ウィズコロナ時代の「社会貢献」の新しいやり方
LIMO / 2020年8月29日 7時0分
![ウィズコロナ時代の「社会貢献」の新しいやり方](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_18902_0-small.jpg)
ウィズコロナ時代の「社会貢献」の新しいやり方
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴い、「ウィズコロナ時代」とも呼ばれる現在、必然的に社会に対する在り方を問う声が世界的に大きくなっているように感じられます。今回は、こうした中での「社会貢献」の新しいやり方について考えていきます。
社会の役に立ちたい人が過半数以上、新しいやり方を模索
そもそもウィズコロナ時代に入る前から「社会の役に立ちたい!」と考えている人は少なくありませんでした。内閣府が実施している「社会意識に関する世論調査(令和2年1月調査)」によると、社会の一員として、何か社会のために役立ちたいと思っている人は63.4%に上ります。
こうした方たちは、ウィズコロナ時代に入り、外出自粛やリモートワークを迫られる環境下で、物理的に社会に役立つ行動に制限がかかるようになったことを受け、「社会貢献」の新しいやり方を模索しています。
その証拠に、” Google Trends” のキーワード検索によると、2020年4月の政府による緊急事態宣言以降、「応援」や「クラウドファンディング」などの検索数が急増しています。こうした検索数の増加の背景には、SNS等を介して困った状態に陥る人々をリアルタイムで見て、「何とか手を差し伸べたい!」と共感する人が増加していることも一因と考えられます。
社会とのつながりへの満足度低下、仕事への向き合い方を考え直す人の増加
一方で、社会とのつながりや仕事における満足度は低下傾向にあります。
内閣府が実施している「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査(令和2年6月21日)」によると、社会とのつながりの満足度や仕事における満足度が低下し、生活満足度全体が下がっています。「今回の感染症拡大前に比べて、仕事への向き合い方などの意識に変化があった」と答えた人は57%に上ります。
これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって働き方をはじめとする環境が大きく変化し、以前から「社会の役に立ちたい」と考えていた人々が新しい応援の仕方を模索しているものの、まだそこから満足感を得るのは難しいという現実に直面しているとも考えられます。
人は「社会貢献」したほうが幸せになれる
私たちが社会の役に立ちたいと考えること、社会の役に立っているか疑問に感じる環境を不満に思うことは、決して不自然ではありません。
最新の研究によると、私たちは利己的に生きるよりも、ボランティアや寄付などの社会貢献活動に取り組んだほうが幸せを感じやすいようです。チューリッヒ大学のStephan Meier氏とAlois Stutzer氏の研究によると、ボランティア活動に従事している人は、していない人に比べて人生の満足度が高いそうです。
また、ブリティッシュコロンビア大学のElizabeth Dunn氏率いるチームの研究によると、3つの実験によって他の人にお金をあげたり、他の人のためにお金を使ったりするほうが、幸福度が高くなったことが明らかになっています。「社会の役に立つこと」への欲求は、私たち自身の幸せに向けた近道といえます。
これまでとは違ったかたちの「社会貢献」の新しいやり方
ウィズコロナ時代において、「社会貢献」の新しいやり方を模索する、といっても一筋縄にはいかないでしょう。ただ、ここで提案できる1つとして、「社会的インパクト投資」があります。日本国内ではまだ聞き馴染みがないかもしれませんが、欧州を筆頭に次世代の金融のあり方として注目を集めています。
「社会的インパクト投資」とは、世の中にポジティブな結果を生み出す、まさに社会の役に立つ投資を実施する手法です。従来のリスクリターンによる投資に社会貢献度の第3軸を加えるというものになります。
投資は手段、手段は目的次第
たとえば、「誰もが電気を使える環境にする」、「学校に通えない子どもを減らす」といったミッションを持った事業に、お金を貸すかたちで支援を実施します。そうすることで、事業者はミッション達成のための資金源を獲得できます。
事業者が資金源を元に事業を大きくし、事業利益から支援者に返済することで、支援者は戻ってきたお金を再度支援に回すことなどができます。雪だるまがどんどん大きくなるように、良いお金の循環がどんどん大きくなり、最終的には社会の役に立つミッションが達成されることになります。
また、お金の戻りが発生することから、「自分のお金が何に使われてどう役に立ったのか」の報告を受けることになりますので、「自分の投資が役に立った!」という実感を得ることができます。従来の寄付と比較しても、より継続的なおつき合いの可能性を高める試みといえます。
「投資」と聞くと、利己主義や狡さを連想する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、投資はあくまでも手段に過ぎません。目的次第で、毒にもなれば、薬にもなるものです。「社会貢献」の新しいやり方、手段の1つとして、「社会的インパクト投資」に目を向けていただければ幸いです。
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