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「マスクしない!」は、個人の自由?着用拒否する人のおかしな「理由」と矛盾した「信念」

LIMO / 2020年7月22日 11時0分

「マスクしない!」は、個人の自由?着用拒否する人のおかしな「理由」と矛盾した「信念」

「マスクしない!」は、個人の自由?着用拒否する人のおかしな「理由」と矛盾した「信念」

大半の人がマスクを着用している日本では、熱中症の予防として、屋外で十分な距離を保ちながらマスクを外している人にまで怒鳴り散らす、過剰防衛な「マスク警察」が問題になっているようです。

一方アメリカでは7月11日、トランプ大統領が初めてマスクをつけて公の場に現れました。長い間、マスク着用を拒否していたトランプ大統領は「マスク着用拒否」を政治的に利用しているといわれています。

アメリカでは、マスク着用が政治的な分断を意味するものとなっています。もしアメリカで「マスク警察」などしたら、感情的に逆切れされ大騒ぎになってしまいます。

そんなアメリカの「マスク着用を拒否する人々」のちょっと変な理由と、矛盾した信念について探ります。

「下着をつけないのも、マスクを着用しないのも個人の自由だ!」

欧米人は基本的にマスクを着用することに抵抗を覚えています。しかし、世界中で多くの専門家がマスク着用を勧めている今、「社会的責任」という暗黙のプレッシャーを感じる欧米人も増え、嫌々ながらも様々なデザインのマスクを着用している人が目立つようになりました。

とはいえ、大統領自身が「私はマスクを着用しない」と公言し、長い間拒否し続つけていたことで、マスク着用していない=トランプ大統領支持者というイメージが広がりました。

もちろん健康上の理由でつけない方もいますし、逆にトランプ大統領支持者でもマスク着用している方もいますので、一概にはいえません。

一般的にみて、トランプ大統領支持者でマスク着用拒否する人の多くは、科学や専門家のいうことを信じず、個人の自由を訴える傾向があるようです。

例えば、トランプ大統領支持者が多いフロリダ州のパームビーチで行われた、マスク着用令に対する住民の意見聴取会でのこと。ある女性は「私がマスクをつけない理由は、下着をつけない理由と同じだ。”モノ”は呼吸しなくては...」と、述べました。これは夜のトークショーのホスト達やSNSなどで笑いのネタとして取り上げられていました。

矛盾だらけの信念

同様に、一部のクリスチャングループも科学を信じません。中には、ロックダウン中でも「神様が守ってくれる」と、マスクや距離も無視して礼拝を続けていた教会もありました。結局多くの感染者が出てニュースとなりました。

ペンシルベニア大学で宗教学/アフリカ学を教えるアンシア・バトラー教授は、NBC NEWSのオピニオン記事(※1)(https://www.nbcnews.com/think/opinion/trump-s-phoenix-megachurch-rally-proves-how-much-faith-face-ncna1231992)に「宗教活動は信心だけではなく、政治的な思想へも大きく影響している」、「長い間、 多くの(アメリカの)教会は神を敬うことの次に共和党主義でいることを教えている」、「マスクをしない信者は個人の自由を主張し、(共和党の)トランプ大統領に従っている」と述べています。

また、バトラー教授は「アメリカの信者は、しばしば聖書よりも個人の自由を重んじるようだ」と述べ、「もしクリスチャンが”自分を愛すように隣人を愛せよ”という聖書の教えを信じているのなら、マスク着用は難しい選択ではないはずだ」と科学だけではなく、聖書にさえも従っていないことを指摘しています。

他には、ジャーナリストのリズ・プランク氏がトランプ大統領の男性支持者にみるマスキュリニティ(男性性)とマスク着用拒否の関係を指摘しています(※2)(https://www.nbcnews.com/think/opinion/trump-s-coronavirus-mask-standoff-reveals-dangerous-ripples-fragile-masculinity-ncna1205441?icid=related)。

ホワイトハウス関係者によると、トランプ大統領は「マスクをする事を女々しく、脆弱の証」と思っているようです。

トランプ大統領を支持する白人男性の多くは、トランプ大統領は「Tough Guy(タフガイ)」だと憧れているといいます。トランプ大統領がマスクをしないことで、そのような男性支持者のマスク着用の機会を奪っているともいえるのです。

しかし、トランプ大統領がいう「強い男」とは、弱さを極端に恐れる時代遅れのステレオタイプ。一般的にステレオタイプの男らしさとは「(家族を危険から)守ること、(金、物、知恵を)提供すること」でしょう。マスク着用が感染予防になるといわれている今、マスクをしないことは「身近な人を危険から守る」という男らしさに反しているのでは、とプランク氏は矛盾を指摘しています。

それでもやっぱりマスクはしないのか?

ワシントン大学の健康指標・評価研究所のCOVID-19感染予想モデルによると、「アメリカでは10月までに、COVID-19 感染により17万9,000人以上の死者が予想される。しかし、少なくとも95%の人が公共の場でマスクを着用すれば、およそ14万6,000人強まで減らすことができる」とU.S.News(※3)(https://www.usnews.com/news/health-news/articles/2020-06-24/model-predicts-33-000-mericans-could-be-saved-if-almost-everyone-uses-masks)は報じています。

テキサス州では、コロナパーティに参加した30代男性がCOVID-19を信じなかった事を後悔しながら亡くなった、と報道されています。

世界中の医療従事者は疲れ果てて、市民にマスク着用を嘆願しています。

トランプ大統領も先週とうとうマスクを着用するようになりました。それでもまだマスク着用を拒否する人々は、多くの専門家の意見を無視し、個人の自由を主張し、矛盾した信念を貫くのでしょうか。今後の彼・彼女らの動向が気になります。

参考

(※1)NBC NEWS“Trump’s Phoenix megachurch rally proves how much faith and masks are now political”(https://www.nbcnews.com/think/opinion/trump-s-phoenix-megachurch-rally-proves-how-much-faith-face-ncna1231992)
(※2)NBC NEWS “Trump’s coronavirus mask standoff reveals the dangerous ripples of fragile masculinity”(https://www.nbcnews.com/think/opinion/trump-s-coronavirus-mask-standoff-reveals-dangerous-ripples-fragile-masculinity-ncna1205441?icid=related)
(※3)U.S.News “Model Predicts Tens of Thousands of Lives Could be Saved if Almost Everyone Uses Masks”(https://www.usnews.com/news/health-news/articles/2020-06-24/model-predicts-33-000-mericans-could-be-saved-if-almost-everyone-uses-masks)

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