テレワークで「ワーママ」は楽になったのか?コロナ禍でワーママが思うこと
LIMO / 2020年8月10日 18時45分
テレワークで「ワーママ」は楽になったのか?コロナ禍でワーママが思うこと
育児と仕事を両立するワーキングマザーは年々増え続けています。ウィズコロナ時代において、ワーママが働きやすい環境を得るためにはどうしたらよいのでしょうか。今回は、ワーママ増加の現状とリアルな苦悩エピソードをご紹介します。
正規/非正規ともに働くママが増えている
厚生労働省の「国民生活基礎調査(2019年)」で調査された項目の中で、「児童のいる世帯の状況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/02.pdf)」(※1)の調査結果が出ていました。児童のいる世帯における母の仕事の状況をみると、「仕事あり」の割合は2019年で72.4%となっており、2004年の56.7%から年々上昇の傾向にあります。
また、仕事を持つ母親の割合について末子の年齢階級別に見ると、年次推移で「正規の職員・従業員」「非正規の職員・従業員」ともに上昇している一方で、末子のすべての年齢階級において「仕事なし」の母親の割合は減少していました。ワーママは明らかに増えています。しかし、そのワーママたちの働く環境はというと「働きやすい」とは言い難い現状があるようです。
ワーママたちのリアルエピソード
女性が仕事と育児を両立するのは決して楽なことではありません。さまざまな苦労の声が挙がっているようです。
ここで、ワーママのリアルエピソードをご紹介します。ワーママにとって働きやすい環境となるためにはどのような課題をクリアすれば良いのでしょうか。
子どもにも職場にも罪悪感を覚える日々
仕事があり子どものために十分な時間を割けないことで、子どもに対して申し訳なく思うママは多いようです。そんなワーママのAさんは…。
「旦那には時短はラクだと思われ、保育所の送迎は私。家に帰っても家事が優先になってしまい、子どもが甘えてきても後回しにしてしまう…そんな自分が嫌になります」
熱を出したり、行事ごとがあったりすると子ども優先で仕事を休まなければならない場面も出てきます。
「時短に加えて急な休みも増えるとなると、仕方がないこととはいえ上司や同僚に申し訳なくて…」
このときは職場に対して罪悪感を抱くことに…。
周囲が抱く「良い母親像」に疲弊
ワーママは当然のことですが、仕事をこなす時間が必要です。その時間は子どもや家のことには使えません。仕事をしていない母親に比べれば家事や育児で行き届かない部分もあるでしょう。そして、ワーママは家族に「良い母親」のカテゴリから外されてしまうのです。
正社員で働いているワーママBさんはこういいます。
「たまに休日勤務もあるので、その時は旦那に子どもを預けています。帰宅後、旦那に様子を聞くと、お友達家族に偶然会って、ママはどうしたの?と聞かれたよと…。なんのために頑張って働いているのか分からなくなります」
たまに子どもと遊ぶパパが「良い父親」に映ると思うと、なんだか不公平な感じがしますね。
母親(女性)ばかりが選択を迫られる
出産は母親にしかできませんが、育児や家事は本来、夫婦どちらもやれるはずのもの。しかし、実際はやはり母親が担う割合が大きいようです。
そうなると、辞めるか続けるか、フルタイムか時短か、キャリアの選択を迫られるのはいつも女性(母親)サイド。この当たり前感に不満を漏らすワーママたちも少なくありません。先述のAさんは出産を機に時短勤務を利用していますが、責任のある仕事を任せてもらえず、何も変わらず働いている旦那に対して不満が募る一方です。
また、退職を選択した場合、ブランクや再就職の難しさに対する懸念も大きくなるようです。
女性特有の体調変化
子どもの有無に関わらず、女性には特有の体調変化もあります。不調時に男性上司や職場の理解不足の対応に悩む女性も少なくありません。
㈱バリューズフュージョンの『「働く女性の健康」に関する意識調査(http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000043615.html)』(※2)では、「上司が男性だと、体調がすぐれない時に言いにくい」と回答した女性のうち、過半数が「我慢して辛い思いをしていること(54.9%)」や、「気分が変わる場合がある(52.8%)」ことを男性上司に理解してほしいと答えていました。男性の上司だと相談しにくいこともありますよね。
コロナで痛感!仕事と育児の両立の難しさ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による自粛生活は全世代が対象でした。働く世代の仕事だけでなく、子どもたちも学校や保育園に行けない状況となりました。
そのときに在宅勤務をするワーママたちは、仕事+育児の同時進行を迫られたのです。子どもの相手をしながら、スムーズに仕事が進むはずがありません。子どもを預けられない状況では出勤もできません。「会社に子どもを連れて来たら?」と上司にいわれた人もいます。小さな子ども連れで電車に乗ったり、子どもがそばにいて仕事をしたりすることに対する認識のギャップがあるのかもしれません。
また、コロナ禍で子どもを連れて外出することは、子どもの感染リスクも高まります。ただでさえ仕事と育児の両立で大変なのに、さらにCOVID-19の感染予防まで考えなければなりません。コロナ禍でパンク寸前!になってしまったワーママもいたようです。
まとめ
コロナショックでワーママたちの苦悩が一層浮き彫りになった感じがします。「在宅勤務でも子どもがいたら集中して働けない」など、ワーママの課題はたくさんありました。たしかに生理や出産は男性に任せることはできませんが、育児については夫婦で分担したり、企業が理解を示して配慮、サポートしたりすることは可能なはずです。
母親だけがすべてを頑張るのではなく、公私ともに本当の意味で父親である夫と協働しながら活躍できる環境(企業)が増えていくことを切に願います。
参考
(※1)「国民生活基礎調査(2019年)ー児童のいる世帯の状況ー」厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/02.pdf)
(※2)『「働く女性の健康」に関する意識調査』バリューズフュージョン(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000043615.html)
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