「みんなの生活費は9カ月連続ダウン」～今を乗り切る2つの節約術～

数ある支出項目の中でも、とくに存在感があるのは「生活費」ではないでしょうか？そのため「家計を改善するためにも、そろそろ生活費を節約しなければ」と頭を抱えている方も多いようです…。

ここでは具体的に、生活費のどのような部分を見直していくべきか、また生活費を節約する方法を、2パターンに分けて紹介します。

生活費は9か月連続で実質減少

まずは、2020年8月に総務省が公表した2020年6月分及び4〜6月期平均の「家計調査報告」（https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf）をもとに、世間の家計状況をみてみましょう。

この調査結果によれば2020年6月分の消費支出（2人以上の世帯）は、１世帯当たり27万3,699円となっています。これは前年同月比にすると実質1.2％の減少となり、9か月連続の実質減少というデータがみられるのです。

また、2人以上の世帯における2020年6月の消費支出の内訳は以下の通りです。

【消費支出の内訳】

食料･･･7万7,246円

住居･･･1万8,584円

光熱・水道･･･1万9,777円

家具・家事用品･･･1万6,414円

被服及び履物･･･1万780円

保健医療･･･1万4,529円

交通・通信･･･3万7,746円

教育･･･6,901円

教養娯楽･･･2万3,710円

その他の消費支出･･･4万8,011円

内訳のとおり、6月の消費支出で最も高いのは「食料」という結果になりました。しかし食料は4か月連続の実質減少であり、節約意識が高まっている項目だと考えられます。

その後は、「交通・通信」「教養娯楽」「光熱・水道」と続いていますが、「交通・通信」は9か月連続、「教養娯楽」は7か月連続の実質減少がみられ、これらも節約の対象にしている世帯が多いといえるでしょう。

手間ひまかけて行う「食費節約術」

先ほどの「消費支出の内訳」のなかでも、とくに大きな割合を占めていたのが「食料」です。このことからも、生活費を抑えるにはまず「食費」を節約することが重要だと考えられます。とはいえ、食事を我慢して食費を抑える手段では、健康面に支障が出てしまう恐れも…。

そこで、時間をかけた節約をしてみてはいかがでしょうか？「外食は手間が省ける代わりに食費がかさみやすい」というケースの反対で、ひと手間かけることで食費を節約できる方法があるのです。

それでは時間をかけた節約の一例を覗いてみましょう。

「ヨーグルトメーカーで、毎朝食べるヨーグルトを手作りしています。リーズナブルな牛乳が丸ごとヨーグルトになるので、以前より食費が抑えられました！ちょっとお高い市販のヨーグルトに負けない美味しさも嬉しいポイントですね」

「フルーツジャムって、少量タイプでも意外と値が張りますよね……。そこで、不揃いさや傷などがある“訳ありフルーツ”を格安で購入し、ジャムを手作りすることにしました。大きさや見た目は訳ありでも、ジャムにすれば全く問題ありません！安いうえに自分に合った甘さにできるので、そういった面でもメリットがあります」

「旬の野菜をまとめて購入し、保存のきく漬物にしています。市販のものより安い値段で、大量に作れますよ」

食費そのものではなく「時間を節約する」という発想も！

ひと手間かけて自家製に挑戦するのもいいけれど、忙しくて時間がない……。そんな方には、「時間を節約する」という発想もあります！また節約できた時間を仕事やスキルアップに充てれば、そのぶんお金を稼ぐチャンスを増やせるでしょう。実際に、時間を節約する方法を紹介します。

「毎日の掃除は、落ちているゴミを拾うくらい。あとは週末にまとめて行っています。家事と仕事の両立が大変で、パートのシフトを減らそうかと悩んでいたのですが、こうして上手に手を抜くことで解決しました」

「電子レンジの中を掃除するさいは、耐熱容器に重曹を入れた水を張ってチンするだけ。2分くらい温めたあとで拭き掃除をすれば、簡単に汚れが落ちるので簡単です」

「仕事で疲れた日は、ご飯や麺と合わせるだけのレトルト食品に頼っています。帰宅後のことを考えず残業に打ち込めるので、仕事の効率もアップしました」

まとめ

生活費の減少傾向からも「どうにかして家計を改善しよう」とさまざまな取り組みをしている世帯が多いと考えられます。そんなときは、ほんの少しの工夫を取り入れてみましょう。

一言で節約といっても、「欲しいものを我慢する」というストイックな方法だけではちょっと苦しいですよね。

手作りメニューを増やして食費を抑えるような「手間ひまをかけた節約」は、生活に彩りが加わって楽しそうです。また、上手な「手抜き家事」で節約した時間を使い、現金収入を増やすという発想もアリかもしれません。自分のスタイルに合ったやり方で、無理のない節約を続けていくことをオススメします。

【参考】
「家計調査報告－2020年(令和2年)6月分及び4～6月期平均－（https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf）」総務省