元気なうちにしておきたい「お墓」のお話~どこに入る?いくらかかる?~
LIMO / 2020年9月5日 11時45分
元気なうちにしておきたい「お墓」のお話~どこに入る?いくらかかる?~
「終活」にどんなイメージを持っていますか?この先の人生をよりよく生きどんな最期を迎えたいかなどを改めて見つめなおす、ポジティブな活動としてとらえる人が増えています。
とはいえ、お葬式や遺産相続など、自分の亡くなったあとに向けての準備であることには変わりません。生前にある程度の準備をしておくことで、自分の気持ちを残すことができるとともに、後を託す家族の負担を軽減することにもつながります。
さて、みなさんは自分の「お墓」について、改めて考えたことはありますか?
「先祖代々のお墓に入りたい」と考えている人が多い
楽天インサイト株式会社が実施した「終活に関する調査(https://insight.rakuten.co.jp/report/20190527/)」をみていきます。この調査結果によると、自分の供養(埋葬)に望む方法について、「特にない/わからない」(29.5%)と回答した人がトップ、2位は「先祖代々受け継がれているお墓に入る」(23.0%)、3位「自分(や家族)で建てたお墓に入る」(21.3%)でした。
自然散骨や樹木葬、寺院などが管理してくれる永代供養や納骨堂など、「お墓」のスタイルは多様化しています。とはいえ、いわゆる「昔ながらのお墓」に入りたいと考えている人が多いようです。この傾向は、「お墓の管理をしていない人」より「お墓の管理をしている人」に高くみられるようです。
お墓の管理と「墓じまい」
自分が「昔ながらのお墓」に入りたいと思っても、実際にそれを管理するのは残された家族。生きているときの住まいとは違い、ここがお墓の難しいところです。
それに関連して、近年話題となっているのが「墓じまい」。故人の遺骨をほかの墓地に移転したり、永代供養墓地に改葬したりすることです。先述の調査結果でも、全体の22.2%の人が「墓じまいを考えている」もしくは「すでに墓じまいした」と回答しています。
少子化・核家族化が進んでいます。たとえば、夫婦ともにきょうだいがいなかった場合、夫婦で2つの実家の墓守りをしなくてはならない…なんてこともあるわけですよね。
各家庭ごとに価値観は異なりますが「墓じまい」をすることは、家族への負担を減らすことにつながるといえるでしょう。先ほどの調査でも、「子どもや他の家族に墓の面倒をかけたくないから」という理由で墓じまいをする人が全体の半数以上となっています。
墓じまいを含めてお墓の管理を考えていくことは、自分自身ではなく、残される家族のために必要なのかもしれません。
お墓っていくらかかるの?
もし新たに自分のお墓を用意しようと考える時、まず気になるのはお金のことでしょう。どんなケースで、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
お墓の管理費
現在お墓を管理しているという人は全体の半数以上(楽天インサイトの調査結果より)に上ります。しかし、実際にどのくらいお金がかかっているかを知っている人は少ないのではないでしょうか。
現在お墓を管理している人が、「お墓にかける年間の管理費用」平均は8,112円。これを多いと思うか少ないと思うかは別として、ひとつの目安として念頭に置いておくとよいでしょう。
生前購入
自分自身のお墓を生きているうちに購入したいと考えている人もいるでしょう。遺産総額を減らすことで、相続税対策にもなります。それでは、お墓を建てるのにはいったいいくらかかるのでしょうか。
一般的なお墓は「墓石の費用+工事費+墓石を建てる場所の永代使用権+管理料」が必要となります。その総額は平均で約200万円。しかしこれは、墓地の場所や墓石の値段によって大きく差が出ます。特に都会では、費用が高く空きも少ないのが現状。決して簡単な買い物ではないということを心得ておきましょう。
永代供養(室内墓)
寺院や霊園にある墓石を利用する、納骨堂などの室内墓を選ぶという方法もあります。室内墓の場合、かかる費用は50~200万円ほど。一般的なお墓に比べると価格を抑えることができます。
生前契約が可能なところを選べば、家族への負担を減らすことも可能。寺院や霊園が管理をしてくれることも人気の理由です。
樹木葬や散骨
墓石を建てず、樹木や花を墓標にする「樹木葬」も近年話題です。なかには10万円台のプランなどもあるので、残された家族の負担は大幅に軽減されるでしょう。散骨も費用は少なく、その後の管理も不要です。
ただし「安いから」という理由だけで選ぶことはおすすめできません。基本的には故人の意向を尊重するのがベストでしょう。遺言書や生前の話し合いで、本人も気持ちに沿い、家族も後悔しない方法を選べるようにしたいですね。
墓じまいにかかる費用
新しいお墓の形に移行するにあたり、先祖代々のお墓は墓じまいをする必要も出てきます。墓じまいの費用は50~300万円。「離檀料(りだんりょう)」と呼ばれる寺院への謝礼金がメインとなります。
離檀料は受け取らないという寺院もあり、その場合費用は少なくて済むでしょう。しかし中には数百万円、高額になると1000万円も請求されたというケースもあります。ここまで高額なことは稀ですが、人の遺骨を移すという行為はやはり軽いものではないのです。それなりの費用と、手続きの手間がかかるということは承知しておきましょう。
まとめ
自分自身である程度の希望はあっても、実際にお墓を管理するのは残された人間です。
「嫁ぎ先の墓には入りたくない」「親しい友人と共同のお墓に入れてほしい」など、それぞれの思いを持つ人もいるでしょう。また、先祖代々のお墓を大切にし、新しいスタイルの供養の方法を心良く思わない人もいるでしょう。
自分ひとりで決めてしまうことは、のちのちのトラブルにもつながります。自分亡き後を託す家族や親戚と、きちんと話し合うことが必要でしょう。
元気なうちから終活スタートを行うことで、お葬式やお墓の話題も出しやすくなるのではないでしょうか。エンディングノートなどでお墓に対する考え方についてまとめていくのも一つの方法ですね。
【参照】
「終活に関する調査(https://insight.rakuten.co.jp/report/20190527/)」楽天インサイト株式会社
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