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消えた「うがい薬」がフリマアプリに高額で登場。冷静に考えて「買わない判断」も

LIMO / 2020年8月6日 18時45分

消えた「うがい薬」がフリマアプリに高額で登場。冷静に考えて「買わない判断」も

消えた「うがい薬」がフリマアプリに高額で登場。冷静に考えて「買わない判断」も

大阪府と大阪市、大阪府立病院機構「大阪はびきの医療センター」は8月4日、「ポビドンヨード」成分を含むうがい薬を使ってうがいをすると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に効果があるとの研究成果を発表しました。これを受けて早速動いたのが、やはりフリマ市場です。

その日のうちに転売が始まり、売り切れが続出しています。でもここは情報に流されることなく、冷静にならなければなりません。

ドラッグストアから消えたうがい薬

4日の吉村大阪府知事の発言を受けて、5日現在、厚生労働省は奨励するかどうかという段階ではなく、時期尚早でないかとの見方をしているようです(※1)(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020080500562&g=pol)。

ただ大阪府知事の発言によって、あっという間にうがい薬がお店から消えたのは事実です。先ほど筆者も近くのドラッグストアに買い物に行ったのですが、うがい薬はありませんでした。まるで数カ月前のトイレットペーパーのよう。そんな印象を受けました。

そして大阪府知事というインフルエンサーがうがい薬について発言したので、フリマアプリなどでは早速転売も始まっています。まさにこれもマスクや消毒液、トイレットペーパーと同じ現象です。ただ今回違うのは、うがい薬が医薬品扱いとなっており、そもそもフリマアプリに出品ができないということです。

そもそも「出品禁止物」削除や通報の範囲の品物

吉村大阪府知事がコメントをした「ポビドンヨードをふくむうがい薬」は医薬品(第3類医薬品)の扱いになります。多くのフリマアプリでは、医薬品の出品を禁止していますから、これを出品するのはガイドライン違反となります(※2)(https://www.mercari.com/jp/help_center/article/891/)。そのため出品しても即削除されたり、他のユーザーから通報されることもあるでしょう。悪質な場合にはペナルティーがかされ、アカウント停止になってしまう場合もあります。

また東京都福祉保健局からは、医薬品医療機器などの販売は法律に触れることもあるため、フリマサイトなどで販売できないと警告しています(※3)(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/iyaku/koukokukisei/zenpanfrima/youtodokedekiki.html)。もし医薬品を売るのであれば許可が必要となるのですが(医薬品医療機器等法第24条第1項)、先ほども書いたようにフリマアプリ自体が出品を禁止しているので、どのみち医薬品をフリマアプリに出品することはできないということになります。

情報に振り回されてはいけない

うがい薬がCOVID-19に効果があるかどうかについて、厚生労働省は時期尚早とみていると書いたのですが、ネット上で調べてみても情報が少なすぎる印象はあります。効果があるという期待も込めてのことだったのかもしれませんし、買った人も「もしかしたら」という思いがあるのでしょう。その思いがフリマアプリでの購入に繋がり、「高く売れるから売ろう」という動きになりマイナスの連鎖が始まってしまいました。「買わない」という選択肢も、この流れを止めるためには必要でしょう。

またうがい薬は、病気をもっている人や薬によってアレルギー症状を起こしたことがある人などは、医師や薬剤師に相談した方がいいケースもあります(※4)(https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J0601012572_05_A.pdf)。もしCOVID-19に効果があったとしても、自分の健康状態によっては使ってはいけないこともあるので、情報に流されてしまうのは危険です。そういう意味も込めて、今の時点でうがい薬を慌てて買わなくてもいいのかなと考えています。

冷静なユーザーも少なくない

フリマアプリにうがい薬が出品されていて、取り引きも行われています。これはマスクや消毒液のときと同じなのですが、ただ出品者に対して「これは違法です」「出品禁止物なので通報します」などコメントをするユーザーも少なくありません。

つまりフリマアプリが無法地帯になっているのではなく、ユーザー同士がしっかりと見張りをして、適切な商品を正しく売買しようという動きが出てきているのです。実はこの動きはホットケーキミックスの時もあったのですが、フリマユーザーのリテラシーが向上していることが分かります。

今の時点で基本は「新しい生活様式」の実践

うがい薬がCOVID-19に効果があるかどうかは、はっきりとしたことは今の時点では分からないのだろうなと、筆者は素人ながらに考えています。もちろん効果に期待したい気持ちはありますが、逆にうがい薬でうがいをしているから大丈夫と油断してしまうことの方が危険だと思います。

今の感染予防は「新しい生活様式」を取り入れる、手洗いをする、3密を避けるなど厚生労働省が発表していることをベースにしていくことが必要でしょう。健康上問題がない人がうがい薬を取り入れるのはいいのでしょうけれど、基本を守りながらの生活を心がけることは忘れてはいけない。そう思っています。

参考

(※1)「うがい薬効果「時期尚早」 コロナ対策で―厚労省」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020080500562&g=pol)時事ドットコムニュース
(※2)「メルカリガイド」(https://www.mercari.com/jp/help_center/article/891/)メルカリ
「PayPayフリマガイドライン細則」(https://paypayfleamarket.yahoo.co.jp/guide/guideline/detail/#B)PayPayフリマ
(※3)「届出等が必要となる医療機器の販売事例(家庭用マッサージ器等)」(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/iyaku/koukokukisei/zenpanfrima/youtodokedekiki.html)東京都福祉保健局
(※4)「イソジン うがい薬」(https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J0601012572_05_A.pdf)シオノギヘルスケア

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