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「楽して稼げる」職業? なぜ子供はユーチューバーになりたいのか

LIMO / 2020年7月9日 10時0分

「楽して稼げる」職業? なぜ子供はユーチューバーになりたいのか

「楽して稼げる」職業? なぜ子供はユーチューバーになりたいのか

7月は七夕に願い事をすることもあり、何かと親子で将来のことについて話し合う機会も増えます。短冊に将来の夢を書く子も多いことでしょう。

その「子供たちの将来の夢」に関する調査で、最近取り上げられることが多いのがYouTuber(ユーチューバー)です。将来の夢に関するランキングを参考にしながら、なぜ子供はユーチューバーになりたいのかを見ていきます。

インターネット調査で目立つユーチューバーの躍進

子供の将来の夢に関するランキングには、ざっくり言って作文コンクール系で集計したものとインターネットリサーチの2種類があります。

前者タイプである第一生命の「夏休みこどもミニ作文コンテスト」では、ユーチューバーは上位にランクインしていません。こうした作文系は保護者や学校の先生が目を通すこともあり、子供も”忖度”して本当の夢を書いていない可能性も考えられます。

また、NPO法人日本FP協会の「夢をかなえる」作文コンクールでも、小学生男子のランキングにユーチューバーが登場したのは、2017年度と2018年度でそれぞれ6位。しかし2019年度にはランクインしていません。

一方、インターネットリサーチでは大人の目を気にせず自由に答えられる面があります。ソニー生命調べの「第2回 中高生が思い描く将来についての意識調査2019」では、男子中学生の1位がユーチューバーなどの動画投稿者、女子中学生でも7位になりました。

2017年に行った第1回では3位と10位であったことを考えると、2年間でユーチューバーに憧れる中学生が増加していることがわかります。

加えて、大谷教育大学がネットエイジア株式会社の協力のもと幼児や小学生を持つ保護者向けに行ったアンケートのうち、「子供が就きたい職業」の項目では小学生高学年男児の将来なりたい職業でユーチューバーが1位になっています。

いつでも見れる身近な人気者

今は昭和時代のようにクラス全員が見るテレビ番組もなく、クラスの女子全員が熱狂的に応援するアイドルもいなくなりました。そこにユーチューバーが登場したことで、子供の嗜好の多様化が一気に進んだ感は否めません。

子供たちが憧れるユーチューバーは昔のテレビスターとは異なり、好きな時にスマホやタブレットで会える身近な人気者です。世間の注目を一身に集めたかつてのスターのように「きらびやかな場所にいる特別な存在」という雰囲気もなく、普通に街にいそうな人たちが楽し気なことをしてお金を稼いでいると子供の目には映るのでしょう。

また、テレビで活躍している芸能人が続々とYouTubeで自分のチャンネルを開設していることもあり、芸能人とユーチューバーの垣根が壊れてきています。

生まれた時からスマートフォンもある今の子供にとって、テレビで見るタレントとネット上で見るユーチューバーの境目はなくなりつつあるのです。

「遊びながらお金をゲットできる」

では、子供の間で人気者のユーチューバーはどのくらい稼いでいるのか。有名ユーチューバーの推定収入額はインターネットで検索すると出てきます。

そこで月収1000万円超えという数字を見れば、「自分もユーチューバーになって生活したい」「好きなことをして大金を稼ぎたい」と考える子供が増えてくるのは当然です。

筆者の子供たちのクラスメイトにも将来の夢をユーチューバーと公言している子が数人います。お気に入りのユーチューバーのチャンネルを毎日見ているというその子たちは、「自分でもできそう」「遊びながらやってお金をゲットできる」と口にしているようですが、台本作成や動画編集、音楽を入れる地道な作業が必要だということは良くわかっていない様子。

チャンネルの規模が大きくなればこうした作業を外注し経費が発生することや、注目を浴びることで新しいアイデアを出すプレッシャーにさらされ、定期的にコンテンツを更新しなくてはいけないユーチューバーの実情や努力はあまり表に出てくることはありません。

こうした大変さが分かれば、将来の夢として挙げる子供は少なくなるのかもしれません。

時代とともに憧れの職業は変わる

男子の間で、プロスポーツ選手は時代を越えて将来なりたい職業のランキングに入りますが、近年のなりたい職業アンケートでは、昭和の子供たちが憧れたパイロットやスチュワーデス(客室乗務員)がランクインすることはありません。

LCCの就航などにより客室乗務員の人員は増え「様々な難関を勝ち抜いた限定されたエリート」「容姿端麗で英語に堪能なモデルのような女性しかなれない」という超狭き門のイメージはなくなりました。

今の子供たちは「カッコいいからなりたい」というより、「自分の好きなことをやりたい」という考えが強いように感じます。ユーチューバーも自分が好きで、楽しそうな世界だからチャレンジしてみたいという気持ちを持つ子供が増えているのでしょう。

親としては子供の夢を誘導したり口出ししたくなることもありますが、子供たちが具体的に夢を語れるのは素晴らしいことです。ユーチューバーになりたいと我が子が言っても頭ごなしに否定せず、編集など裏側の作業があることも教えつつ職業としてのユーチューバーの現実的な姿を伝えることが親の役目かもしれません。

【参考資料】
「夏休みこどもミニ作文コンクール(https://event.dai-ichi-life.co.jp/campaign/minisaku/otona.html)」(第一生命)
「小学生『夢をかなえる』作文コンクール(https://www.jafp.or.jp/personal_finance/yume/syokugyo/)」(日本FP協会)
「第2回 中高生が思い描く将来についての意識調査2019(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2019/nr_190806.html#sec7)」(ソニー生命)
「幼児教育・小学校教育に関する保護者の意識調査(https://www.value-press.com/pressrelease/217020)」(大谷大学教育学部、調査協力:ネットエイジア)

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