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出世すると給与はどのくらい上がるのか

LIMO / 2020年8月30日 17時45分

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出世すると給与はどのくらい上がるのか

個々人の能力が問われる時代に考えたい、働き方

現代の日本では、出世を積極的に望まない人が増えているといいます。労働時間が延びたり責任が重くなったりすることを嫌がる人は少なくありません。上司の姿が自分の将来の理想像だとは思えない人もいるようです。

とはいえ、「出世をすると給与がどのくらい上がるのか」は、気になる点ではないでしょうか。今回は役職別の給与と、どれくらいの人が課長・部長になっているのか見ていきます。

役職別の賃金と勤続年数

はじめに、厚生労働省の「令和元年(2019年)賃金構造基本統計調査」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html)から、企業規模100人以上の正社員における役職別の賃金および勤続年数をご紹介します。

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役職別の賃金と勤続年数(厚生労働省の資料をもとにLIMO編集部作成)

部長クラスの賃金は男女とも60万円を超えています。昇進すればするほど賃金が上がりますが、係長クラスになるまでに20年ほどの年数がかかっています。女性では、部長クラスのほうが課長クラスよりも勤続年数がやや短くなっている点が特徴です。

課長比率と部長比率

年齢別では、どれくらいの人が課長や部長になっているのでしょうか。独立行政法人 労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2019」をもとに、企業規模100人以上の労働者に占める学歴・年齢階級別の部長と課長の比率をご紹介します。

課長比率

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(労働政策研究・研修機構の資料をもとに編集部作成)

まず、課長比率をチェックします。30代前半にも課長に昇進する人は存在するようですが、40歳前後から一気に増え始める印象です。課長の割合がもっとも高い年代は、大学・大学院卒では22.9%の45~49歳、高校卒では9.5%の50~54歳となっています。「45歳前後になれば、5人に1人は課長になれる可能性がある」というシビアな状況がみえてきます。

部長比率

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拡大する(/mwimgs/6/f/-/img_6fb1aabee518c2179bd09fda88b5a67219439.png)

(労働政策研究・研修機構の資料をもとに編集部作成)

次に、部長比率をご紹介します。部長比率がもっとも高い年代は学歴にかかわらず55~59歳で、大学・大学院卒では17.3%、高校卒では3.8%を占めています。50代後半になってから部長に昇進する人が多い状況です。一方、高校卒で部長になれるのはほんの一握りです。

ここまでみてきたように、出世をすれば確かに給料は上がります。とはいえ、出世をするためには、勤続年数をある程度積み重ねる必要がありそうです。

コロナ禍で変わる働き方

かつて日本で主流だった”年功序列”や”終身雇用制度”は崩壊しつつあるといわれており、大手企業を中心に実力成果主義へのシフトが始まっています。働き方は多様化し、転職を目指す人やスキルを活かして副業を始める人も珍しくありません。

勤続年数を重ねて昇進することだけが給与を上げる方法ではなくなってきているといえるでしょう。

テレワーク

新型コロナ感染症(COVID-19)拡大の影響もあって、積極的にテレワークを導入する企業も増えています。ところが、テレワークになった途端に「仕事ができない」と認定されてしまう人もいるようです。テレワークでは「仕事をしているフリ」が通用しません。”成果”がダイレクトに問われるため、「1人で結果を出せる人かそうでないか」が明確になってしまいます。

能力や実績がはっきりと評価されないまま昇進して、定年を迎えるという風潮が歓迎されてきた日本では、実力成果主義に息苦しさを感じる人もいるかもしれません。

自己啓発の必要性

新しい働き方が求められるなか、自己啓発の必要性を感じる若者が増えています。

公益財団法人日本生産性本部が実施した調査(※)(https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/5f4748ac202c5f1d5086b0a8c85dec2b.pdf)によると、コロナ禍を機に自己啓発を「始めた」「始めたいと思っている」と回答した割合がもっとも高かったのは、20代の54.2%でした。次に多かったのは30代の46.5%です。若者のスキルアップやキャリアアップへの意欲が高いことがうかがえます。

仕事への向き合い方を考えよう

今後の日本に実力成果主義が定着するかどうかはさておき、個々人の能力が問われる時代になってきていることは確かです。自分が仕事とどう向き合っていくのかを、1度立ち止まってじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

参考

「令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況 役職別」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/dl/10.pdf)厚生労働省
「ユースフル労働統計2019」(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2019/documents/useful2019_19_p286-299.pdf)労働政策研究・研修機構
(※)「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」(https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/5f4748ac202c5f1d5086b0a8c85dec2b.pdf)公益財団法人 日本生産性本部

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