幸せなはずの「妊娠」「出産」「産後」実母がストレスなのはおかしい?
LIMO / 2020年6月19日 20時45分
![幸せなはずの「妊娠」「出産」「産後」実母がストレスなのはおかしい?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_17866_0-small.jpg)
幸せなはずの「妊娠」「出産」「産後」実母がストレスなのはおかしい?
妊娠・出産やその後の育児生活は、特に初めての子どもを持つママたちにとって、心配なことや不安になることの連続です。そんな時、一番身近な先輩ママとして、自分の母親を頼りに思う人も多いでしょう。ところが中には、その実母からの心無いひと言に傷ついたり、親世代の考えを押し付けられてストレスを抱えたりしてしまう人もいるようです。
今回は、出産や育児にまつわる実母とのやり取りでストレスを感じたという女性たちのエピソードをご紹介します。
頼りにしていた実母から告げられた「つわりは怠けの証」のひと言
Aさんが妊娠したのは、33歳の時。妊娠検査薬を使う前から「こんなに体調が悪いなんておかしい、絶対に何かある」と思うほど、酷いつわりに悩まされていました。妊娠がわかってからも、食事をほとんど摂れない時期が続き、ご主人の勧めもあって、派遣契約の満期を待たずに退職を決めたそうです。
退職した後は、起き上がることすらきつい毎日。あまりの辛さに、泣きつくような思いで、実母へ電話をかけたといいます。娘の体調を心配して優しい言葉をかけてくれると思いきや、実母がAさんに欠けた言葉は、意外なものでした。
「つわりなんてそんなもの、嫁勤めをしていたら、気持ち悪いと感じる暇もないよ!おばあちゃんが妊娠中だからって特別優しくしてくれるような人じゃなかったせいで、私は大きなお腹を抱えながら、いつも気を張っていたからね。あんたは仕事も辞めて義理の両親の世話もせずに怠けているから、そんな風に思うんじゃない?」
いわゆる「長男の嫁」であるAさんのお母さんは結婚以来、Aさんの祖父母と同居して、娘の目から見ても相当の苦労をしてきている人でした。つい数年前に祖母が亡くなるまでは何かにつけて義両親の顔色を伺う毎日で、普段から祖母に対する愚痴をAさんにもこぼしていたぐらい。
「母からすれば、次男の嫁で、義実家も遠方にあるために年に数回程度しか義両親と顔を合わせない私は、ずいぶんと楽をしている嫁に見えたのかもしれません。だからといって、このタイミングで言わなくても…。今思えば、私の結婚前に母が度々『自分は嫁として若いときから苦労を重ねていたのに、同じ年頃のあんたは自由に遊んで楽しく暮らしていて羨ましいわ』と冗談めかしてぼやいていたのですが、もしかしたら、あれは本心だったのかもしれません。」と語るAさん。
もしかしたら、Aさんのお母さんは、自分より恵まれている娘に対して、ずっと嫉妬心を抱いており、妊娠報告を機に本音がでてしまったのかもしれませんね。
母乳が出づらいことで悩んでいた当時、母から言われたデリカシーのない言葉
里帰り先の母乳育児を推奨する産院で出産したBさんは、産後思うように母乳が出ないことで悩んでいました。ミルクを足しても赤ちゃんの体重がなかなか増えず、退院後も母乳外来へ通って指導を受けていましたが、産後の疲れが取れない中で悩み続けて心身ともにかなり参ってしまっていたそうです。
「実家に帰ってからも、私がなんとか赤ちゃんのために母乳の量を増やそうと必死になっているところへ、母はことあるごとに『母乳が少ないなんて、私はそんなことで悩んだことなかったのになー』と、デリカシーのない言葉を投げかけてくるんです。自分自身が余裕のない状態だったのも相まって、どんどんイライラが蓄積していった気がします。最終的には、母と顔を合わせたくなくて、自宅に帰る直前には、ほとんど自分の部屋にこもって育児をしていました。」
そんなBさんですが、数年後に冷静になって考えると「そういえば、母って昔からあんな感じだった。」と思い至ったのだそう。「人が真剣に悩んでいるのに、全く共感せずに『なんでそんなことで悩むの』なんていうんですよね。子どもの頃は、自然と聞き流していたんですけれど、産後の寝不足や情緒不安定など、心身の弱り切った状態だったからこそ、普段ならスルーできるような言葉まで真に受けて、落ち込んでしまったのかもしれません。」
Bさんのお母さんは、自分の娘ゆえの気安さで、他人には言えないようなこともぽんぽん言ってしまうタイプの人だったのかもしれませんね。
抱き癖が付いたらいけない…古い育児ルールを押し付けてくる母の言葉に
何事も「十年一昔」と言いますが、その「何十年も前の育児ルール」を押し付けてくる実母との衝突に疲弊してしまうママも少なくありません。
代表的なのは、「抱き癖、抱っこ癖がつく」という考え方。
一人目の子を妊娠中、「おばあちゃん世代って、すぐに『抱き癖がつく』って言うんだよね」と周囲のママたちから聞かされていたCさん。子どもが産まれ、実家へ帰省した時のことです。案の定、母親から「あんたは子供が泣くたびに抱っこしているけれど、そんな風に育てていたら抱き癖がついてしまうよ」と指摘されてしまいました。
「実際に自分が言われるとチクリとくるな」と、モヤっとしましたが、相手は実の母。今後のこともあるし、ここで気まずくなるのは避けたい…。そこでCさんは一計を案じました。
場所見知りも落ち着いた頃合いを見計らって、何かと理由をつけては実母に子供を抱っこさせたのです。抱かれるたびに、ニコッと笑顔を見せてくれる孫の姿に、甘えん坊になりすぎるのを心配する気持ちなんて吹き飛んでしまった様子。最終的には「こんなにかわいかったら、抱き癖がついたって仕方ないね」と嬉々としていたそう。
また後日、Cさんが、実母の機嫌のいい時を狙って、「助産師さんたちからも、たくさん抱っこすることで愛情が伝わるとアドバイスされたこと」、「抱き癖がつくという考え方は過去のもの」だということを、説明したところ、孫をかわいいと思う気持ちも手伝ってか、それ以降、実母から抱き癖についての指摘はやんだそうです。
子供の成長を一緒に喜びながら見守ってもらえるような関係
ナイーブになりがちな産後の時期に、実の母親から、心無い言葉を浴びせられたり、一方的に意見を押し付けられることで、イライラしてしまう人は、意外に多いようです。
「子供を一人、あるいは何人も産んで育て上げた」という自負のあるお母さんの立場になって考えてみると、娘の妊娠中の生活や育児に思うところがあるのかもしれません。でも、娘の立場からすれば、「もうちょっと気を遣ってよ。」と思ってしまいますよね。
ただ、ある程度年齢を重ねてしまうと、なかなか人は変わりづらくなるともいいます。そこは、娘のほうから上手に現代の妊娠・出産や育児の常識、自分の考え方などを伝えるようにして、子供の成長を一緒に喜びながら見守ってもらえるような関係を築けていけるといいかもしれませんね。
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