がある点や、在学中の値上げなども考慮しておくとよいでしょう。興味を持った学校の説明会などには早めに参加してリサーチしておくことをおすすめします。私立受験をしようか、少しでも迷い始めた時点で、資金準備について意識しておくことをおすすめします。

授業料だけでは済まなかった!想定外の“必要経費”エピソード

ここまでご紹介したデータは、受験前にある程度の予想がつくお金ですね。ではここで、実際に子どもを私立中学に通学させた保護者のエピソードから、「入学後に知った想定外の出費」をご紹介していきます。

「集団クラスだけのつもりで通塾していましたが、「あと少しでワンランク上の志望校が狙えそう!」とのことで、勧められるままに個別指導も受講。6年生の秋以降は家庭教師も併用したので、加速度的にお金が減っていきました」

「入塾後に指定のタブレットを買うように言われました。自宅にあるノートパソコンでの代用は不可とのことでしぶしぶ購入。いつの間にか子どもが勝手にゲームのアプリを入れて遊んでいました。本末転倒!」

中学入学後

「年子の姉妹が、同じ私立中学に通っています。妹の学年から制服が変わり、姉のおさがりが使えなくなってしまいました…ああ、もったいない(涙)」

「初年度納付金をすべておさめたものの、“校風が合わない…”と息子が不登校状態になり、結局近所の公立に転校。『アンタにどれだけお金かけたと思ってるの!』と何度喉まで出かかったことか…」

「娘が筝曲部に入っています。自宅でも練習がしたい!と“マイ琴”をせがまれています。上手な先輩方はみんな自宅でも練習しているとのこと。値段はさることながら、置き場所もネックとなり、まだ踏ん切りがつきません」

「卒業時に担任の先生に記念品を贈ることになりました。公立小の感覚で、集金額はワンコイン?と思っていたところ、1人3000円とのこと。決して払えない金額ではないのですが、公立との差を感じましたね」

高校内部進学

「内部進学の場合、高校の入学金納入が秋だということを、2年生の終わりに知りました。結局、学資保険のお祝い金支払時期(2月)に間に合わず、定期預金を解約しました

「知人の息子さんの学校は、内部進学者は外部入学者の半額以下だった、と聞いて、我が子の学校もそんな感じかとばかり思っていたのですが、外部入学生とほぼ変わらない金額でガックリ・・・」

交際費

「上の子が公立中学に通っていたときは、ジーンズなどのラフな服装で保護者会に出ていましたが、私立の場合はそうはいきませんね。母親が学校に行くための洋服を買わねばならず、結構な出費になりました。」

休日に友だちと遊びに行くのにも、交通費やら外食費が必要となることが多く、おこづかいをアップせざるを得なくなりました」

「PTAの集まりのあと、“それなりのお店”でお食事をするというルールがあるようです。公立の小学校では、教室でペットボトルのお茶を飲みながら茶話会をする、というスタイルでしたのでとても驚きました。毎回結構な出費になるのですが、情報収集もかねて、毎回参加してしまいます」

いずれのエピソードからも、受験生向けの学校案内には書かれていない、予想外の“必要経費”が結構かかっていることがうかがえます。「ウチはウチ、ヨソはヨソ」と言える出費もありそうな気もしますが、学校納入金だけでギリギリになってしまいそう・・・という場合には、家計全体の引き締めや「本当に私立に通いきれるのかどうか」自体の見直しが必要かもしれませんね。

まとめにかえて

ステイホーム期間を通じて、子どもの教育についてじっくり考える時間が増えた、というご家庭は多かったことでしょう。オンライン授業などにみられる休校中の学習方法については公立・私立の別を問わず、学校や地域での格差が大きかったという声が多く聞かれました。家庭の教育方針やお子さんの性格に合う学校を考えたときに、「もしや私立かな?」と思い始めたら、費用面での準備だけは早めに始められることを強くおすすめします。

【参考】
(※1)「令和元年度学校基本調査(確定値)の公表について(https://www.mext.go.jp/content/20191220-mxt_chousa01-000003400_1.pdf)」文部科学省
(※2)「学校数の推移(http://www.shigaku.or.jp/news/school.pdf)」「生徒等数の推移(http://www.shigaku.or.jp/news/student.pdf)」一般財団法人日本私学教育研究所
(※3)「学校基本調査 令和元年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校《報告書掲載集計》 学校調査・学校通信教育調査(高等学校) 中学校(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%20%E9%83%BD%E9%81%93%E5%BA%9C%E7%9C%8C%E5%88%A5%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E3%80%80%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1&sort=open_date%20desc&layout=dataset&stat_infid=000031893742&metadata=1&data=1)」文部科学省
「令和2年度 都内私立中学の学費の状況(https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/12/11/04.html)」東京都

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