「Withコロナ」時代の働き方、常識となる3つのキーワードとは
LIMO / 2020年8月8日 17時45分
「Withコロナ」時代の働き方、常識となる3つのキーワードとは
「リモート」「オンライン」「地方」が働き方を変える
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、ビジネスパーソンの働き方はどれくらい変化したのでしょうか。今回はアンケート調査結果などから、コロナ禍における企業の体制や、個人の働き方の変化や現状、在宅勤務に対する反応や効果などを見ていきます。「Withコロナ」の状況における各社のアイデアや新しい取り組みなどもご紹介していますので、参考にしてみてください。
意外に広がらない?! 企業における柔軟な働き方体制
公益財団法人 日本生産性本部が2020年5月に実施した「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」(https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/5f4748ac202c5f1d5086b0a8c85dec2b.pdf)(※1)(http://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/5f4748ac202c5f1d5086b0a8c85dec2b.pdf)によると、コロナをきっかけに企業におけるテレワークや時差出勤の導入は増えたことがわかります。しかし、「自宅での勤務」を除くと、コロナ前と後での企業の施策の新規実施率はそれほど高くなく、実際、現在の働き方を見ると「特にない」が最も多いことから、柔軟な働き方が一般化したとはいえない状況が見てとれます。
「特にない」(現行、とくに何もしていない) 46.3%
「自宅での勤務」 29.0%
「時差出勤」 16.3%
「短時間勤務」 15.4%
在宅勤務してみてどうだった?
では、同調査の「自宅での勤務で効率が上がったか」の質問に対する回答を見てみましょう。
「効率が上がった(7.2%)」「やや上がった(26.6%)」と実感したのは3割強に留まります。逆に、7割弱の人たちが「やや下がった(41.4%)」「効率は下がった(24.8%)」と回答。期待通りの成果を挙げられていないことがわかりました。とはいえ、「自宅勤務に対する満足度」に対しては、6割弱の人が満足を感じており、「今後もテレワークをしたいか」という質問に対しては、6割以上強の人がポジティブな回答をしています。コロナ収束後もテレワークの浸透が望まれることを意味する調査結果といえるのではないでしょうか。
「Withコロナ」で求められる「新しい働き方」
「Withコロナ」で柔軟な働き方が求められる状況の中、各社が実施している取り組みをご紹介しましょう。
完全「リモート」
コロナの感染症の広がりに対して真っ先に自社の完全リモート化に踏み切ったのが、GMOインターネットグループです。
代表の熊谷正寿氏は完全リモート実施以降も業績は下がっていないと公言していました。それどころか、2020年12月期第1四半期(20年1-3月)の決算は、4半期としては過去最高の売上高を達成しており(※2(http://ir.gmo.jp/pdf/presen/GMO_FY20_Q1_Financial_Results_Presentation_200512.pdf))、コロナという逆境を好機に変えた会社といえるでしょう。
いきなりの通知に従業員たちは驚いたかもしれませんが、その後の満足度は上々、9割近くが高く評価しているそうです。確かに業種によって完全リモートの有効性には差があるかもしれません。しかし、同社の状況はリモートワーク中心の働き方でも事業運営は可能だという証でしょう。リモートワーク寄りの運営になるほど、オフィススペースや設備にかかる経費を抑えられるメリットもあります。
「オンライン」接客
販売接客業もコロナによって大きな痛手を負いました。考え出されたのはZoomを使った「リモート接客販売」という新しい販売スタイルです。
WWDジャパンのサイトでは、アパレルブランド、オールユアーズが4月半ばから、『プライベートZOOM接客』を開始したことが紹介されていました。『かんたん!質問箱』や2019年から実施している『自宅試着サービス』と組み合わせて販売促進を図っています(※3(http://www.wwdjapan.com/articles/1079975))。
オンライン接客では、地方の顧客も取り込めることや、細かなアドバイスの提供など「特別扱い」を体験してもらえるというメリットが認識されており、コロナ収束後もリアル店舗と併用していきたいという意欲も伺えます。消費者にとっても新しい買い物の楽しみ方としてのニューノーマルとなっていきそうです。
「逆参勤交代構想」で地域創生に貢献
三菱総合研究所が2017年から提唱しているのが「逆参勤交代構想」。都市部で働く社員が「週に数日は本業、週に数日は地域に貢献する」というような勤務(生活)スタイルをリモートによって実現させるというアイデアです(※4(http://platinum.mri.co.jp/recommendations/column/post-coronavirus))。
企業としては「地域課題の解決に自社の技術やサービス」を提供するビジネスになり、働き方改革への取り組みにもなります。個人のワークライフバランスやセカンドキャリア、地域の経済活性と関わる者すべてにベネフィットが期待できるという構想です。
まとめ
「ピンチはチャンス」といわれますが、「Withコロナ」の状況の今がその時でしょう。厳しい時期は続くと予想されますが、ちょっとした発想の転換が大きな成功に繋がるかもしれません。いずれにしても「リモート」がキーワードとなるビジネスや業務がニューノーマルとしてさらに浸透していきそうです。
参考
(※1)「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」公益財団法人 日本生産性本部(https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/5f4748ac202c5f1d5086b0a8c85dec2b.pdf)
(※2)「第1上半期 決算説明会 資料」GMOインターネット株式会社(https://ir.gmo.jp/pdf/presen/GMO_FY20_Q1_Financial_Results_Presentation_200512.pdf)
(※3)ーオールユアーズが考える「ZOOM接客がポストコロナに秘める可能性」ーWWD JAPAN(https://www.wwdjapan.com/articles/1079975)
(※4)「逆参勤交代構想」三菱総合研究所(http://platinum.mri.co.jp/recommendations/column/post-coronavirus)
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