ダメな自分との付き合い方。「いい子でいる」「頑張る」のはかえってダメージに!?
LIMO / 2020年7月17日 7時0分
ダメな自分との付き合い方。「いい子でいる」「頑張る」のはかえってダメージに!?
仕事、育児、家事と日々忙しくしていると、失敗したり、自分の弱点を見つけては「わたしってダメだなぁ」と落ち込むことはありませんか?
自分のダメな部分に落ち込みやすい人は、実は真面目で努力家。ダメな部分を直して、良き仕事人・良き妻・良き母・良き嫁になるために努力をしたり、目標に向かって頑張る人が多いでしょう。
この「頑張ること」は良い面もあるものの、実は今の自分を否定していることにもなりかねません。
「いい子にしてね」の呪い
仕事をしていても、家事や育児をしても、自分のダメな部分に落ち込むことはあるものです。一方で、それほど落ち込まない人や気にしない人もいるでしょう。その違いは性格の差もありますが、特に今の30~40代が子どもの頃には、「いい子にしてね」「ちゃんと~しなさい」と言われて育てられたことも関係しているのではないでしょうか。
子どもというのは好奇心旺盛な一方で、未発達や未経験のことも多いため、失敗や危なっかしいことも多いもの。一方で大人の言う「いい子」は、多くの場合「大人にとって都合のいい子」であることが少なくありません。
筆者も、学校で忘れ物をしたり、騒いでいた子が怒鳴られて静かにするよう注意されているのを目にして、「先生に怒られないように注意しよう」といい子でいるように心がけた記憶があります。
いい子を目指すことのリスク
いい子を目指すのはまた、自分の欲望や意見は飲み込んで我慢し、相手の言う通りにしてしまうというリスクを抱えています。そもそも「いい子にして」と言われなければ、ありのままの自分で自分自身にOKを出せる子に育つのです。
小さな頃から「いい子にしていて」と言われて育ったこの世代は、「いい子=評価される」という概念があるため、自分の失敗やダメな部分に弱いところもあるでしょう。少しでも自分のダメなところを見つけると、大きく落ち込み、「直さないと!」と思いがちです。
また、当時良く使われたのが「頑張れ」という言葉です。近年では「頑張っている人に頑張れとは言わない方がいい」という意見が注目を浴びましたが、それ以前は「頑張れ」という言葉は挨拶並みの頻度でよく使われたものでした。
しかし「頑張れ」という言葉は、気を付けないと「今の自分では不足しているから、理想に向かって努力すべき」と、今の自分を否定することにもなり得ます。いい子になるために頑張ってと育てられた30~40代は、自分のダメな部分を受け入れることが苦手と言えるかもしれません。
ダメな部分を「自分の一部」としてうまく使う
自分でダメだと思う部分、つまり苦手分野や弱点というものは、直そうと思って直せるわけではありません。そもそも直せる程度のものなら、苦手や弱点とまでは言わないでしょう。また、誰にでも苦手分野や弱点はあるものです。
苦手や弱点に対処するには、さまざまなアプローチの方法があります。避けたいのは、「見て見ぬふりをする」「なかったことにする」こと。それでは自分という人間が分かっていない状態ですし、本来手を出さなくてもいいはずの苦手分野にまで手を出してしまうことにもなります。
「直す」のも困難です。長時間かかり根気が必要ですし、直ったとしても得意にはならないでしょう。苦手分野を克服することに労力と時間をかけるより、得意なものや長所に時間を使いたいものです。
一つの手は、「苦手なものに時間や手間をかけない」「得意な人にお任せする」こと。何でもがむしゃらに頑張ればいいのではなく、自分の得意・不得意を見分けて何を選ぶか考えたり、自分のキャパシティーを考えて動くことは、仕事や家事育児をする上でも大切なことです。
もう一つ、自分の一部として上手く使うという方法もあります。そもそも自分が苦手で弱点だと思っていることは、本当ににマイナスな部分でしょうか。たとえば人見知りをするという事実はあっても、消極的と捉えるか慎重派と捉えるか、つまり「短所」と考えるか「長所」と考えるかは、人や状況、環境などによって異なります。
「長所や短所」「強みや弱点」というのは、単なる個々人の価値判断。実際は「人見知りである」という事実があるだけです。環境によっては強みにも弱みにも変わるわけですから、強みになる環境を選んだり、強みにできるときに活用すれば良いのです。
ダメなところをすぐに直そうとするのではなく、「自分の一部」と把握して、良いタイミングで活用すること。初めから「ダメだ」と価値判断をするのではなく、良い部分を見つけてみるのもおすすめです。自分という人間とうまく付き合っていくためにも、自分のダメな部分と向き合ってみましょう。
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