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給食の衛生管理がすごい!校長先生も副校長先生も調理室には入れない⁈

LIMO / 2020年8月3日 19時45分

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給食の衛生管理がすごい!校長先生も副校長先生も調理室には入れない⁈

「学校の給食って、本当にありがたい、助かる…」新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため休校後、給食が始まる際にそのありがたみを痛切に感じたお母さんは多いのではないでしょうか?実はコロナ以前から給食を作るとき細心の注意を払わられていたことをご存じですか?

文部科学省「学校給食調理従事者研修マニュアル(https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/1321861.htm)」に実に細かく規定されています。「そんなところまで考えて作ってくれているの!」と、感動すら覚える内容です。

平成31年2月26日に文部科学省が発表した「学校給食実施状況等調査(https://www.mext.go.jp/content/1413836_001_001.pdf)」による学校給食費の平均月額、小学校4,343円、中学校4,941円の金額をみてみると、とてもお得に感じます。その内容を見ていきましょう。

校長先生も副校長先生も調理室には入れない⁈

「学校の最高責任者の校長先生が、どうして調理室には入れないの?」その理由は「保菌者」の可能性があるからなのです。給食の調理室は、細菌検査を受けた人しか入れません。前述の資料「第5章 調理従事者の健康管理(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/06/07/1321860_8.pdf)」には、検便は毎月2回以上実施されるとあります。さらに文部科学省「学校給食衛生管理の基準」の「8 調理過程(http://https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/__icsFiles/afieldfile/2009/09/10/1283821_1.pdf)」に、「調理に直接関係のない者をみだりに調理室に入れないこと」とあります。

また、従事者は肉や二枚貝の「生食」を避けるとあります。つまり、給食の先生はユッケや生牡蠣が食べられないのです。電球が切れた時も、調理室専用の脚立を使って電球を取り替えるそうです。

調理室に汚染作業区域と非汚染作業区域が…

「汚染作業区域」と「非汚染作業区域」…なかなか物々しい言葉です。前述の資料内「第6章 衛生管理を充実されるための手順(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/06/07/1321860_10.pdf)」の中に「作業区分の明確化」という項目があります。

汚染作業区域の中でも最も汚染度が高いのは「検収室」なのだそうです。検収室とは、食品が搬入されてくる部屋です。検収室では、研修責任者が立ち会って目方を量り、伝票合わせ、温度を測る、産地の確認、食品に傷みがないか?など、細かくチェックしています。

食品の入っている袋やダンボールには「汚染物質が付いている」という前提なので、それを実践すべく食品を食缶などの専用容器にすぐに移すそうです。汚染作業区域と非汚染作業区域では履物・エプロン・器具も区別するという、徹底した衛生管理がなされているそうです。

野菜と肉の動線を重ねない作業動線図を作る

前述の資料内「作業導線の確保(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/06/07/1321860_14.pdf)」の項目の中に「食肉、魚介及び卵は病原性微生物汚染の高い物資である」とあります。つまり、肉や魚や卵には細菌がついている可能性が高いという前提なのです。

ですので、他の食材と動線が交差しないように「作業動線図」を作成して食品汚染を防止して、各調理員がいつどこで何に気を付けて作業するのかをあらかじめ示すそうです。また、時系列でも「作業工程表」を作成し、時間の管理もします。

アフターコロナの給食の様子は?

学校再開後もすぐには給食が始まらないところが多かったようで、都内某所の小学校も学校は6月初旬に再開しましたが、給食は6月下旬からのスタートでした。

文部科学省「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~『学校の新しい生活様式』~(2020.6.16 Ver.2)(https://www.mext.go.jp/content/20200616-mxt_kouhou01-000007426_01.pdf)」には「学校給食を実施するに当たっては、「学校給食衛生管理基準」に基づいた調理作業や配食等を行うよう改めて徹底してください。」とあります。

前出の学校も「感染症予防」の観点から、給食開始1週間は担任の先生とお手伝いの大人が配膳をしたそうです。食べる際はそれぞれの机に半透明のパーテーションを立て、おしゃべりもなるべくしないで机も前を向いたまま食べるという普段の給食とはまるで違う風景があるようです。

給食の先生に感謝しかない

文部科学省「学校給食実施状況等調査(https://www.mext.go.jp/content/1413836_001_001.pdf)」によると「保護者が負担する学校給食費の平均月額は、小学校4,343円(191回)中学校4,941円(186回)」とあります。これらの手間がかかっているのにこの価格はとてもお得な気がします。食中毒ゼロを目指して、今日も給食に関わる方たちの努力は続いています。

給食試食会などがある学校では、上記のような話を聞けることもあります。その際に給食の先生に感謝の気持ちを伝えたいですね。

【参考】
以下すべて文部科学省より
「学校給食調理従事者研修マニュアル(https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/1321861.htm)」
「学校給食調理従事者研修マニュアル 第5章 調理従事者の健康管理(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/06/07/1321860_8.pdf)」
学校給食衛生管理の基準「8 調理過程(http://https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/__icsFiles/afieldfile/2009/09/10/1283821_1.pdf)」
「学校給食調理従事者研修マニュアル 第6章 衛生管理を充実されるための手順(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/06/07/1321860_10.pdf)」
「学校給食調理従事者研修マニュアル 作業導線の確保(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/06/07/1321860_14.pdf)」
「学校給食実施状況等調査(https://www.mext.go.jp/content/1413836_001_001.pdf)
「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~『学校の新しい生活様式』~(2020.6.16 Ver.2)(https://www.mext.go.jp/content/20200616-mxt_kouhou01-000007426_01.pdf)」

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