比べてへこむ…インスタ映え育児の友人と行動してわかった「現実の平凡さ」
LIMO / 2020年7月4日 10時45分
比べてへこむ…インスタ映え育児の友人と行動してわかった「現実の平凡さ」
SNSの発達により、離れていても友人や家族のリアルな生活を垣間見ることが簡単になってきました。しかし、その中には時として「知らないでいたかった」と思うようなものが含まれることもあるようです。
また、子育てをしているとなかなか出歩くこともできずに人の投稿を見て「あの人はあんなに輝いているのに」なんて落ち込んでしまうことも。SNSと実社会。上手なバランスとはどのようなものなのでしょうか。
離乳食までお洒落なママ友
現在、3歳のお子さんを育てるHさんは、里帰り中の母親学級でKさんというかわいらしくお洒落な女性と知り合いました。彼女はSNSも小まめに発信するタイプで、同時期に出産するHさんにとって知りたい情報や楽しそうな風景をたくさんアップしてくれる存在でした。出産後はなかなかタイミングが合そろわないで会えず、もっぱらSNS上でやりとりをすることが増えた二人。お互いの子育てをネット上で見合う関係になっていったといいます。
出産からしばらく経ち、毎日の赤ちゃんのお世話でヘトヘトになっていたHさん。お子さんの離乳食が始まるとその苦労はますます増していったそうです。
「食べムラがある我が子との離乳食タイムはとにかく苦痛でした。食べないだけでなく、たまに気分が乗って食べてくれてもテーブル周りはぐちゃぐちゃ。後片付けの辛さからいつもこの時間が嫌で嫌で。そんなとき、ふとSNSを覗くとKさんの彩り豊かな離乳食が目に入りました」
そこにはかわいく工夫された離乳食写真がズラリ。しかも「大喜びで今日も完食」といった幸せいっぱいのタグがついていたそう。苦戦する自分の離乳食タイムとあまりにかけ離れた彼女の投稿に「かわいく工夫しない自分のせいで我が子はなかなか離乳食を楽しめないのではないか」と落ち込んでしまったそうです。
全てが充実して見えるママ友の投稿
その後も、お子さんのイヤイヤ期や自分の産後太りなどHさんが悩んでいるタイミングでKさんは輝かしい投稿を次々とアップ。「今日もしっかりママのいうことを聞けたね」「子供がお昼寝のタイミングでエクササイズ」など、全く意図していないとわかっていても「同時期に出産したのに向こうはあんなに輝いた日常を送っている」と落ち込んだそう。
「彼女は全く悪くないと頭ではわかっているのですが、あまりに彼女の投稿が眩しくて、きれいな身なりをしていない自分や、私のいうことなんか何も聞かない息子という、あまりの生活の違いに愕然とするというか。以前は育児で困ったことなどあるとSNSに書き込んで先輩ママから意見をもらったりしていたのですが、その空間に彼女がいることで「こんなダメダメな私をみせるのが恥ずかしい」というところまで来てしまい、だんだんと投稿しなくなってしまいました。
落ち込むHさんを見かねたご主人は「しばらくアカウントを開かないでみたら?」とアドバイスをくれたそう。彼女も人と比べて落ち込む生活に疲れていたため、子育てしている人とネット上で交流することから離れてみることにしたそうです。
彼女の映えない姿
しばらくSNSと距離を置いたことで劣等感が和らいだというH さん。すると、Kさんから「最近更新していないみたいだけど元気にしてる?」と連絡がありました。近々里帰り予定があり精神的にも少し余裕があったため、児童館とランチの約束にオーケーしたHさん。すると、彼女の前に現れたのは少しふっくらとしたKさんだったといいます。
「服装は相変わらずおしゃれではありましたが、体形などは私とそんなに変わらず。また、『手のかからないいい子』だと思っていたお子さんは、児童館に入るなり大暴れ。一緒に入ったファミレスでも好き嫌いも激しいようで…あれ?と思いました」
実際に会ったのはHさんとなんら変わらず、育児に必死な女性だった。画面越しに見ていた彼女は自分の勘違いだったのか?と思ったHさんでしたが、帰宅してSNSを開くと驚きの投稿を発見しました。
「Kさんは私とのお出かけを早速アップしていました。ただ、画像は先ほど会った彼女を明らかに修正した写真。そして、暴れて他のお友達に迷惑をかけた事実は『大興奮で自分らしく振る舞う息子』、好き嫌いをしていた食事も『大好物をチョイスして幸せそう』など、一緒にいた人間からすると『そうだっけ?』とツッコミを入れたくなるような表現ばかり。それでようやく『あ、この人普段から事実を映えるように書き換えているんだ』と気づきました」
承認欲求は誰にでもあるもの
彼女が自分同様に子育てをし、特段変わった生活を送っているわけではないことに気づいたというHさん。それからというもの彼女の他の投稿も「今回も映えるように盛っているんだろうな」と思うようになり、比べて落ち込むことはなくなったそうです。
「私も幸せそう、頑張っているママと思われたい気持ちはあるので、彼女の行動はわからなくもありません。ただ、画面の中で完璧な自分と現実の自分のギャップなどを感じてむなしくなることはないのかな、と私は思ってしまいます」
ネット上で憧れられる自分でいたいか。はたまた悩みを共有し、励ましあいたいか。SNSの使い方は人それぞれです。ただ、今回のことでHさんは「すべてを映し出すわけではない一部の画像やコメントで相手の幸せを推し量り、自分と比べるのはやめよう」と思ったそうです。
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