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おこづかいは小学1年生で始めるのがベスト? 最近心配な子どもの金銭感覚

LIMO / 2020年6月22日 10時0分

おこづかいは小学1年生で始めるのがベスト? 最近心配な子どもの金銭感覚

おこづかいは小学1年生で始めるのがベスト? 最近心配な子どもの金銭感覚

子どものころ、親からもらえるおこづかいに一喜一憂した経験がある人も多いことでしょう。子どもの頃は「おこづかい=もらってうれしいもの」という認識でしたが、親になり「おこづかいをあげる」立場になると、また違った価値観が生まれるのではないでしょうか。

今回は、子どもが成長していく過程で生じる「おこづかいはいつから?問題」にスポットを当てて深掘りします。子どもの金銭感覚を養うためには、いつごろからおこづかいをあげるのがベストなのでしょうか。

おこづかいは子どもの金銭感覚を養う最適な訓練

自分が何か人のためになることをしたときや、毎月自由に使えるお金として手にするおこづかい。“ごほうび”的ポジションに位置づけている家庭も少なくありませんが、実はそれ以上に重要な“学び”が得られるシステムでもあるのです。

“おこづかい”という言葉を聞くと、使うためにあるものというイメージが思い浮かぶのは子どもだけではありません。ですが子を持つ親であれば、「おこづかい=お金の管理について学ぶためのもの」という価値を認識しておきたいものです。

きちんと貯金できる能力を持ち、お金を使うべきか否かを判断できる大人に成長してもらうためにも、定期的に一定額のおこづかいをわたす制度を導入し、自分の判断でお金を扱う訓練をしたほうがよいでしょう。

自分の手元に今いくらあって目の前にある欲しいものを買うと残りがいくらになるのか

当たり前のことのように思えますが、こんな当たり前のことが身につかないまま大人になり、お金で苦労する人も少なからず存在するのが現実。自分の生活を身の丈にあったものにコントロールでき、必要に応じて貯蓄をし、借金で首が回らなくなるようなことのない人生を送ってもらうためにも、子どものうちにおこづかいのシステムで慣れさせておくべきと言えるのです。

「お金って無限にある!」と思っている子が増えている?

正常な金銭感覚を身につけさせるためには、“お金の流れ”を子どもに理解させる必要があります。ひと昔前までであれば、子どもと一緒に買い物へ行ったときに、現金をやり取りする光景を見せてあげることができました。

例えばスーパーへ買い物に行ったとします。お会計をするためにレジへ行くと、目の前で自分が欲しいと言って買ってもらったおやつが会計済みのカゴへと移され、そのおやつを含めた合計金額を親が支払う。自分が欲しいと言ったものに対して、親がお財布の中からお金を出して支払いをしている姿を間近で見られました

もちろん今でもその仕組み自体に変化はないのですが、現在は“キャッシュレス”が主流となりつつある世の中。そう、子どもの目の前で現金のやり取りをする機会がグンと減ってしまったのです。

お金のやり取りが具体的なかたちで子どもに見えないため、「お金って何? 欲しいって言えばいくらでも出てくるんじゃない?」という感覚に陥る子どもも。親が完全キャッシュレス派の家庭で育った子どもは、もしかしたら紙幣の種類によって価値が変わることなどもわからないまま大きくなるかもしれません。

「お金は欲しければいくらでも出てくる」という感覚のまま大人になってしまうと、将来子どもの人生に悪影響を及ぼす可能性もあります。おこづかい制度を活用して、“お金の価値”について学ぶ機会を設けてあげることも必要でしょう。

新たな一歩「小学校入学」を機におこづかいもスタート

おこづかい制度の重要性がわかったところで、本題となる“いつから”という部分に触れていきます。親によって考え方が違ったり、お金の専門家でも人によっても言うことが違ったりしますが、筆者や周囲の人の子育て経験を踏まえて考えると、おこづかい制度のスタートは子どもが小学校へ上がるタイミングがベストなようです。

小学校へ上がるころには、数字の概念がある程度理解できるようになっており、親との決めごとを守ろうとする気持ちや行動力も生まれています。また、親とベッタリだった幼児期にくらべ、小学生になると子どもだけの世界も大きく広がるものです。

今までとは違うまったく新しい生活が始まるタイミングは、親にとっても子どもにとっても“おこづかい”という新制度のスタートに踏み出しやすいときなのです。

このときに注意したいのが、ただおこづかいを与えるだけではなく、親子で決まりごとを作ることです。

おこづかいを使い切っても、次のおこづかい日まで補充はしない

学校で必要なものや生活必需品は親が買う

子どもが自分のおこづかいで買ったものには口出ししない

など、おこづかいの使い方について親も子どもも振り返りができるようなシステムを作っておくと、おこづかい制度の運用がしやすくなります。

カナダのトロント大学で行われた研究(https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/016748709190042R)では、おこづかい制度がある家庭の子どもは、そうでない子どもよりもお金とクレジットカードの関係をよく理解しており、金銭感覚にすぐれていたという結果が出ています。小学生になるタイミングでお金に関する学習を進めることは、大人になってお金で失敗しないための大切な種まきだと言えるでしょう。

「おこづかい制度を導入したいけれど、いつから始めればいいかわからない」と悩んでいる人は、ぜひ子どもが小学校へ上がるタイミングで始めてみてください。

まとめ

おこづかい制度は、必ずやらなければいけないものではありませんし、現にすべての親子が行っているわけではありません。しかし、大人になって自分でお金を稼ぐようになる前に正しい金銭感覚を身につけておくことは、自らの人生設計を考える力にもつながっています。定期・定額のおこづかいはそのための、いたって簡単に導入できる学習方法と言えるでしょう。

きちんとお金の管理ができる大人になってほしいと願うなら、子どもが小学生になるころからおこづかい制度を導入し、お金の概念について学ばせてあげるのがベターではないでしょうか。

【参考】
Rona Abramovitch, et al. 1991. "Children and money: getting an allowance, credit versus cash, and knowledge of pricing.(https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/016748709190042R)" Journal of Economic Psychology 12:27-45.

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