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老後の最大のリスク「長生きとインフレ」に備える3つの方法

LIMO / 2020年8月16日 11時0分

老後の最大のリスク「長生きとインフレ」に備える3つの方法

老後の最大のリスク「長生きとインフレ」に備える3つの方法

「老後資金を考える上で最大のリスクは長生きとインフレだ」と筆者(塚崎公義)は考えています。

老後資金に関する最大のリスクは長生き

老後資金について心配している人は多いでしょうが、一番心配なことは何でしょうか。貯金が足りないこと、年金がもらえなくなること、等々あるでしょうが、老後資金に関する最大のリスクは、長生きだと筆者は考えています。

長生きすることは良いことですが、老後資金のことだけを考えれば、長生きはリスクです。現役時代にしっかり働いて倹約して老後のためにしっかり蓄えたとしても、予想以上に長生きしている間に蓄えが底をついてしまうリスクがあるからです。

問題なのは、長生きのリスクを避ける手段が乏しいということです。長生きをしたとしても、他界する数年前まで元気で働いていれば老後資金の問題はないわけですから、健康に留意すべきことは当然ですね。健康でさえあれば、少子高齢化による労働力不足の時代ですから、何らかの仕事は見つかるでしょうから。

民間保険会社等が終身年金保険を販売しているので、それも選択肢ですが、保険会社の隠れ手数料が高い場合もあるので、慎重に商品の内容を検討しましょう。

実は、長生きリスクに関する最大の備えは公的年金を大切にすることなのです。公的年金は、どれだけ長生きしても、しっかり最後まで支払ってもらえます。「長生きしすぎて困っている人を助ける保険」ですから。

サラリーマンは給料から年金保険料が天引きされていますから、何もしなくても一応の公的年金は受け取れるでしょうが、公的年金の受取開始年齢を繰り下げるといった手段もありますので、検討してみましょう。

自営業者等は、自分で国民年金の保険料を払わないと老後の年金が受け取れませんから、ぜひともしっかり保険料を支払いましょう。

老後資金の今ひとつのリスクはインフレ

老後資金のリスクとしては、インフレも重要です。多額の銀行預金を持っていても、インフレが来てしまえば、預貯金で買える物の量が減ってしまいますから、老後の生活に支障をきたすことともなりかねません。

したがって、資産運用はインフレに強い物を持っておくべきでしょう。「株式や外貨は値下がりリスクがあるから持ちたくない」という人は多いのですが、預金はインフレで目減りするリスクがあるので、「預金も株も外貨もリスク資産なので、分散投資で色々な物を少しずつ持とう」と筆者は考えています。

ちなみに、「インフレなど、過去30年来ていないのだから、今後も来ないだろう」と考えている読者がいるとすれば、それはバックミラーを見ながら運転するのと同じくらい危険なことです。

1%のインフレが30年続くと、預金は30%目減りします。その程度のインフレなら、最近のインフレ率を考えれば、十分ありそうですね。

今ひとつ、大地震で東京等が壊滅したら、物価が何倍にも跳ね上がるかもしれませんね。資産運用を考える際には、そうしたリスクも考慮して備えておく必要があるわけです。

「長生きをしている間にインフレが来て、老後の蓄えが尽きてしまう」というのが老後資金を考える際の最悪シナリオです。少しでもそうしたリスクに備えるためには、「元気な間は働いて収入を得ること」「公的年金を大切にすること」「老後は借家ではなく持ち家に住むこと」が重要だと筆者は考えています。

「波平基準」で元気なうちは働こう

サザエさんの登場人物である波平氏は、54歳です。当時の定年が55歳であったのは「高齢者にはお引取りいただく」という趣旨だったことが察せられますね。

最近では波平氏より元気な高齢者も多いので、そういう人は年齢に関係なく働きましょう。新型コロナ不況が収束すれば、高齢者でも仕事を探せば見つかるはずです。

高度成長期には、15歳から55歳まで40年間働き、70歳代で他界するのが普通でしたから、人生の半分以上は働いていたわけです。そうであれば、人生100年時代を迎えようとする今、20歳から70歳まで働くのは当然だと考えましょう。

老後の生活資金が心配だというのであれば、長く働いて老後を短くすることが最大の老後資金対策なのですから。

公的年金を大事にしよう

老後資金の最大のリスクが長生きとインフレであり、公的年金が長生きとインフレに対する最も心強い味方であるということは、公的年金を大事にするべきだ、ということになります。公的年金は、長生きに強いのみならず、インフレにも強いのです。

「ねんきん定期便」で自分が保険料をしっかり支払っているか否か、確かめましょう。サラリーマンは給料から厚生年金保険料を天引きされていますから、未納期間はないか少ないはずですが、自営業者等は要注意です。

未納分がある場合には、追納する、60歳以降もサラリーマンとして働いて厚生年金に加入する、60歳以降も国民年金に任意加入する、といったことにより、将来受け取れる年金額を増やしましょう。

それ以外にも、専業主婦が敢えて106万円の壁等を超えて厚生年金に加入する、公的年金の受取開始を70歳まで待つ、等々の工夫の余地がありますので、検討してみましょう。

老後は借家ではなく持ち家に住む

借家に住むべきか、持ち家に住むべきか、様々な考え方があると思いますが、筆者は持ち家派です。特に老後は持ち家に住むべきだと考えています。その最大の理由は、長生きしている間にインフレが来て家賃が高騰してしまうリスクを避ける必要があるからです。

「現役時代は転勤が多い」「子供の成長にあわせて間取りを変えたい」等々の理由で借家に住むとしても、引退して子供が巣立ったら、夫婦2人の家を持ちましょう。それが長生きとインフレに備えるために重要なのですから。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。ご了承ください。

<<筆者のこれまでの記事はこちらから(http://www.toushin-1.jp/search/author/%E5%A1%9A%E5%B4%8E%20%E5%85%AC%E7%BE%A9)>>

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