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相場の見方もコロナ後で大きく変化してゆくべき

LIMO / 2020年7月26日 20時0分

相場の見方もコロナ後で大きく変化してゆくべき

相場の見方もコロナ後で大きく変化してゆくべき

テクニカル指標を考える

日本社会の遅れに気が付けた今、相場の変化にも目をむけよう

新型コロナウイルスによって、日常生活が遮断され、多くの方が、日本社会が遅れていることに気づかされたことでしょう。

給付金を振り込んでもらう作業が大変だということで、マイナンバーの重要性が浸透しました。

また、インターネットでのオンラインミーティングの方が遠慮のない意見が出やすく、内容が充実する場合があることもわかりました。

これまでの習慣や思い込みによって、われわれは、自らを不自由にして、縛られた生活を大変だと言って楽しんでいたわけです。

さて、相場の世界にも同じような状況があります。

明らかに現状にふさわしくないものが、あたかも使えるものであるかのように紹介され続けていて、投資家の判断の邪魔をしていることもあります。その判断の邪魔になっているものの一つに「テクニカル指標」があると考えています。

既存のテクニカル指標の意味が薄れたことに目をむけよう

株式投資を知る人は、「ストロングフォーム」、「セミストロングフォーム」、「ウィークフォーム」といったキーワードを聞かれた方もあるでしょう。

ストロングフォーム型の市場、セミストロングフォーム型の市場とは、公開情報が即座に株価に反映される状況のある市場をさしています。このような市場では、ファンダメンタルズ分析が役に立たないと言われています。

また、ウィークフォーム型の市場とは、過去の価格変化と将来の変化との間に関係性がないと考えられている市場をさしています。このような市場では、テクニカル分析が役に立たないと言われています。
一般的に、テクニカル分析、ファンダメンタルズ分析の有効性を語る際、価格変化がどういうタイミングであらわれるかの考え方の違いによって、値動きの予測の仕方についての意見が分かれます。

今回、テクニカル指標が投資家の未来予測の邪魔になっていると書く理由は、過去の論争を仕掛けているのではなく、指標を作るための元データの意味が薄れたと判断できるからです。

取引時間が変わり、終値の意味が薄れているというだけでも、終値を使った過去のテクニカル指標と現在のテクニカル指標の信頼性は、シミュレーションで得られる勝率以上に違うだろうことを推測できるはずです。

現在もテクニカル指標が使われている理由

テクニカル指標が使われ続けている理由は単純だと思っています。

投資関連の情報を毎日配信しなければいけない事情のある人たちが、視覚的にわかりやすい、基準との比較ですぐに理解されやすいため、日々の情報のための材料にしているからです。

「200日移動平均線を終値が抜けた」などと、テレビで言っていたのを聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。毎日配信するのですから、当然、前日と同じ状況など山ほどあります。

テクニカル指標が意味を持つという2つの根拠

私が最初にテクニカル指標を目にしたのは、1990年代前半です。金融系の新聞に、当時、海外のアナリストが参考にしている指標として、いくつかのテクニカル指標が紹介されていました。

テクニカル指標では、値動きの変化の仕方を日柄と値幅、値位置に区分して、それぞれ、または複合的に調べることで、市場参加者の資産の増減、感情の変化からあらわれる行動パターンを探ります。そして、次に市場参加者がどう動くのかについて推測してゆきます。

このときは、私も参考にして、日々のデータを表計算ソフトに手入力し、いくつかの指標を作成することで、未来が断片的に見えてくるかのように感じていましたし、実際に役立っていました。

しかし、インターネットの普及と、コンピューターの進化、取引環境の変化によって、テクニカル指標を作成するための元データが、以前ほど、市場参加者の意思の反映されていないものになり、その結果、算出される数値の意味が失われています。

テクニカル指標が未来の値動きを予測するのに有効だと考えられる理由は、おおまかに2つあります。

一つ目は、「その指標の示す売買サインにしたがって取引すれば、過去のシミュレーションで利益が得られたということを根拠にする」。もう一つが、「値動きにあらわれる特定のパターンの繰り返しを見つけることで、次の値動きが推測できる」という考え方です。

前者は、「テクニカル指標の出す売買サインが30%くらいしか当たっていないかもしれないし、必ずしも現状を正確に示していないかもしれないが、利益が得られるのであれば、盲目的に従えばいいのではないか」という考え方が反映されているとみています。

また、後者は、値動きに市場参加者の意思が反映されているという考え方で使われています。

コンピューター同士の戦いなら、必ず速度が速い方が勝つ

さて、第一の根拠であるシミュレーションした結果、利益を得られる指標に盲目的にしたがうという考え方は、現在の状況が理解できれば多くの方が難しいと気づくことも多いはずです。

売買サインに盲目的にしたがうなら、自動売買にすればいいのですが、コンピューター同士の戦いなら、環境の整っている方、コンピューターの性能のいい方が勝つのが当たり前です。

たとえば、特定の値段で多くの注文が入っているということを瞬時に判断して、仕掛けを成立させて、すぐに手じまいさせて損を出させて終わらせることなど、設備状況で優位な場合には容易にできます。

以前なら、シミュレーションと同じ取引を繰り返すことができましたが、高速での自動売買の割合が大きくなっている現状では、想定した取引ができるとは限りません。

現状を見据えた上での工夫でコンピューターの上前をはねよう

市場参加者の思惑を値動きから判断するためのテクニカル指標には、トレンド追随型指標とオシレーター系指標があります。

トレンド追随型指標は、一定期間の方向から、その先の方向を推測するためのものです。

一定の流れを作るには、多くの市場参加者の同調行動が必要なので、そういう動きを確認できたら、利益が出ている間、しばしその行動を継続すると考えて、一定の流れが続くと推測します。

しかし、現状では、日経平均株価先物が1営業日だけで500円幅以上の動きがあらわれています。また、それまでと反対方向へ、突然、1000円幅以上の動きが一気にあらわれることもよく見られます。そのような状況では、一定の流れができたとしても、反対方向への一時的な動きを無視することができません。

オシレーター系指標では、同じ方向へ動く日柄や値幅のパターンから、市場参加者が怖がって(あるいは思惑が一致することで)、反対の方向へ仕掛けてしまう場所を推測します。

影響の強い市場参加者がコンピューターの場合、利益を得続けられるか否かを瞬時に判断しているだけなので、長く上昇していることや、一気に大きく動くことによる怖さなど感じるわけがありません。

今回は、わかりやすい変化だけで、過去と現在の違いの一部を書きましたが、変わった点を挙げればきりがありません。

「価格が一目均衡表の先行スパンの雲を突破した」「2本の移動平均線がクロスした」と言っている場合には、さながら未来のことを語りながら、前を見ていないでバックミラーを見ていたとならないようにしたいものです。

最後に、価格の値動きを用いて未来を予測するやり方のすべてが、無効だと考えているわけではありません。現状をしっかりと把握して、自分なりに元データに意味付けができれば、一定の条件設定を超えられないであろうコンピューターの上前をはねることができるはずです。

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