トランプ家の2人の「女帝」、メラニア夫人とイバンカ氏の異なる野望
LIMO / 2020年7月24日 20時45分
トランプ家の2人の「女帝」、メラニア夫人とイバンカ氏の異なる野望
ここ数カ月の間にトランプ家に関する著書が立て続けに出版されています。
筆者の前回の記事(※1)(https://limo.media/articles/-/18195)では、6月に出版された、メラニア・トランプ夫人の以外な一面を露呈した一冊、“The Art of Her Deal: The Untold Story of Melania Trump”(https://amzn.to/325KtGq)(メアリー・ジョーダン著)から、メラニア夫人の策士ぶりについて紹介しました。今回は、メラニア夫人と継娘イバンカ・トランプさんとの関係について探ってみたいと思います。
バロンの将来とイバンカの提案
前述の書籍では、メラニア夫人がトランプ大統領就任後にトランプタワーに残り、別居しながら婚前契約書の書き換え交渉をしていたことが明らかになりました。
ワシントンポストのジョーダン氏の記事(※2)(https://www.washingtonpost.com/lifestyle/style/melania-trump-first-lady-book-art-of-her-deal-excerpt/2020/06/12/8e95551c-ab64-11ea-9063-e69bd6520940_story.html?itid=ap_maryjordan)によれば、トランプ大統領は退任後も、息子たちに任せてあるトランプ社に戻らないのでは、と噂されているそうです。そんなこともあり、新契約ではバロンさんが異母兄姉と同等の相続権利を得ることを明確にさせているということです。
特に現在、大統領補佐官を勤めている長女イバンカさんがトランプ大統領退任後にトランプ社で手綱を執ることになった場合、将来的なバロンさんの立場が不利にならないよう備えたいようです。
バロンさんはメラニア夫人の母国スロベニアの国籍も取り、バイリンガルということで、将来的には欧州で活躍出来るように考えているともいわれています。
しかしこのメラニア夫人の「個人的な都合」により、米納税者は莫大な費用を負担することになったため、批判を浴びました(「莫大な費用」とは、メラニア夫人とバロンさんがニューヨークに残ることで発生する、警護費用(12万5,000ドル/日)やホワイトハウスへ行き来する際に利用する軍機などの費用のこと)。
一方、メラニア夫人がニューヨークに残っていたころ、イバンカさんはホワイトハウスの女主人となり好きなように振舞っていたと、関係者が明かしています。
イバンカさんは、東塔にある「ファーストレディーオフィス」を「ファーストファミリーオフィス」にしてはどうか、と提案していたとのことです(ただそのアイデアは、通らなかったようですが)。またホワイトハウスは、そんな提案はなかったと否定しているとも言われています。
2人に気を使うホワイトハウス
女帝が2人もいるのは、周りにとっては厄介なようです。2018年、2人がほぼ同時期にアフリカ訪問の予定を明かし、気まずい雰囲気になったことを当時ニューヨーク・タイムズ(※3)(https://www.nytimes.com/2018/11/11/us/politics/ivanka-trump-africa-trip.html)が報じています。
メラニア夫人は、子供のSNSイジメ防止や生活環境の向上を支援する「BE BEST」というキャンペーンの一環としての訪問。イバンカさんは女性の社会進出推進の主導者という名目です。目的は違うにしても同時期の訪問はまずいと、ホワイトハウスに変な緊張感が漂ったようです。
また同年トランプ政権は、不法移民とその子供たちを引き離す、無慈悲な「ゼロ・トレランス/家族分離政策」を実施することとなり、世界中から非難されました。
これに対してメラニア夫人はトランプ大統領に「強く抗議している」と、珍しく政策に口を挟み反対意見を表明しました。
その後イバンカさんも慌てて反対姿勢をメディアに示し、手柄を得ようとしていました。
この件についてはトランプ大統領も気を使って、「メラニアもイバンカも強く反対した」と公平に2人の手柄としています。
2人の共通点と相違点
メラニア夫人とイバンカさんに共通することは、女性蔑視のトランプ大統領に仕えながらも、じつはその立場を利用して、それぞれが全く異なる野心を満たそうとしていることではないでしょうか。
Quartzの記事(※4)(https://qz.com/africa/1597545/ivanka-trump-visits-ethiopia-cote-divoire-on-womens-empowerment/)で明らかになったのは、イバンカさんが「発展途上国5,000万人の女性の社会進出や繁栄を6年間、資金提供も含めた支援をするプログラム」を掲げているということです。同記事では「彼女が国際的で外交的な経歴を築いていきながら、女性の地位向上主導者としてのイバンカ・トランプをセルフブランディングするのに都合がいい」と指摘しています。
イバンカさんは父親同様、メディアの報道を敏感に意識しているとのこと。そのため補佐官達は、メディアで彼女の功績が称えられるよう努めていると関係者は話しています。また政治に参加することで、共和党穏健派との人脈を築いているとも言われています(※3)(https://www.nytimes.com/2018/11/11/us/politics/ivanka-trump-africa-trip.html)。
大富豪の娘として育ったイバンカさんにとって、物質的な贅沢は当たり前。それよりも、社会的な知名度や人脈と権力を握ることに野心を抱いているようです。
一方、メラニア夫人は労働者階級で育ち、カタログモデルとしてのキャリアは決して一流だったとはいえません。イバンカさんのように「自分が手柄を取ってちやほや褒められること」よりも、影で夫や息子に権力を握らせるように計らい、自分は贅沢な生活を堪能することに価値を置いているように思えます。
元ルームメイトはメラニア夫人について、「高価なモノは美しい」という本質よりも値段重視という価値観をもっていると話しています(※5)(https://www.nbcnews.com/think/opinion/melania-trump-isn-t-liberal-punchline-how-model-became-despot-ncna1231606)。著書によれば、2 人は互いに「肖像画(メラニア夫人)」「プリンセス(イバンカさん)」と、陰で小馬鹿にしたあだ名をつけているとのこと。
しかし2人が何と呼び合おうが、何を着ようが、整形していようがどうでもいいことです。既にトランプ家は「娯楽」や「家庭事情」に関連した出費で、今までの大統領家よりも多く税金を使っています。この女帝2人が、自分の野心を満たすために貴重な税金を使うのは勘弁していただきたいものです
参考
(※1)「ただの「トロフィーワイフ」ではなかった!メラニア夫人がかなりの策士である理由」(https://limo.media/articles/-/18195)LIMO
(※2)The Washington Post“How Melania Trump blocked Ivanka Trump from encroaching on her domain”(https://www.washingtonpost.com/lifestyle/style/melania-trump-first-lady-book-art-of-her-deal-excerpt/2020/06/12/8e95551c-ab64-11ea-9063-e69bd6520940_story.html?itid=ap_maryjordan)
(※3)The New York Times“A White House Challenge: Balancing the Roles of the First Lady and First Daughter”(https://www.nytimes.com/2018/11/11/us/politics/ivanka-trump-africa-trip.html)
(※4)QUARTZ“Ivanka Trump tries to be the “nice Trump” in a polite, but skeptical, Africa”(https://qz.com/africa/1597545/ivanka-trump-visits-ethiopia-cote-divoire-on-womens-empowerment/)
(※5)THINK“Nina Burleigh Melania Trump isn’t a liberal punchline. How a model became a despot’s wife.”(https://www.nbcnews.com/think/opinion/melania-trump-isn-t-liberal-punchline-how-model-became-despot-ncna1231606)
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