“コロナ以前”に戻りたくない!…「当たり前の日常」は会社も家もストレスだらけだった
LIMO / 2020年7月26日 10時0分
“コロナ以前”に戻りたくない!…「当たり前の日常」は会社も家もストレスだらけだった
5月下旬に解除された緊急事態宣言。「これからいったいどうなるんだろう」という緊張感からほんの少し解放された…という方も多いのではないでしょうか。もちろん現在はまた第2波の到来が疑われる予断を許さない状況。感染者の急増で、またぞろ自粛生活に逆戻りか…?という不安も日増しに大きくなっています。
そんな中、「自粛明けのストレス」と今まさに戦っている…そんな女性が多いのをご存じでしょうか?
「ひとりで仕事」がこんなに快適だなんて!
会社員のC子さんは、長かった在宅勤務が終了し、7月からオフィス勤務が再開となりました。と同時に、在宅勤務中は感じたことのない疲労感を覚えるようになったのだそうです。
「今までオフィスで仕事をすることが当たり前だったんですが…在宅勤務を経験してしまうと、オフィス勤務の息苦しさというか不自由さに耐えられなくなってしまったんです」
在宅勤務のときは、上司への報告や相談はビジネスチャットツールを使用していたので、自分のタイミングで伝達することができた。でも、オフィスで対面となると、上司のタイミングで伝達しなければならない、しかも上司の顔色をうかがいながら…。
「在宅勤務のときは夜もぐっすり眠れていたし、食欲も旺盛で、とても健康的な毎日でした。でもオフィス勤務が再開してからは、上司に叱責されたら食欲がなくなるし、人間関係の悩みで夜も眠れない…」
今まで「しんどいことが当たり前だ」「仕事なんだから仕方ない」と受け入れていたストレスが、在宅勤務を経験することによって「もしかしたら自分は、抱えなくてもいい無駄なストレスを今まで甘んじて抱え込んでいたのではないか?」と考えるようになったC子さん。
一度そう思ってしまうと、わけもなく不機嫌になる上司や、オフィス内でのねたみやそねみがものすごく醜く、耐えがたくなってきたそうです。
「あのままずっと在宅勤務を続けたかった…というのが本音です」
もう「孤独」には耐えられない
コロナ以前の生活に戻りたくない…と嘆いているのはオフィスワーカーだけではありません。生後10か月の女の子を育てる専業主婦のHさんも「自粛明け」の生活を嘆いているひとりです。
「夫婦ともに実家が遠方、近くに頼れる親族も友達もいない私にとって、子育ては孤独との戦いでした。激務の夫は毎日深夜に帰り、朝早くに出勤。話し相手は娘かテレビ、たまに両親との電話くらい。泣いている娘をあやしながら、なんど一緒に泣いたかわかりません」
さらに、家庭訪問の際に保健師に言われた一言もHさんを傷つけます。
「首がすわったころに、『そろそろ公園で外の空気を吸わせてあげたら…』と言われて公園に行ってみたのですが、周りはもうママ友グループができている状態。そんななかにひとりでいるのは耐えられず…そそくさと退散しました」
同じように児童館にもなじめなかったHさん。「娘のために外に出ないと」と思いつつ、勇気が持てなかったそう。
「娘には悪いことしているな…と罪悪感でいっぱいでした」
そんなときにやってきたコロナ禍による外出自粛。Hさんのご主人は在宅勤務にシフトチェンジします。
「主人は仕事をしているので、当然娘の相手ばかりはできませんが、同じ空間に3人でいることがとても嬉しかった。娘が泣いたり私がアタフタしたりしていると、『大丈夫?』と声をかけてくれるのも心強かったです」
さらに、「今は自粛期間中だから」と“外出しない理由”ができたことも、ストレス軽減に一役買ってくれた、とHさん。「家にいることが娘を守ることになるんですから。今まで抱いていた娘に対する罪悪感がすっと消えてなくなりました」
自粛期間中は余裕をもって子育てができた、とHさんは語りました。
「でも…自粛が明けた今、主人は週に3回オフィスに勤務するようになりました。すると、主人が出勤する前日の夜に、『明日は私ひとりだ』と思うと、なんだか不安で寝付けなくなってしまって…」
また、Hさんはそろそろ公園や児童館通いを再開するママも増えたのでは…?と不安になっている、とも話してくれました。
「コロナ騒動前の毎日に完全に戻るのが…怖いです」
まとめ
自粛期間中は、人との付き合いも非常にシンプルになり、そのぶん自分自身を見つめなおし、自分と向き合う時間が増えた…という人も少なくありません。そして、コロナ以前は「当たり前」と思っていたことが、実は自分自身に相当なストレスを与えていた…と気づいた人もいるようです。
そんな人たちはみな「コロナ前の生活にはもう、戻りたくない」と口を揃えて訴えます。
「“当たり前”が幸せ」が通説となっている今、コロナ禍がきっかけで「当たり前の日常=幸せ」ではなかったことに気付いた…という人がいるのも皮肉な話です。
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