セクハラに悩んだ4人が教える「それってセクハラですよ」の境界線
LIMO / 2020年8月31日 12時15分
![セクハラに悩んだ4人が教える「それってセクハラですよ」の境界線](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_19033_0-small.jpg)
セクハラに悩んだ4人が教える「それってセクハラですよ」の境界線
セクシュアル・ハラスメント(以下、セクハラ)は世界中で問題視されています。ことの発端は2017年アメリカのハリウッドで、有名プロデューサーのセクハラ疑惑がSNSに告発されたことからでした。その投稿に賛同するように、ハッシュタグ「#Me Too」が拡散され大きな問題になったのです。
日本では平成30年4月、財務省事務次官が女性記者に対しセクハラ発言を繰り返したという事案が発生し、こちらも大きな話題になりました。
政府も被害は深刻だとし、内閣府男女共同参画局は平成31年よりセクハラ問題に取り組み、令和2年7月1日に「女性活躍加速のための重点方針 2020(http://www.gender.go.jp/policy/sokushin/pdf/jyuten2020_honbun.pdf)」を新たに掲げ、『セクハラ根絶に向けた対策』を推進することを発表しました。
改善に向けた動きはあるものの、いまだセクハラ問題に苦しむ被害者がいるのも事実です。またセクハラの定義はむずかしく、「この発言はセクハラなのか?」と悩む上司もいるようです。今回は、セクハラ被害に苦しんだ4人のパターンを伺い、「なにをセクハラと感じたか」をまとめました。
「彼氏とどうなの?」はセクハラか
入社5年目のA子さんは、直属の上司からセクハラ被害にあったといいます。大人しいタイプのA子さんが、仕事以外の話を上司としたのは、入社1年目の忘年会だったといいます。
「課長は新入社員と仲よくなりたかっただけだと思います。飲み会で『恋人はいるのか』『何年付き合っているのか』と質問されたので、簡単に答えていました。私は飲み会だけの会話だと思い、プライベートな内容を話したのですが、それから勤務中にも質問されるようになったのです。」
それから上司が話しかけるたびに「彼氏とどうなの?」と質問されたそうです。A子さん曰く「どう答えたらいいのかわからない」と困っているのだとか。
「仕事に『彼氏』は関係ありません。それなのに、『デートはどこに行くの?』『彼氏となにをしているの?』と聞かれても……不快感しかありません。」
質問の背景にセクシャルな問題が見えるので、セクハラと感じるようです。
「結婚しないの?」はセクハラか
30代のS美さんは、同僚から結婚について質問されることが苦痛だといいます。
「一般的に、30代に入ると『結婚』を考えるはずだと決めつけられます。『焦らないで』といわれたり、『選り好みしていないか』と責められたり、私はまだ結婚したいと思えないので、自分の意志で独身を選んでいるのに『30歳を過ぎたら、結婚に焦っている』と勝手に決めつけられるのは不快ですね。」
この発言だけでは、これがセクハラ発言なのか判断しづらいですが、セクハラは性別や年齢など個人を差別した『人権問題』といわれています。配慮の欠けた発言は、セクハラ認定されてしまうのです。
「かわいいね」はセクハラか
新入社員のK奈さんは、男性社員から「かわいいね」といわれることがセクハラだと思っているようです。
「毎日『今日もかわいいね』といわれるのは、正直気持ち悪いですね……。いつもそういう目で見ているの?と思ってしまいますし、下心があるように感じてしまいます。同僚なので、仕事仲間として扱ってくれればいいのですが、異性として見ていることが苦痛です。」
たとえ褒め言葉だとしても、毎日容姿のことをいわれるのは気分がよくないといいます。
「しかも、相手は私が『喜んでいる』と勘違いしているようでした。嬉しくないと伝えてもお構いなしなので、毎日ストレスです。そして、他の同僚が助けてくれなかったのもショックでした。」
異性として評価されていることに不快感を示していました。さらに、周囲がこのことを「セクハラ」だと気づいていないことも問題だったといいます。
同性同士のボディタッチはセクハラか
そして、セクハラ被害は女性だけが受けているとはかぎりません。男性も被害にあうことがあるのです。
「僕の場合は、同性の同僚からあいさつのようにボディタッチをされることが問題でした。」
そういう20代のE太さんは、同世代の同僚から股間などを触られることが苦痛だといいます。これはあきらかに「セクハラ行為」ですが、『被害者が男性』で『加害者は同性』というだけで軽くみられているというのです。
「本人や上司にやめるように伝えましたが、『冗談を本気にするな』と笑われて終わりでした。たとえ冗談だとしても、本人が『嫌だ』といっているのだから謝罪するべきなのでは?と、今でもモヤモヤします。」
このように、さまざまなセクハラ問題が被害者を苦しめているようでした。そんなことまで「セクハラ」だといわれるの?と、これからの接し方に悩む人がいるかもしれませんが、まずは相手を思いやることから始めませんか?
「失礼なことをいっていないか」「嫌がっていないか」をよく考えて、お互いに気持ちよく付き合えるといいですね。
【参考】
内閣府男女共同参画局「女性活躍加速のための重点方針 2020(http://www.gender.go.jp/policy/sokushin/pdf/jyuten2020_honbun.pdf)」「セクシュアル・ハラスメント対策の現状と課題(http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/boryoku/houkoku/pdf/honbun_hbo09.pdf)」
法務省「セクシュアル・ハラスメント(http://www.moj.go.jp/jinkennet/asahikawa/sekuhara.pdf)」
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