「20代のお給料事情」みんなはどれくらいもらってる?
LIMO / 2020年8月19日 11時55分
「20代のお給料事情」みんなはどれくらいもらってる?
株式会社リクルートキャリアが発表した「就職プロセス調査(2021年卒)『2020年7月1日時点 内定状況』」によれば、就職内定率は73.2%。昨年よりも約1か月遅れで推移しているとの結果がでているそうです。無事内定がとれてホッとした人、まだまだこれからの人、様々かと思いますが、やはり本格的に「働く」ということを考えたときに気になるのは、お給料のことではないでしょうか?
今回は、20代のお給料事情についてみていきます。
統計に見る20代の給与事情~企業規模別の初任給~
まず、厚生労働省が公表している「令和元年(2019年)賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/19/index.html)」によると、企業規模別の初任給は、以下のようになっています。
大学院修士課程修了(平均:23万8900円)
大規模 24万2,000円
中規模 23万2,100円
小規模 22万9,300円
大学卒(平均:21万200円)
大規模 21万3,100円
中規模 20万8,600円
小規模 20万3,900円
注1)上記初任給の定義
通常の所定労働時間、日数を勤務した新規学卒者の令和元年6月分の所定内給与額(所定内労働時間に対して支払われる賃金であって、基本給のほか諸手当が含まれているが、超過労働給与額は含まれていない。)から通勤手当を除いたものである。
注2)上記企業規模の定義
企業規模については、常用労働者1,000人以上の企業を大規模、100~999人の企業を中規模、10~99人の企業を小規模としている。
ただ、「手取り」という言葉があるように、実際には、この金額が丸々もらえるわけではありません。ここから社会保険料や所得税などが控除されることになりますので、ざっくりというところで話をすると、口座に振り込まれるのは額面給与のおよそ8割の金額になると考えてよいでしょう。
統計に見る20代の給与事情~年収の高い業界は?~
次に国税庁が公表している、「平成30年(2018年)分民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/minkan.htm)」より、業種ごとの年代別の平均給与についてみてみましょう。ちなみに、1年を通じて勤務した給与所得者5026万人の平均給与は441万円(男性545万円、女性293万円)となっています。
業種別全体でみると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与が最も高い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」の759万円、2位は「金融業、保険業」の631万3000円、3位は「情報通信業」の622万4000円と続きます。
ちなみに、事業を始めるにあたって免許や資格が必要になる業種を「規制産業」と呼び、電気やガス、通信、金融、医療などの業種がこれに該当します。業界固有の法規制を乗り越えないと事業に参入できないため、参入済み企業が優位性を保ちやすいのが規制産業の特徴です。働く社員にも資格取得が求められることが多く、それが、これらの業種の平均給与を押し上げる要因となっているのかもしれません。
なお、上記の表では、20代前半、20代後半、平均給与のピークとその年代についてもピックアップしてみました。20代では、その業界の平均給与にはまだまだ届かないことがわかります。
ちなみに、全業種の20代前半の平均給与は267万円、20代後半の平均給与は370万2000円となっています。20代後半は、仕事にも慣れ、中堅といわれるようになってくる頃ですので、その実力が給与に反映されてくるということなのかもしれません。
ただ、平均給与額のピークが50代前半である業種が多いことを考え合わせると、平均給与が比較的高いといわれている業種においても、ある程度腰を据えて頑張ることが必要ということなのでしょう。
収入アップを目指す⁈ 20代の転職事情
業界や企業規模によって、給与水準には限りがあります。現在働いている職場の給与に納得がいかない人の中には、「転職をして、高収入を目指そう」と考える人もいるでしょう。ただ、結婚をして家族ができた、年齢を経てしまった、となると、なかなか転職活動も難しくなることが予想されます。「転職をするなら身軽な20代のうちに」と考える人は多いかもしれませんね。
では、ここで、厚生労働省が公表している「令和元年(2019年)上半期雇用動向調査結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/20-1/index.html)」より、年齢階級別の転職入職率と賃金変動状況を確認してみましょう。
2019年1月1日時点の常用労働者数は5045万2500人で、そのうち転職入職者は300万1800人と約6%を占めています。
注3) 転職入職率の算出方法
転職入職率 =転職入職者数÷1月1日現在の常用労働者数 (年齢階級別は6月末日現在の常用労働者数)× 100(%)
女性の転職入職率が高めなのは、結婚や出産などの影響が大きいと考えられますが、そういった影響が少ない男性に絞って見てみると、他の年代に比べて、10~20代の若い世代の転職は多いようです。
なお、転職によって、収入に変動があったかを見る「賃金変動状況」については、おおむね収入増につながっている年代が多いものの、「25~29歳」では、収入増より収入減少となった人のほうが多いという結果が出ています。
前述の業種ごとの平均給与にて「20~24歳」「25~29歳」の間の給与額の伸びが高かった点を考え合わせると、20代後半の転職については、「ここが頑張りどころ」ととどまるか、心機一転、新天地で高収入に挑むか、ちょっと悩ましい…といったところなのかもしれません。
さいごに
多くの人が、はじめて就職を経験し、そして社会人として大きく成長する20代。ただ、収入がいいというだけでは、仕事は長続きしません。「働きやすさ」や「やりがい」といった点も含め、総合的に考えて、自分に合った仕事・職場を選んでいきたいものですね。
【参考】
「就職プロセス調査(2021年卒)『2020年7月1日時点 内定状況』(https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2020/200707-01/)」株式会社リクルートキャリア
「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/19/index.html)」厚生労働省
「平成30年(2018年)分民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/minkan.htm)」国税庁長官官房企画課
「令和元年上半期雇用動向調査結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/20-1/index.html)」厚生労働省
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