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育てやすい子を持つママ友より、苦労している自分の方がエラい? 歪んだ感情の行く先

LIMO / 2020年6月29日 10時0分

育てやすい子を持つママ友より、苦労している自分の方がエラい? 歪んだ感情の行く先

育てやすい子を持つママ友より、苦労している自分の方がエラい? 歪んだ感情の行く先

どんなに毎日が大変な子育て中でも、他者からの共感で救われることがたびたびあります。「私もそうだよ」「わかる、辛いよね」といった言葉をかけられるだけで心がふわっと軽くなり、「よし、頑張ろう」と前を向けたというのは多くの親が経験してきたことではないでしょうか。

しかし、そんな子育てに関する共感を過度に求めてしまう結果、自分の心をすり減らしたり疲弊してしまったりすることも珍しくありません。筆者の場合、仲の良かった友達との間でもそうした出来事が起きてしまいました。

生後2カ月から7時間睡眠、家事育児も夫婦で完全折半のママ友

お互いの子ども同士の誕生日が1カ月しか違わない友人A。出産予定日が近かったため、子どもの成長過程に応じて子育ての悩みや相談について頻繁に連絡を取っていました。

しかし、それぞれの育児を取り巻く状況はまったく違います。夫が激務のために土日も含めて常にワンオペ育児をしている筆者と異なり、Aは旦那さんと家事育児を完全に折半。保育園のお迎えから寝かしつけにいたるまで旦那さんが週の半分程度を担い、Aは平日夜に友達と飲みに行ったり映画を観たりして深夜に帰宅する日も珍しくありません。土日も月に1、2度は旦那さんにまるまる預け、自由に行動ができているそうです。

また、子ども自体の状況もまるで違いました。1歳10カ月になっても夜泣きがたびたびある筆者の子どもと違って、Aの子どもはほとんど夜泣きをしないそう。生後2カ月のときにはすでに7時間連続で寝てくれるようになったため、Aから「産後に寝不足になったことがない」と吐露されたときには心底驚いてしまいました。

また筆者の子どもが徐々にイヤイヤ期に突入している今も、Aの子どもはまったくそんな素振りはないんだとか。夫婦でしっかりと家事育児分担をし、典型的な「育てやすい子」を育てている家庭なのです。

「いつも体調崩してるよね」という一言にモヤモヤ

そんなAとは異なり、常に子どもにかかりっきりの筆者。先日、子どもに多く発症する夏風邪の一種に罹ってしまいました。子どもが保育園の誰かからもらってきた夏風邪が筆者にも移ってしまったのです。大人が罹ると重症化する夏風邪によって、筆者は高熱にうなされ、激しい咳が続いて声も出ない日々が約1週間程度続きました。

そのタイミングでたまたまAとメールをしていたため、「子どもから夏風邪が移っちゃってさ~」と世間話として状況を話したところ、Aからは「なんか、いつも体調崩してるよね」という返事が返ってきました。

その時、筆者は思わず「Aにはこの大変さがわからないだろうよ」とモヤモヤとして気持ちを抱いてしまいました。その後、新型コロナウイルスによる保育園登園自粛などの話が出てAから「子どもが保育園に行けない2カ月、大変だったよね」といった話が振られても、筆者のモヤモヤは続きます。

筆者の中には「子どもの育てやすさも夫婦間の家事育児分担も私のほうが大変なのに、同じ土俵で育児の辛さを感じてほしくない」といった心の狭さが確実に存在していたのでしょう。そしてそれに気付いた時、自分自身がものすごく浅ましい人間に思えて悲しくなりました。

「私よりあなたのほうがすごい」と言ってほしかった?

筆者は心のどこかでAのことを「自分よりも頑張っていない」「楽している」として、どこかで見下していたのかもしれません。だから「いつも体調崩しているよね」という言葉をAからの心配と捉えずに、「バカにされた」と感じたのでしょう。そして「あなたのほうがすごい」と思ってほしかった自分にも気付きました。

夫婦で分担しているAよりワンオペの自分のほうがすごい。育てやすい子どもより育てにくい子どもを育てているほうが偉い。同じ子育て当事者なのに、そうやって勝手に優劣をつけていました。AにもAなりの家庭の事情や大変さがあるだろうことを想像することもなく。

同じような現象は、ウイズコロナ時代にも頻繁に起こっています。コロナの感染がじわじわと広がり始めた頃には、「自分が頑張っているのに、あいつは自粛を頑張っていないから罰しろ」「自分が大変な思いをしているのに、あの人は楽しそうにしていてズルい」といった怒りの感情が多くの人の心に渦巻いていたようでした。

そうした怒りの感情を抱く人の多くは、もちろん感染拡大防止を憂慮していました。しかし、中にはただただ自分より苦労をしていない人への苛立ちがあり、「自分と同じように苦しめ」といった歪んだ感情もあるように思えます。

筆者のAへのモヤモヤも、コロナ禍におけるそうした歪んだ感情も、日本人特有の同調圧力がネガティブな方向に大きく影響しているとも言えます。子育てもコロナとの向き合いにも、「自分が苦しいから他人も苦しまなければおかしい」ではなく、「自分の楽しさや嬉しさを他人にも共有しよう」という”ポジティブな同調圧力”が問われているのかもしれません。

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