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野菜が高い! さらに小麦粉や食用油も値上がり。家計に大打撃の原因と価格動向

LIMO / 2020年8月7日 10時0分

野菜が高い! さらに小麦粉や食用油も値上がり。家計に大打撃の原因と価格動向

野菜が高い! さらに小麦粉や食用油も値上がり。家計に大打撃の原因と価格動向

最近、スーパーでの買い物の際、野菜の値段が高くなっていると感じませんか。コロナの影響で何かと家計が苦しい最中に、追い討ちをかけるような価格上昇。野菜売り場で買うのをためらってしまうこともしばしばあります。

食料品の値段が上がれば当然ながら食費が増えることになるので、家計を切り盛りする者にとっては緊急事態です。そこで、値上がりしている原因と価格動向を調べてみました。

日照不足と長雨が影響

梅雨がようやく明けた途端、猛暑が続いていますが、今年の梅雨は前線や湿った空気の影響で降水量が多く、日照時間が少ない状態が続きました。地域によっては豪雨で大きな被害を受けたのはご存じの通りです。こうした状況により、農作物の生育にかなり影響が出ています。

実際、今年6月25日から7月15日までの日照時間と降水量のデータ(速報値)を気象庁の発表で見てみると、日照時間では、札幌92%、仙台37%、東京53%、名古屋49%、新潟41%、大阪49%、広島49%、高松45%、福岡56%、鹿児島43%と、平年の50%程度かそれ以下の水準です。また、降水量は全国的に平年の1.5倍から3倍に上っています。

野菜の値段は軒並みアップ、今後はどうなる?

農林水産省の青果物卸売市場調査によると、主要卸売市場での7月下旬の野菜の価格は、だいこん1.6倍、にんじん2.4倍、小松菜1.8倍、ねぎ1.6倍、かぼちゃ1.4倍、じゃがいも(ばれいしょ)1.9倍、たまねぎ1.6倍と、対前年同旬比で軒並み上昇しています(いずれも1kg当たり)。

ちなみに、筆者の自宅近くにあるスーパーでは、白菜が1/4玉で230円、キャベツが1/2玉150円、にんじんが2本198円、じゃがいもが4玉378円で売られていました(8月3日時点)。実際に店頭で売られている野菜の値段は、卸売市場調査よりも、さらに昨年より高くなっているというのが筆者の率直な感想です。

また、農林水産省が発表した「野菜の生育状況及び価格見通し(令和2年8月)について」によると、やはり天候の影響で野菜全般の生育が遅れているようです。中でもレタスや白菜、じゃがいもは、日照不足などの影響でサイズが小さい傾向とのこと。

そして、にんじん、白菜、レタス、きゅうり、なす、ピーマン、じゃがいもの値段については、8月前半も高値水準で推移する見通しのようです。

小麦粉や食用油も値上げ

値上がりしているのは野菜だけではありません。実は、6月22日出荷分から業務用小麦粉が値上げされてます。輸入先であるオーストラリアでの乾燥による減産に加え、アメリカやカナダの天候不順による品質の劣化懸念によって小麦の輸入価格が上昇したことで、4月から政府の売渡価格が3.1%引き上げされたのが要因です。

小麦といえば麺類やパン・お菓子類の材料ですが、5月には大手うどんチェーン・はなまるうどんが「かけ(温)」の「大」「中」「小」の各サイズ共通で、税別価格を70円値上げしました。

また、お菓子メーカーのブルボンは5月26日出荷分から「アルフォート」などのファミリーサイズの大袋商品の内容量を約4.4%減少(コンビニ商品は約3.4%)。値段が据え置かれているので、さほど値上げを実感することはありませんが、「パッケージが以前よりスマートになっている」「中身が少なくなっている」と感じている人もいるのではないでしょうか。

業務用だけでなく、家庭用小麦粉も9月1日出荷分から1〜2%の値上げになります。日清フーズの薄力粉「「日清フラワーチャック付」(1kg入り)は267円から271円へ4円の値上げ、強力粉「日清カメリヤチャック付」が323円から326円の値上げになるようです(いずれも税別価格)。

加えて、4月1日納入分から食用油も値上げされ、日清オイリオグループの家庭用食用油で1kg当たり20円以上、価格が上がっています。値上げは中国の大豆やなたね搾油の減少など、さまざまな要因が重なっています。あわせて、業務用食用油も値上げされているので、飲食店でメニュー価格の見直しを余儀なくされるところもあるでしょう。

おわりに

じゃがいもやにんじんなど、家庭の定番メニューに欠かせない食材が値上がりすると毎日の献立に困ってしまいますよね。一過性であればいいのですが、梅雨明けした後は台風シーズンに入ります。また、7月の豪雨で農林水産関係の被害がかなり出ていることを考えると、まだまだ家計のやりくりに頭の痛い状況は続くでしょう。

さらに、日本だけでなく中国でも豪雨による水害が発生しています。アフリカや中東、インドなどでは、サバクトビバッタと呼ばれるバッタの大量発生によって、穀物などの食料が食べ荒らされる被害も深刻になっているため、今後輸入食材や、それらを使った加工品の価格に影響が出る可能性があります。

手軽に作れる料理の代表であるカレーライスですら当分は高級メニューになりそうですが、しばらくは冷凍野菜やカット野菜などを利用して、無駄をださないようにしながら食費を抑えるしかないかもしれません。

【参考資料】
「北・東・西日本の日照不足と長雨に関する全般気象情報 第2号(https://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/000_03_662_20200716055943.html)」(気象庁)
「青果物卸売市場調査(旬別結果)品目別(https://www.maff.go.jp/j/tokei/syohi/shunbetu/2020/hinmoku.html#syuyo)」(農林水産省)
「野菜の生育状況及び価格見通し(令和2年8月)について(https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai_zyukyu/attach/pdf/index-76.pdf)」(農林水産省)
「輸入小麦の政府売渡価格の改定について(https://www.maff.go.jp/j/press/seisaku_tokatu/boeki/200311.html)」(農林水産省)

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