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老後に本当は、お金がいくら必要なのか?

LIMO / 2020年6月20日 20時10分

老後に本当は、お金がいくら必要なのか?

老後に本当は、お金がいくら必要なのか?

新型コロナウイルスの影響によって私達の働き方、生活スタイルは随分と変化しました。在宅勤務や自粛要請によって自宅にいる時間が増えたことで、これまでの価値観も大きく変化したという方も多いのではないでしょうか。

新型コロナで皆さんの中では、「遠い記憶」となっているかもしれませんが、「老後2000万円問題」からちょうど1年。今回はあらめて、「老後2000万問題」をおさらいし、コロナ時代のお金との向き合い方について考えていきたと思います。

老後2000万問題の根拠となる計算とは?

そもそも「老後2000万円問題」の「2000万円」はどこからきたものでしょうか。

金融庁の資料をあらためて見ていきましょう。

「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 『高齢社会における資産形成・管理』」をみると、高齢夫婦世帯(夫65歳以上妻60歳以上)がモデル世帯となっていることが分かります。

その高齢夫婦世帯は、毎月の収入(主に年金収入)が約21万円に対し、支出(食費などが大きい)が約26万円で、その差額が毎月の家計の「赤字(キャッシュアウト)」、約5.5万円となります。

仮に、老後が30年続くと仮定するとキャッシュ流出合計は

5.5万円×12ヶ月×30年=1980万円

計算式はあっさりしているのですが、金額が大きいので、これだけを見るとびっくりしてしまいます。

あなたの老後はカツカツでいいの?!

2000万円という金額を見てびっくりしますが、老後の生活費ははたらいている間にはなかなか想像ができません。

では、皆さんは老後のお金の使い方についてはどう考えているのでしょうか。

生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年度)」のアンケート結果によると、ゆとりのある老後の生活費として必要な金額が月当たりで平均で36.1万円となっています。

老後の高齢夫婦世帯の月の収入が約21万でしたが、ゆとりある老後を過ごそうと考えると毎月の赤字は約15万となり、老後が30年続くと

15万円×12ヶ月×30年=5400万円

こんな大きな金額なの?!と驚かれる方も多いと思います。この計算式通りだとすると、「老後2000万円」といわれびっくりしたものの、2000万円では到底追いつかない金額であることがおわかりいただけるでしょう。

ただし、先程のアンケートでは、ゆとりある老後の生活費の使途の大部分は、「旅行やレジャー」が最も多く、「趣味や教養」「日常生活費の充実」と続いていることから、みなさんがどんな老後を過ごしたいかで必要な金額は大きく変わってくるということもわかります。

ゆとりある老後が30年も続けないという方もいるでしょうから、仮に、先の計算で「ゆとりある老後」を20年続けるとすると、以下のようになります。

15万円×12か月×20年=3600万円

先ほどの5400万円から随分と金額は減少しましたが、それでもまだ2000万円どころではありません。

せっかく時間が自由になるのならやりたいことを色々やっておきたいと思うのは誰しも同じですが、そのためにはお金の準備が必要なようです。

コロナショックで老後の仮想体験!?

今回のコロナショックの影響で、我が家も在宅ワーク、自粛と、自宅での滞在が当たり前になりました。早くも老後を迎えるとこうなるのかという体験が出来たような気もしています。

このような状況で生活スタイルがどう変化したかと言いますと、家の住環境によりこだわるようになったといえます。

たとえば、少し値が張ってもおいしいお米やコーヒーがほしい、コーヒーなら家で挽いて飲みたい、部屋の大規模な模様替えがしたい、趣味や資格を取りたいなど、より「日常生活費」を充実させたいという思いが強くなりました。

さて、先ほどのアンケートで注目していただきたいのが、「ゆとりある老後の生活費」として平均36.1万円という数字をもとに老後に不足する資金を計算しましたが、「月40万円以上ほしい」と回答した方が3割弱を占めているという点です。3割というのは決して少なくない割合といえるでしょう。

もっとも「毎月40万円以上欲しい」というのと「老後に毎月40万円以上使える準備ができる」というのは必ずしも同じではないのには注意が必要です。

いずれにせよ、老後に入って自分が描いてきた老後と実際の老後にギャップがあるとがっかりしてしまう可能性も否定できません。そのためには、働いているうちに老後資金の準備はしておきたいものです。

まとめにかえて

今回はゆとりある老後を送るためにはいくら必要なのかについて掘り下げてみました。

どんな老後を過ごしたいかで必要になる金額は、個人差がありますが、異なるということです。今一度自分だったらいくら必要なのか、じっくり考えてみる必要がありそうです。

新しい生活様式を取り入れざるを得なくなった今こそ、今後の人生の過ごし方について、そして老後の過ごし方についてゆっくり考えていただく機会になれば幸いです。

参考資料

金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 『高齢社会における資産形成・管理』」(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)

生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年度)」(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/r1hosho.pdf)

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