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まだ間に合う? 40代おひとりさまの老後資金をモデルケースで検証

LIMO / 2020年8月31日 20時0分

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まだ間に合う? 40代おひとりさまの老後資金をモデルケースで検証

「このままずっと一人かもしれない。老後はどうなるの?」と、将来に不安を抱く40代独身女性は多いのではないでしょうか。 また、老後資金作りは40代からでも間に合うのか、心配な方もいるでしょう。

本記事では、投資未経験者の40代独身女性を対象に、老後の不安を軽くする資産の作り方を紹介していきます。後半にはモデルケースを示していますので参考にしてください。

投資を始められない理由

今の定期預金金利は約0.01%。仮に100万円を1年定期に預けると利息は100円、税引後はたったの80円。これではなかなかお金が貯まりません。そのため、効率的にお金を増やすには、金融商品に投資する必要がありますが、投資未経験者にはハードルが高いようです。

金融庁が2016年2月に実施した「NISAのアンケート調査」によると、必要性を知りながらも投資を始められない理由は「まとまった資金がないから」が7割、「知識がないから」が5割弱、「損をしそうで怖いから」が4割弱となっています。

こうした不安を一つずつ解決していきましょう!

初心者向けの資産運用術

1. まとまった資金がないから投資できない

実は、ネット証券などでは100円から投資信託を購入することができます。

2. 知識がないし、投資が怖い

投資初心者でも「長期・積立・分散」の3原則を守れば、比較的簡単に資産運用できます。10年以上の長期で、手数料の安い投資信託やETFを毎月定額購入するのです。

まず、毎月積み立てることで、購入時期を分散できます。買い時や売り時など、相場を読む必要がありません。

また、決まった予算内で購入するため、相場下落時には安く沢山購入でき、上昇時には少しだけ買う、その繰り返しで購入単価が平準化されます。その結果、価格変動リスクを低減できるのです。

異なる資産を組み合わせると、さらにリスクを分散できます。資産の特性や経済局面によって値動きが異なるからです。たとえば、株式や債券、金などに連動するインデックス型投資信託にそれぞれ分散するのです。国内や海外など地域による分散も効果的ですね。

ただ、預金のように元本保証はありません。加えて、一般的にリターンが大きなものほどリスクも高まるため、大きな収益を求めるあまり、株式、新興国対象の高リスク商品ばかり選ばないようにしましょう。

3. 非課税制度をフル活用

利益に加えて非課税制度を使えば、さらに資産を増やすことができます。

通常金融商品の利益には、20.315%の税金がかかります。1万円儲かっても税金が2,031円差し引かれ、手元に残るのは7,969円なのです。

一方、個人型確定拠出年金の「iDeCo」(イデコ)や少額投資非課税制度の「NISA」(ニーサ)といった節税メリットのある制度を利用すると、1万円がそのまま利益として受け取れます。さらにiDeCoは、毎月の掛金が所得税・住民税から控除できるのです。

iDeCoとNISA制度の概要については、一覧表を参考にしてください。

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拡大する(/mwimgs/7/a/-/img_7a6ddd0c5e7ffe700400420889cdf52d122184.jpg)

厚生労働省「iDeCoの概要」、金融庁「NISAとは?」をもとに筆者作成

老後資金作り、40代からでも間に合う?

世間を騒がせた老後2,000万円問題。「老後資金が足りない。どうしよう?」と心配になった方は多いですよね。ここでは老後資金の作り方を見ていきましょう。

【モデルケース】
43歳女性、独身で一人暮らし、会社員で年収450万円、貯蓄額800万円、毎月の生活費20万円・貯蓄3万円、iDeCo2.3万円・つみたてNISA1.7万円を毎月積み立てる場合

まずは生活防衛資金として6カ月〜1年分、住宅購入などライフイベントに必要な資金を確保します。仮に生活防衛資金を20万円 × 12カ月 = 240万円、ライフイベントを100万円で試算すると、余裕資金は800万円 - 240万円 - 100万円 = 460万円となります。

必要な老後資金を2,000万円とすると、2,000万円 - 余裕資金460万円 = 1,540万円が今から積み立てる目標金額となります。60歳 - 43歳 = 17年間、毎月4万円を投資信託で積立、運用利回り3%という条件で、金融庁の「資産運用シミュレーション」で試算すると、最終積立金額は約1,063万円(元本816万円 + 運用収益246.8万円)となります。

運用益が再投資され収益を生む「複利」の効果で、約30%も増やすことができるのです。

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拡大する(/mwimgs/8/1/-/img_810b839db28d9ed55758746a6bde71ba95127.jpg)

さらにiDeCoの掛金は、所得税・住民税の還付が受けられるので、毎年45,905円、17年間で約78万円が返ってきます。

また毎月3万円の貯蓄を17年間続けると612万円、投資信託の積立、iDeCoの税金還付と合わせると1,753万円となり、あくまでも試算ですが積立目標金額1,540万円を大きく上回るのです。

現在の余裕資金460万円を含めると、合計2,213万円の老後資金を確保できますね。会社に退職金制度がある方は、より多くの資金を用意できるでしょう。

投資の恐怖心が強い人は、初めの数カ月は月額1〜2万円の積み立てからスタートし、徐々に積立金額を増やしていきましょう。慣れたら、余裕資金の一部を投資に回してもよいかもしれませんね。

一方、給与天引きなどの先取り貯蓄ができていない方は要注意です。まずは無駄な出費を減らし、携帯電話を格安SIMに変更するなど固定費を見直して、1日でも早く先取り貯蓄を習慣化しましょう。

よくある投資初心者の3大NG

より安全に資産運用するために、投資初心者の3大NG集も紹介しておきます。

理解せずにお勧め商品を買う

投資は自己責任です。よく分からないからと勧められた商品や人気ランキングで購入したら、手数料が高くてハイリスク商品だったということはよく聞く話ですので、ご注意を!

短期売買

個人投資家が短期売買で利益を出すのは、至難の技です。市場の大半を占める機関投資家は、10億分の1秒レベルで高頻度取引(HFT)をしています。投資は10年以上の長期で行いましょう。

分析せずに個別株を買う

個別株は星の数ほどある銘柄から自分で選定、企業分析などをして購入する必要があります。判断基準を持たずに買うと、ギャンブルになるかもしれません。

筆者も長期で個別株取引をやっていますが、かなりの時間と知識が必要です。しっかりと勉強し、余裕資金で取引するか、自信が持てなければプロが運用する投資信託やETFで資産作りをしましょう。

おわりに

投資と聞くと難しく考えがちですが、「長期・積立・分散」の原則を守り、リスクやデメリットを理解すれば、メリットを享受しやすくなります。自分が理解できる商品に投資をし、大事な老後資金を準備していきましょう。

【参考資料】
「国民のNISAの利用状況等に関する アンケート調査(2016年2月)(https://www.fsa.go.jp/common/about/research/20161021-1/01.pdf)」 (金融庁・インテージ)
「NISAとは?(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html)」「令和2年度税制改正について(https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/zeikaitaiko01.pdf)」(金融庁)
「NISA特別ウェブサイト 資産運用シミュレーション(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html)」(金融庁)
「iDeCoの概要(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/ideco.html)」「確定拠出年金制度が改正されます(https://www.ideco-koushiki.jp/library/pdf/seidokaisei202006_1.pdf)」(厚生労働省)
「iDeCo公式サイト かんたん税制優遇シミュレーション(https://www.ideco-koushiki.jp/simulation/)」(国民年金基金連合会)

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